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湧き出づる泉の前で

こんこんと湧き立つ水辺に立つと
人はふと不思議に思う

なぜ生きるのに必要な水に
金を払わねばならぬのか?

惜しむことなく溢るるその水は
毒とは無縁の豊かさがある

山の神に抱かれた光の粒が
人の喉を潤す
身体に沁み渡る善き氣に
自然と笑みが溢れる

天より降りし雨が木々に歓びを齎し
山が潤いを蓄える
そこから流れ出づる川の清らかなことよ
やがて海原へとたどり着き
また天へと戻っていく

その循環が水の神だと腑に落ちれば
水を口にする度に人は自然とこうべを垂れる
そのありがたさが身体に満ち充つと
人は汚さぬ生き方を選んでいける

水の神 ありがたいありがたい
水の神 弥栄弥栄


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ひなた美由紀
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