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「地球を株主にする」パタゴニアが大事にしていること

パタゴニアには創業フェーズでとても優秀な人々が合流している。そのうちの1人であるYvonの甥であるVincent。パタゴニアでは長くブランドを表現する部分を担ってきていて、優秀とは優しさに秀でると書くけどあれだけ穏やかに人と対話しチームを作っていく人を見たことがない素晴らしいマネジメントをされる人。

以前彼が書いたResponsible companyの最新刊が出たので早速読んでみた。以前書いたものから追加された部分も多くあって発見も沢山ある本。
外から見るといつも何かゴールがあってそれをスマートな人々が華麗に実現していっているように思えるかもしれないけど、実情はめちゃくちゃ泥臭い。

レスポンシブル・カンパニーの未来 パタゴニアが50年かけて学んだこと | ヴィンセント・スタンリー, イヴォン・シュイナード, 井口耕二 |本 | 通販 | Amazon

Yvonが以前社内の講演か何かで「俺たちはクライマーだから岩壁に張り付き、3点確保しながら動かせる1本の手で次のホールドを探して掴み、体を引き上げて次の1点でまた次のホールドを探していくんだ」と表現したことがあって、まさにそういうことの連続。

たとえば、Bコープを取得した流れも創業者が亡くなったあとでどのように会社を理念どおりに守れるかを考えやってみたけど、やっぱり取得だけでは難しいとわかり、じゃあっていうんで、地球を株主にする手法を編み出し実施した、とか。

この本に書かれているのはその試行錯誤の歴史が書かれている。なんでそのように歩めるのかというとやっぱり大事なのはPurposeだけど、その手前にあるのは人間観。つまり、私たちは地球で遊ばせてもらっているし、未来の世代から借りているんだ、という感覚。これはアウトドアスポーツユーザー全員にもっている感覚だとおもっている。

色々と書きたいことがあるのだけど、最後にひとつ。地球のために何かをしたい!とおもったひとにとって最高な職場であるパタゴニアは、スタッフを心から大事にする職場だったとおもう。

正確にはスタッフが大事にしていることを大事にしてくれる会社。

例えば地球を株主にすると公表され新聞にニュースが掲載されたその日に自宅にパタゴニア社から手紙が届いた。「おかげでこのような会社になることができた、ありがとう」という内容で。50年の歴史のなかの20年が何か祝福された感覚があって感動した。
今回も本を開いた最初のところにこんなメッセージが。「過去・現在・未来のパタゴニアの仲間全員とパタゴニアの魂に捧ぐ」。

やっぱり最高だな。



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