日本ならではの循環社会をつくる
1.菌と向き合うこと
まだまだ油断できないけれど、だいぶおさまってきたコロナ。
コロナが流行った時、免疫力をあげることに集中した。菌に負けない身体を。
その時、真っ先に浮かんだのが、腸活だった。免疫力をつけるために、腸内環境を整える。納豆、味噌汁。気づけば、ほとんどが「発酵食品」だった。その時、改めて発酵が身体にとっていいものだと知ったのだ。そこから発酵食品について、学び始めて、日本が発酵大国ということを知った。すると、ひとつ疑問に思うことが出てきたのだ。
発酵食品とは、微生物の働きによって、食材の持つもともとの性質が人間にとって有益に変化した食品のことである。つまり、微生物という菌が私たちの手助けをしてくれているのだ。
ちょっと待って。コロナの中、街中では、アルコール除菌、除菌、除菌。除菌を恐ろしいほどしまくっていた。果たして菌は悪なのだろうか。除菌ではなく、加菌をすることが正しいのではないだろうか。私はお医者さんでもないからこれだ!と断言できないけれど、私は発酵食品の力を信じたい。加菌の力を。だからこそ、微生物の力を信じ、微生物を尊敬し、自然と対話する仕事がしたい。これは私が蔵人になった理由の1つなのだ。気づけば蔵人になっていたのだ。
2.「堆肥オムツ」開発 ドイツのDYCLE
菌に対しての印象が変わった出来事はもう一つある。2020年、私はドイツのスタートアップで働いていた。そこでの出会いが「菌」に対しての印象を大きく変えたのだ。その会社は、プラスチックではなく、土にかえるオムツを開発していたのだ。オムツを土に還し、いい土を作る。その土で果物を育て、そしてジュース等のプロダクトをうみだす。菌の力を借りて、循環する仕組みを作るスタートアップだったのだ。「人と自然が共存できる仕組みを作る」「生まれたばかりの赤ちゃんも社会貢献している、社会の一員だ」そんな仕組みをつくる会社に感銘を受けた。これは、ブルーエコノミーの教えだ。今後、私たちが生きていく上で、幸せになるヒントが隠されているのではないか。どんどん興味を持った。それから月日が経ち、色々な経験を経て、私も日本人として、日本ならではの循環型社会をつくっていきたいと、思っていったのだ。
3. ブルーエコノミーの教え
ブルーエコノミーという言葉に出会ったのは 2020年。
ブルーエコノミーとは、自然生態系から着想された経済モデルであり、「成長の限界」を克服し「ゼロミッション」を実現する、すべての人々が待ち望んでいた理想的な21世紀の経済と環境のビジョンである。
そしてブルーエコノミーのゴールとは、誰もが持っているのに、今までそれに気づかずにいたものを見つける事だそう。貧困や廃棄物を作り続ける経済なんてナンセンス。自然の生態系がずっと営み続けている進化には、無駄も不足もない。
今持っているもので、世界の人々に健康と幸福を運べるのだ。それがブルーエコノミーだ。空は青いし、海だって青い。私たちの地球だって、宇宙から眺めれば、青いのだ。生態系の仕組みを崩さずに経済の仕組みを考えるのだ。ブルーエコノミーを教えてくれたドイツのスタートアップDYCLE代表あゆみさん。
4. 日本ならではの循環システムを
私が日本人ならば、日本ならではのエコシステムを作りたい。蔵元にいるならば、蔵元ならではのブルーエコノミーが絶対にあるはず。そうアドバイスを教えてくれたあゆみさん。だから私は、蔵元ならではのブルーエコノミーで世界中の人々に健康と幸福を与えたいのだ。そんな想いで今いるのだ。自分に何ができるのだろうか。そんな思いで毎日発酵食品と向き合っている。同じように発酵している人いないかな、一緒に日本酒飲みながら語りたいのだ。
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