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リラ〜犬と人との物語②

前書きと第1話はこちら


第2話 新しいお母さんとの出会い


 知らないおじさんに連れて行かれた所は、シェルターと呼ばれている場所らしい。たくさんのワンコがゲージに入れられていた。

 小屋の中にどれだけのワンコがいたんだろう。

 わたしはまだ子犬だったから、3段ゲージは一番に居たんだ。小さいワンコが高い位置に入っていたからね。

 この小屋に人間が入ってくると、さぁ大変!

「ここから出して〜!」
「遊んで〜」
「トイレさせろ〜!」
「腹減った〜!」

 大騒ぎでうるさい、うるさい。

 でも、アピールしないと出してくれないた思うから、皆必死なんだよね。

 わたし?

 出してくれたらいいなぁと思うけど、アピールしてもしなくても、出れるときは出れるし、無理なときは無理って知ってたから。

 無駄にワンワンなんて言わないんだ。

 そのうち、ボランティアさんが出してくれて。

 お散歩に行くんだよ。

 外の空気は美味しいなぁ。気持ちいいなぁ。

 わたし一人とボランティアさん一人。

 愉しい時間だよ。

 後から、わたしのお尻拭いてくれたりさ。お散歩してくれる時間と排泄したいと思うときがズレちゃって。いつの間にかお尻が汚れていたみたい。

 わたしは気にならなかったけど、お尻拭いてもらったから、気持ち良かったぁ。

 そんな生活がどのくらい続いたんだろう?

 時々散歩してくれてたボランティアさんがね、わたしに言ったんだ。

「今日からあなたはわたしの新しい家族だよ。リラ、よろしくね」って。

 福島って呼ばれた場所。 

 ワンコがたくさん居た場所。

 また違う場所へと、わたしは移動したんだ。

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ひなた美由紀
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