日記 8/22,23(「海の京都」に子連れ弾丸1泊旅行)
8/22(木)
京丹後に行きたい欲が高まって飽和点に達する。
もうこれ以上先延ばしにしてもうずうずし続けるだけなので、Mさんに電話して、思い切っていくことに。
12時半に二条を出発する特急に乗りさえすれば15時前に豊岡という駅に着く。
行くことに決めて30分足らずで支度をしてお家を飛び出した。
子連れ旅行でもその気になればあっという間に家を出られる…
ただし、私はお化粧どころかこの真夏に日焼け止めすら塗らず、出発前にぼうやのおむつを替えることもせず、必要最低限のものをまとめてとにかく二人の体を移動させた、という感じ。
無事はじめての特急に乗り一路、海の京都へ。
あっという間に車窓は一面、緑が目にまぶしい山々と田んぼで、いつも街中で自然を焦がれているのってなんだったんだろう、と思える。
すこし特急に乗れば、緑深い山あいに空を映してきらめく谷川に心奪われることもできるのに。
私の知らなかった京都の姿。
知らなかったんじゃない、知ろうとしなかっただけなのだ。
15時前に豊岡駅につき、Mさんと息子のHくんと合流。
お腹が空いていて、まず二方蒲鉾へ連れて行ってもらう。
おやつに一番人気という玉ねぎ天と同じく人気商品の紅キャベツ天を買ってその場でいただいた。
今日のお夕飯用に練りものをいろいろ選んで、Mさんが予約してくれていたホテルにチェックインしに行く。
京丹後、観光地化されていないぶんゆったりしていて、すごくいい。
昨日まではお天気が良くなかったらしく、お天気に恵まれてよかった、Mさんは「杏奈ちゃんは久美浜に歓迎されているんだよ」と。
こちらの海や湾は、晴れていてこそ綺麗なのだと。
Mさんの旦那さんは7年間で一度も晴れの京丹後を体験したことがないそう。
つい数日前にSさんが遊びに来た時も曇っていて微妙なお天気だったようで、本当はもっと早く来たかったけど、やっぱり今日この日がベストだったのだな、と思う。
荷物を置いて、お夕飯のお魚を買いに今度は鮮魚店へ。
海が近くてお魚が新鮮で安いのは、いつも海から遠い街中で鮮魚に飢えている私からしたら羨ましい限り。
夕日が浦に一瞬立ち寄って、金色の西陽を受けてかがやく田んぼ道を走ってマルワという地元のスーパーへ。
全国津々浦々その土地土地に、その地域に住んでいる人しか知らないローカルのスーパーがあって、そこでしか買えないものがあり、私が見たことも聞いたこともない商品がその町の人に愛され、当たり前のように日々の食卓に上っているのだ。
という当たり前のこと、だけど知らない土地に実際に足を運ばないと思い出さないこと。
お夕飯は、子連れでも周囲に気兼ねなく食事できるようにとのお心遣いでMさんのご実家にお邪魔させていただいた。
たくさんのお刺身と練り物、鮮魚店で買った南蛮漬けや京丹後名物の鯖のそぼろのばら寿司、サラダ、シャインマスカットにつみたてブルーベリー、Mさんいちおしの京丹後の乳製品メーカー「ヒラタ」の牛乳やコーヒー牛乳も出していただいた。
お腹いっぱいになってホテルに着いたのが21時半頃。
ぼうやと温泉に入って就寝。
8/23(金)
快晴。
8時半頃、フロントからの電話で起床。朝食が9時までなので、と。
せっかくのビュッフェだけどまだお腹が空いていないので、私は持参した腸活ドリンクとヒラタのコーヒー牛乳少しとフルーツ少し。
ぼうやは白米としらすと海苔。
急いで水着に着替えてホテルすぐそばのビーチへ、せっかくなので少しでも海に入ってみたかった。
海水浴初心者なのではじめ外海ではなく湾の方に行ってしまう。
砂浜もないしどう考えても泳ぐ感じではない…
内海と外海は違うのだ。
10分ほど歩いて外海のほうへ。
京都とは思えないような、綺麗な海。
私とぼうやの他には、昨晩露天風呂で一緒だったおばさまとその旦那さまと思しき男性がいるだけだった。
時が止まったように静かな海にぼうやと二人で波に揺られたこと、きっと忘れない。
ぎゅっとしがみついてくるぼうやと抱き合いながら透明な海に入って思ったのは、なぜか見たことも会ったこともない、昭和の親子たちのこと。
日本の色々な海岸でこれまでこうしてたくさんの親たちが、子どもを連れては夏の思い出を作ってきたのだろうと、その光景が浮かんできた。
海岸に刻まれた記憶が語りかけてきたのかもしれない。
時代は変われど、無数の親たちがしてきたことを、今私もしている。
ほんの10分だけど海に入れてよかった。
ぼうやがずっと抱っこマンだったので、朝のこの短時間で、私の腕は1日の労働限界量を超えた。
急いでシャワーを浴びてチェックアウトし、迎えにきてくれたMさん親子と合流。
この辺りで一番美味しい果物が買えるというくさかべ農園へ行き、大粒の立派な葡萄3種類をお土産に購入。
嬉しい!
昨日食べられなかったジェラートを食べに行き、Mさんおすすめのぼたもちをお土産に買って、お昼は出石そばを食べに連れて行ってもらった。
Mさんは地元のことを「ほんと、ど田舎だよ〜」というけれど。
人間が傍若無人に開発の手を入れていない”田舎”のほうが地球本来のあり方なのであって、都会のほうが異常?と言ったらなんだけど、そう思った。
最後に「たじまんま」という道の駅のようなところへ寄り、Mさんが強くお勧めしてくれたTASのクッキー詰め合わせやスモアを購入。
フルーツ、二方蒲鉾の練り物いろいろ、お菓子、Mさんがどっさりくれた沖縄土産などで荷物が来たときの倍くらいになり、大きなリュックをお借りして帰ることに。
また豊岡駅まで送ってもらい、無事16時台の、乗り換えなしで京都まで帰れる特急に乗ることができた。
車も免許もない私が、観光地として整備されていない土地を一才のぼうやと2人で旅行する。
Mさんが手を差し伸べてくれたおかげで叶ったちいさな冒険だった。
ぼうやといると、いろんなことが“冒険”になる。