見出し画像

初めてセフレができた話

24歳、初めてのセフレ

24歳の冬、俺に初めてのセフレができた。

社会人2年目。相変わらず恋愛は苦手だった。女性と話せないわけじゃないが、どう距離を詰めればいいのか分からない。そんな俺が、まさか「そういう関係」になる日が来るとは思ってもいなかった。

きっかけは、会社の飲み会だった。

同期の繋がりで開かれた合コンに、俺は半ば強制的に参加させられた。場慣れした男たちが盛り上げる中、俺は端っこで適当に酒を飲んでいた。

そんな時、隣に座っていた女性が話しかけてきた。

「お酒、強いの?」

見ると、俺と同じく静かに飲んでいるタイプの女性だった。派手ではないが、どこか色気のある雰囲気を持っていた。

「強くはないけど、飲むのは好きかも」

ぎこちなく返すと、彼女はクスッと笑った。

「一緒だね」

それをきっかけに、自然と会話が弾んだ。お互いの仕事の話、趣味の話、他愛もないことを話しているうちに、気づけば二次会の時間になっていた。

「もう少し飲まない?」

彼女の提案に、俺は頷いた。二次会は静かなバーだった。

そこでも他愛のない会話を続けたが、どこかお互いに探りを入れているような空気があった。

そして、帰るタイミングになった時、彼女がふとこう言った。

「もうちょっと話したいけど…このあとどうする?」

一瞬、頭が真っ白になった。

でも、なんとなく察した。彼女は俺を試している。

「じゃあ、もう一軒…?」

俺がそう言うと、彼女は少し笑って「いいよ」と言った。

タクシーに乗り、自然な流れでホテルに向かった。

部屋に入ってからも、すぐに何かが起こるわけではなかった。お互いにシャワーを浴び、ベッドに座り、改めて顔を見た。

「こういうの、よくあるの?」

俺が聞くと、彼女は首を横に振った。

「そんなにないけど…たまにはね」

彼女は大人の余裕を持っているようで、どこか俺をリードしてくれた。

正直、緊張はあった。でも、それ以上に、こうして女性と自然な流れで関係を持てることが嬉しかった。

翌朝、彼女は「また飲もうね」と言って去っていった。

それから何度か会い、同じような関係が続いた。特別な感情があるわけではないけれど、互いに寂しさを埋めるような、そんな曖昧な関係だった。

こうして俺は、初めて「セフレ」という存在を知った。

いいなと思ったら応援しよう!