5.23 ヴァンヴィエン、沈没

ビール好きがラオスに来ると危険である。

地元の人も観光客もこぞって飲む。
ビアラオはものすごく美味しいし
地元の人は無料か水なの?ってくらい
湧き出るようにみんなたくさん飲んでいた。

昨日はたくさん飲んだので、
今日は飲まないで街を楽しもうと
散歩して地元の人がやっている
ご飯屋さんに入る。

山盛りのパッタイが2つ出てきて
ヒィヒィしたが、
鶏が捌きたてなのか
ものすごく柔らかくて美味しい。
お店のおじさんが自分用に
練乳コーヒーを入れていたので
メニューにはないがあるか聞くと
同じものを2杯入れてくれた。

量り売りのおばさんがやってきて
何かと思えばカエルだった。
こっちではカエルもメジャーな
食材の1つらしい。

その後少しすると
おじさんは楽しそうに
ビールを抱えているので
店の奥を見ると友達家族と
朝からみんなで酒盛りをしている。

いいね、と微笑むと
一緒に飲むかい?とすぐさま
コップにビールをついでくれ、
ラオフードもたくさんあるよ!と
椅子を引いてくれる。

赤茶色のスープのような平べったい
お皿があり、指さしてこれは
豚の血だよ〜と教えてくれる。

一緒に飲みたかったが
パッタイでお腹はパンパンで
カヤックの時間も迫っていたので、
お礼を言って1杯だけ飲むと、
カヤックのあとまた戻っておいでー!と
明るく送ってくれる。

まさかの朝ビ。
2人で飲みきらなかった
カップに入ってストローの刺さった
ビールを片手に宿に向かって
歩いていると、ラムと
昨日道を教えてくれたポピーが乗った
原付とすれ違って手を振る。
知り合いがいる街は楽しい。

カヤックの約束の時間にオフィスに出向く。
今日は他に何かする?と聞かれ
ブルーラグーンも行くか、と
昨日1番地元の人も好きという
ブルーラグーン3に行くことに。
トゥクトゥクで1時間と遠く
少し高かったが、ビールのお礼も兼ねて
アクティビティをすることに。

カヤックに行く途中の道で
景色かよく写真を撮っていたら
いいところで駐車してくれて写真撮影。

なんとトラックの上に登ると
もっと景色がいいよと言われて
恐る恐る登る。
妹はすんなり立ち上がっていたが、
登るのも精一杯て
怖すぎて立ち上がれなく
ヒィヒィしていると
みんな笑って写真を撮ってくれた。
一瞬だけ立ち上がったが
めちゃくちゃ怖い。

降りるのにも一苦労、
次はここの足をここに、と
動かしてもらいながら
支えてもらいながらやっとのことで帰還。

カヤックの途中にもレストランがあり
ビールを買ってカヤックの上で飲む。
最高すぎる。
ポピーが音楽をかけて
歌いながらカヤックを漕いでくれ
友達とカヤックに来たような
幸せな時間が流れる。

所々こどもたちが水遊びをしていたり
釣りや網で漁をしている人がいたり、
地元の人達が川床で
朝から飲んでいて手を降ってくれたりする。

わたしたちの船が1番遅く
何隻かに抜かされて行ったが気にしない。
終わっちゃうのが寂しくて
誰もあまり強く漕がず
のんびり川の流れに身を任せていた。

オフィスに帰ってくるとラムが待っていて
どうだったー?といいながら
座って座ってと言って
無言でキンキンのビールを出してくれる。
最高すぎる。

そしてこの後はブルーラグーンへ。
途中の山に囲まれた田舎道が
これまた最高にのどかで
美しい風景が流れていく。
トゥクトゥクの運転手のおじさんも
とっても優しくていい人で、
ここで待ってるからゆっくり楽しんでね、
と言ってくれる。

ブルーラグーン3は
そこまで人がいすぎず、
かと言って少なすぎずちょうどいい混み具合。
青い池に魚が泳いでいて、
スライダーをしたり泳いでいる人がいて
不思議な光景だ。

持ってきたTシャツに泳ぐ用の短パンで
泳いでみることにするも
曇りで以外と冷たく
入るのにも一苦労。

妹は冷たいといいながら
すんなり入水できたが、
わたしはサウナの水風呂とか
プール後の冷たいシャワーとか
冷たいのが苦手で腰以降が
どうにも入れなく苦戦する。
もう1人のヨーロッパの女の子も
冷たいのが苦手らしく
2人で寒いねぇと笑い合うが
彼女が覚悟を決めて泳ぎ出したので
勇気をもらって後に続く。

そして泳げないので浮き輪をどうしようか
困っていると、ちょうど上がる人が
この浮き輪どうぞと渡してくれた。
大感謝。

他の浮き輪は紐で繋がって固定されていたので、
めちゃくちゃラッキーな浮き輪を手に入れた。

周りはヨーロッパの人が多く、
元気にスライダーをしたり、
回転しながら飛び込んだりと
泳いだりとチルしているが、
わたし達は泳げないし
スライダーは怖いので
動かない浮き輪に入って
のんびりぷかぷか浮いていた。
それだけでも何だか楽しかった。

上がって少しお腹が空いたので
ござの席で休みながらチャーハンとビールを。
カウンターで注文していると
隣の韓国人のおじさんお兄さん2人が
両手に5本ずつくらい
大量のビールを持っていて、
目が合って、わお、メニーと笑いかけると、
とてもフレンドリーで話が始まる。

隣のござで飲んでるらしく、
友人と合流してみんなで乾杯する。

韓国語のコールを2つマスターしている妹、
さっそく披露して盛り上げる。

差し入れ、と言って
マンゴーと追加のビールを頂く。

ござが少し狭く、
5人組の彼らは1番若いお兄さんが
座れずずっと立ちながら
おしゃべりしているが、
こっちのござにおいでとも、
わたし達のござに来ようともせず
ちょうどいい距離感でおしゃべりする。

職業は何だと思う?と
職業当てクイズが始まる。
韓国の男の人と話すと、
出身を話す感じで職業を言われることが多く
ラオスでは独身かどうか必ず聞かれ、
最初の自己紹介も国柄なのかな、と思った。

なかなかムキムキな人が多かったので
スポーツ?と聞くと、なんと
釜山で警察官らしく職場の同僚で
5人で旅行に来たという。

そのあと日本の男と韓国の男は
どっちがカッコイイと思う?と聞かれ、
主語が大きくて申し訳ないが
体感の統計上、韓国の男の人はなぞの
自信に満ち溢れているな、とも思った。

そのあと一緒に泳ごうと言われるも
もう泳ぎ疲れたので断り、
2.3人が泳ぎに行って、
残ったメンバーでおしゃべりする。

彼らはスライダーではなく
地味な平均台に跨り手押し相撲なんかをして
遊び始めると、どんどん盛り上がってきた。
周りのヨーロッパの人達も参加しだして
トーナメント方式で戦っている。

ガタイのいいヨーロッパの人との勝負で
韓国ニキがバランスを崩して落ちそうになり
相手に抱きついて粘ると
大笑いに包まれる。
そしてなんと相手の方が
落ちて彼はひっくり返ってつかまり、
会場は大爆笑。

これまではみんなスライダーの
飛び込みの仕方で盛り上げていたが、
まさか地味な平均台で
アジア人もほぼおらずアウェイな中
会場が1つになるほどの大笑いと
盛り上がりをみせる。
彼らは真のインターナショナルコメディアンだ。

お手洗いに行っている間に
また先ほどよりも会場が盛り上がって
大爆笑の声が聞こえる。
戻って妹に動画を見せてもらうと
次は立って平均台の上を進み、
手押し相撲をしていたとのこと。

そして韓国ニキが前に進むも
相手のヨーロッパニキが
全然前に歩いて来ないので、
来いよ、来いよ、と煽っていたら盛り上がり、
しかも彼がそれでバランスを崩して
落ちて大爆笑だったとのこと。
みんなで話していたときに
1番寡黙そうな彼が
まさかのめちゃくちゃ面白いタイプで
会場を沸かせていた。

彼らが男5人だけで旅行しても
最高に楽しんでいるのがよく分かる。

少しして、ペタンクもあるので
それで一緒に遊ぼうということに。
一斉にに投げたり1人ずつ投げたりと
これまた盛り上がる。
彼らの即席力とユーモアはすごい。
ビリの人はビンタ、と言って
はたかれる人は手の甲をほっぺにつけて
はたく方は手の平目がけて軽く叩くと
いい音はするが痛くない。

最後はチーム戦にして
負けた方がスライダーをやることに。
わたしのチームが負けてしまった。
メンバーの1人のザコシショウみたいに
明るく勢いで笑わせてくれる人も
水が苦手でほとんど泳いでおらず
わたしもスライダーがめちゃくちゃ怖い。

何人か女の人が腕の力が足りずに
スライダーにぶら下がった瞬間
大きな悲鳴をあげながら
下にズドンと落ちていた。

筋力がほぼないので
わたしもそうなるのは目に見えており
となると中々の高さから
飛び込んでいるのと同じ。
ライフジャケットは着ているものの怖すぎる。

とりあえずスライダーの上に登るも
思ったよりも捕まる場所が高く
手も届くのがギリギリで怖すぎる。

ムリだ、ムリだ、と半泣きになり、
ザコシショウもこれは怖いよね、
やめとくか、と共感してくれつつ、
ザコシショウが先に頑張って挑戦する。

スライダーが2つあり、
奥の方が手が届いてまだ何とか
やれそうだったので、
頑張ってみることにする。

わたしは泳げないので
レスキューしてね、とお願いし、
もう1人の若いニキも降りて
待機しててくれる。

本当のレスキュー係の地元のお兄さんも
こっちの方がイージーだよ、
下で助けてあげるよ、と言って
先に降りて待機してくれ、
3人体制でスライダーのどこに落ちても
大丈夫なように待っててくれて、
やっと出陣。

めちゃくちゃ怖く
飛び降りを覚悟したが、
やってみると以外と腕の力が持ち、
すぐにズドンと落ちず
1番低い最後まで滑れた。
手を話したあともすぐにお兄さんが
回収してくれて岸まで泳ぎ届けてくれて帰還。

やってみて、落ちないと分かれば
意外と楽しく、体験していない妹が
もったいなく思ったので
妹にも行け行けー!と言って
相手チームも全員スライダーをすることに。

1人の韓国ニキは異常に運動神経がよく
スライダーで往復して回転して飛び込み
また会場を沸かしていた。

わたしが台の上で
めちゃくちゃ怖がっていたので、
ザコシショウが絶対に無理だと思ったよ、
本当にブレイブガールだ、と
ずっと感心して褒めてくれる。

わたしたちは台の上で
怖かった者同士の友情が芽生え、
ザコシショウはそれから姉推しになったらしく、
帰り彼らのバギーを
トゥクトゥクで抜かして行ったときも
オネェチャーン、サランヘヨ〜!
と叫んでくれて、妹は
わたしもいるよ〜とみんなで爆笑する。

彼らと過ごして久しぶりに純粋に
お腹の底から大爆笑をした気がする。
楽しい韓国コメディアン達のおかげで
ブルーラグーンも最高に楽しい思い出になった。
彼らがいれば釜山の治安も安心だ。

写真を送れるように
LINEグループを作ったのだが、
今登山をして楽しんでるよー!と
送ってくれた彼らの写真が
無駄のないポーズで腕を広げ
最高に楽しそうで最高だった。

帰ってくると、
ラム達がおかえり、と出迎えてくれ、
どうだった?と無言でビールが出てきて
スライダーの動画を見せたり
思い出話をしてまた一緒に飲む。
ビールがキンキンに冷えていて
彼のビールへの愛と飲みべの高さを
再認識する。

今日もまた、違う友達や
隣のツアー会社の人が寄っては
一緒に飲んでを繰り返す。

今日の夜はラムの奥さんの家族が
家に来て一緒にご飯を食べるので
早く帰らなきゃ行けないんだら
ということでバイバイする。
なんだかこのまま明日の朝
ヴァンビエンを去るには寂しく
街歩きも何もしていないので、
もう1泊することにする。
これが世に言う沈没なのか。

宿に帰るとなんと妹が
実はスライダーで親指を捻っていたと告白。
しかも悪化しておりめちゃくちゃ腫れている。

わたしたちに合言葉ができた。
体は張らない、無理しない。

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