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ネットのない織物の村、ソプチェムを訪ねて。 in ラオス🇱🇦

みなさん、こんにちは。
手仕事を巡る世界一周。

第2回目は
ラオスのソプチェム村を訪ねたお話。
ラオスは実は、織物文化が
とても豊かな国というのをご存知でしたか?
ソプチェム村は織物が有名な村の1つなのです。

インターネットのない小さな村で
お母さんと一緒に織物の内職をし、
オーナーさんとラオスの
伝統料理作りをするなど
のどかな時間を過ごしました。
そんな1泊2日のお話です。

手仕事を巡る世界一周1つ目の
タイの王室御用達のベンジャロン陶器で
1番の技術を誇る
「ピンスワン・ベンジャロン」工房を
訪ねて工房の背景のお話を伺った記事を
まだ読んでいない方はこちらからどうぞ🫶🏻︎


それでは、さっそく
ソプチェム村の旅へ!



1. ソプチェム村とは

ソプチェム村とは、
ラオスのノーンキャウという街から
ボートでのみ行けるとても小さな村。

ノーンキャウからムアンゴイという村まで
ボートで約45分。
そこからさらにボートで45分進むと
雄大な山と川に囲まれた
約30戸ほどの小さな村が表れます。

手仕事と暮らしと文化に触れるのが好きならと
現地の人におすすめしてもらった場所。

ネットなしで1泊2日、
自然の中でゆったりした村の時間を
楽しみました。

宿はあると聞いていましたが
宿泊サイトやネットに情報はありません。
ムアンゴイ村のレストランのオーナーさんが
ソプチェム村のゲストハウスのオーナーと
知り合いなのでそこに泊まれるよと教えてくれ
彼にボートで連れて行ってもらいました。

ラオスには約49もの民族が暮らし
織物文化がとても豊かな国です。
ラオスを旅して感じた織物文化のお話は
また別の記事で書く予定なのでお楽しみに。

今回はソプチェム村を中心にご紹介。

ラオスは家庭で織物をしている女性が多く
母から子に受け継がれています。
元々は自分たちが家で使うものとして
織物をしていましたが、
観光客が来るようになり
販売用としても織物をしている人を
たくさん見かけます。
自分が織ったものに加えて
知り合いや周りの名も無き村や家庭から
織物を仕入れて販売しているところも多いです。

ソプチェム村もそのような村の1つで、
各家庭の軒先でお母さんが機織りをしながら
お土産の織物を販売していました。

大きなメイン通りが1本あり
両側に10軒ずつくらい
織物のお土産屋さんが並びます。


2. ソプチェム村の日常の風景

乾いた土と木でできた家。
チキンに駆け回るこどもたち、
おじいちゃんが赤ちゃんを抱っこしていたりと
のんびりとした時間が流れています。

ソプチェム村の人たちは
ムアンゴイ村の人たちと比べて
シャイな印象を受けました。
ムアンゴイ村ではこどもたちが
話しかけてきたり
一緒に遊んだりと懐っこい印象。

オーナーさんにそのことを話すと
ムアンゴイ村の方が大きい村で
観光客に慣れていて
英語も話せる人が多いが
ソプチェム村の人は
英語をあまり話せないのでシャイだという。

たしかに織物のお土産屋さんの
ほとんどのお母さんが英語を話せず
ハンドメイドよ、buy for meといい
柄を広げて見せてくれるばかり。

せっかくの手仕事。
もっと話を聞きながら
ゆっくり見たいけれどもそれができない
もどかしさを感じました。

綿100%のスカーフが
たくさん売られていましたが
ハンカチサイズが欲しく悩んでいました。
お店の人にハンカチサイズに
カットして加工してもらえないか
頼んでみるも英語が伝わらず
ネットもないのでGoogle翻訳が使えません。

こういうときに現地の言葉が話せたらな、と
旅をしていると感じます。
何か心が通じ合って
もっともっと話したかった人とも
旅をしているとたくさん出会います。

そんな中で、とてもフレンドリーな
お母さんと出会いました。
軒先で織物をしていて
売り付けてくる訳でもなく
にこやかにあいさつをして
どこから来たの?と話してくれます。

織物やってみる?と
座らせて機織りもやらせてくれました。
しかも簡単に横糸を通すだけでなく
複雑な模様のさまざまな色の糸を
通していく作業。

ラオスではよく軒先で織物をしている
お母さんが、やってみる?と
やらせてくれることがありましたが、
この複雑な模様は初めて。
とても新鮮で面白い体験でした。

縦糸で模様が準備されていて
それに合わせてさまざまな色の糸を
通していきます。

お母さんの手際のよさは
圧巻のスピード。
魔法のようにどんどん模様ができていきます。

わたしもやらせてもらい、
この作業自体も速くやるのは難しいのですが
何より織る前段階の縦糸で模様を作り
それぞれの色の糸を通しておく過程が
ものすごく難しく見えました。

また、ソプチェム村では
各家の手作りライスウイスキーが美味しいと
ノーンキャウで出会ったラオス人の友達に
教えてもらっていました。
化学調味料など何も加えず
シンプルに作られた美味しいお酒だそう。

お母さんにここの村は
ライスウイスキーでも有名なの?と聞くと
ちょうど妹の家で作ったのがあるわよ〜
飲んでみたい?と奥から家で飲むようの
ペットボトルに入った
ライスウイスキーを持ってきてくれました。
50度くらいで度数は高いのに
お米の甘みがして
とっても美味しく飲みやすい。

そのあと、せっかく買うなら
ここのお母さんのところがいいなぁと
追加料金を払うので
スカーフをハンカチにしてもらえないか
聞くと、いいよ、明日の夕方に
取りに来てね、と言ってくれました。


3. 川遊び

村は暑くエアコンもないので
川で泳いでみたくなりました。

ちょうどソプチェム村に来る前に
ムアンゴイ村のボート乗り場で
こども達と観光客の人たちが
楽しそうに泳いでいたのを見たあと。

わたしたちは泳げないので
川や海で泳ぐことはないのですが
あまりに楽しそうで気持ちよさそうだったので
浅瀬で泳いでみることに。

暑い中、雄大な山を見ながら
大きな流れの川に入る。
冷たくて気持ちがいい。
自然と一体化したような
今までに感じたことのない開放感。
上を向いて川に頭を付けると
最高に気持ちがいい。

小学生のときの夏休みのような
純粋に自然を楽しんで
はしゃいでいた時間を思い出す。
2人だけで貸切。
最高の景色に最高に気持ちいい川。
思わず「にゃはははは〜!」と
最上級の楽しい笑いが止まりません。

川底から泥をすくって
泥パックと言って顔や髪に塗りたくってみたり。
何をしても楽しい。
ムアンゴイ村で髪を切り
ビアラオに惚れ込んだ妹は
メコンの女と呼んでくれ!と
泥まみれで大喜び。

少しすると地元のおじちゃんが
石鹸を持って体を洗いに
やってきました。
何やら話しかけてくれ
知ってるラオス語で少し会話をし
あとはたくさん笑い合う。

きっとここで毎日
シャワー代わりに体を洗いに
きているんだろうと
自然と一体の日常を知ることができて
うれしく思いました。



4. お母さんと内職

夜はオーナーさんも帰ってきて
一緒に夜ご飯にラオス料理を
クッキングしたい!と話すと
いいよ、メニューは何がいい?という話に。
魚とチキンとポークならあるよ、と言われ
せっかくならフイッシュラープで!と
お願いする。このクッキングも
最高に楽しかったので、後述。

そのあと、2泊する予定を
1泊に変更することにしたので
ハンカチの加工が間に合わないので
自分たちでするから大丈夫と
お母さんに伝えにいくことに。

すると、娘ちゃんや近所の人たちとみんなで
既に作業をしてくれていました。
なので、それならわたしも
一緒に手伝っていいかと聞くと
もちろん!おいでおいでー!と
急遽一緒に作業をすることに。

雨も降ってきてオーナーさんに
30分くらい作業していくから
クッキングはそのあとで、とお願いしにいく。
おそらくこの村で唯一
分刻みでドタバタ予定を
ハシゴするわたしたち。

雨が強くなってきて
急いでお母さんのところに戻り
一緒に洗濯物を取り込むのを手伝う。
ドタバタわちゃわちゃなんだか楽しい。

こどもたちは楽しそうに
大雨の中を走り回ったり
屋根から流れ落ちる雨で
シャワーを浴びたり。

ちょうど雨の中、
息子さんが川から魚をとって
帰ってくるところで、
彼らの生活が川や自然と共にあることが
さまざまなシーンから垣間見えます。

そしてお母さんと一緒に作業。
大きなスカーフを4つにカットしてくれ
先を5cmほど解いて
そこを三つ編みのようにフリンジにします。

お母さんにせっかく編んでくれたのに
解いちゃってごめんね、と言うと
笑っていいよいいよと言ってくれました。

フリンジ作りもお母さんは
慣れた手つきであっという間に
完成させていきますが、
やってみるとこれまた難しく
長年の熟練した手さばきと
お母さんのすごさが身に染みます。

5. 夕ご飯作り

そして夜は宿のオーナーご夫婦と
もう1人のひとり旅で来ていて
仲良くなったカナダ出身の女の子と
一緒に夕ご飯つくり。

メニューは何がいいか聞かれ、
せっかくならラープを作りたいというと
チキン、ポーク、魚の
どれがいい?とのこと。

魚のラープは食べたことがなかったので
魚でお願い!というと快くOKしてくれました。

ラープとはミンチにした魚やお肉と
たくさんのハーブをライム果樹と和えた
ラオスの代表的な料理の1つ。

同じラープという発音で
幸せ、という意味があることから
お祝いごとにも欠かせないんだとか。

ラオスは食文化も本当に豊かです。
メコン川と支流の魚、
飼っているチキンをはじめ
豚、牛、カエル、いろんなお肉、
山の野菜とハーブ。

ラープはまさにラオスの豊かな
食文化を象徴している料理の
1つかもしれません。

ハーブもオーナーさんが育てているといい
お庭から詰みたて。
魚も川から採ってきたものを
冷凍しておいたもの。
川と山の恵みがたっぷりです。

味付けにはまさかの味の素が登場。
電波もないラオスの小さな村で
味の素が家庭の味として馴染んでいるとは。

みんなで魚の切って
ハーブを味見しながら刻んで
愉快な夕食作り。

レモングラスにガランガルと呼ばれる
生姜のようなスパイシーな薬味や
ベイビーオニオンと呼んでいた
ニンニクほどのサイズの
小さな玉ねぎなど
日本ではあまりみないハーブがたくさん。
この小玉ねぎが甘みがあり
香りが強くてとっても美味しい。

緑色の辛くないよと言われてかじった
青唐辛子の信じられない辛さも思い出。

カオニャオと呼ばれる
もち米と一緒に頂きます。
素手で丸めておかずを付けながら
食べるのがラオス流。
自家製のライスウイスキーと乾杯。

真似してやってごらんと言われ
やってみると、もち米が
旨味たっぷりの汁を吸って
一体感が出て別々に箸で食べる
何倍も美味しく感じました。
やっぱり豪に入れば郷に従えで
何でも挑戦するのが大事だなぁと。

外で食べていると
電球の明かりに虫が飛んできます。
オーナーの奥さんがあっという間に
3匹捕まえて、
なんと食べてみる?ということに。

ラオスでは虫もよく食べるらしく
揚げると美味しいんだよ、と
すぐに羽根と脚をもいで
ちょこんと机の上に並ぶ3匹の虫。

食べてみる、というと
オーナーが料理してきてくれることに。
マスターシェフ!と呼ぶと
ちょうど持ってきてくれました。
なんとレモングラスとハーブと一緒に
素揚げしており、虫をただ揚げただけでなく
美味しそうに調理してくれていました。
香ばしい香りとハーブの爽やかさが
なんとも美味しそう。

虫のまま食べるのは少し抵抗がありましたが、
オーナーさんがちぎってくれて
見た目も虫感はほぼなく
いざ実食。
エビのような香ばしさがあり
めちゃくちゃ美味しいおつまみ。

妹はなんとさらに大きくて
お腹に卵が詰まった虫も食べていました。
卵と鶏肉の間みたい、とのこと。

お母さんと一緒に織物の内職をして
おじちゃんと川で泳ぎ
夕ご飯つくりをして
ゆったりとした村の日常を感じた
とてもいい時間でした。




もしラオスに行く機会があれば
ソプチェム村もとてもおすすめです。

ではまた、次回もお楽しみに!



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