リアル脱出ゲーム「脱出成功のコツ」の変遷
株式会社SCRAPが作った「リアル脱出ゲーム」に魅せられてから、
気づけば10年目であります。
世の中に謎解きコンテンツが溢れる2023年でも、やっぱり、SCRAPのコンテンツの質ってすごいんですよ。
先日初めて、他社様の謎解きに参加しましたが、
ロジックが???となる部分が数多あり、
成功したのにあまり嬉しくなかったんです。
その時に、
「今まで脱出成功の喜びを感じられていたのは、SCRAPの洗練されたコンテンツありきだったのだなあ」
としみじみ、、、
そんなSCRAPに、この10年間、リアル脱出ゲームを届け続けていただいたわけですが、
コンテンツの方向性や、脱出するためのコツが随分と変わってきたなあ、
と感じています。
今回はその変遷を4期間に分けて辿りながら、
2023年のリアル脱出ゲームでは、脱出するためにはどんなコツが必要なのか、
私なりの考えを書いてみます。
あくまでも主観になりますので、
謎クラスタ(謎クラ)のみなさんにおかれましては、
是非ともご意見いただけると嬉しいですw
まずは、
① 2010年代前半。
当時の謎解きは、
小謎が明らかに謎クラへの挑戦状。
序盤から難しいんじゃーーーー!!!!!
渋谷道玄坂やNHK前に店舗があった時代。
まだ謎解きは今ほど市民権を得ていないので、ヲタクがハマる、玄人向けのオリジナルコンテンツばかりだった。
どの公演にもやり慣れた所謂謎クラがいて、まだいたいけだったわたくしは、彼らの俊敏さに若干引いていた。笑
公演形態としては、規模は小さくても、
ルーム型(当時はアジト型と呼ばれていた)が殆どであったことからもわかるように、
謎解きではなく、リアル脱出ゲームの魅力を広めようとしてくれていたのだなあ、と思う。
この時期の脱出のコツは、、、
小謎を早く解けるように日々鍛錬して、早く大謎に至れるようになること
だったように思う。
(ちなみに、脱出ゲームの流れを一般的に小謎→中謎→大謎、と呼ぶ。そろそろ広辞苑に載るかな)
たとえば、黒字が5つ並んで、そのあとに青字1つ、赤字1つ、と並んだら、
「これは、、、1週間を表しているッッッッ!!!!!!」(黒字は平日、色つきが土日)といかに早く気づけるかが勝負。
今思い返せば、実に知識を要する小謎であった。笑
大謎も確かに難しい。
けれど、全くもって大謎に至ることもできなかった公演も珍しくないくらい、小謎から本気だった。
当時の謎解きは、玄人のためにあった。
続いて、
② 2010年代後半から、
誰でも楽しめるよう、小謎は易化、そのかわり大謎が難化。
謎を解くことより、ストーリーのディテール重視へ。
この時期は松丸くんや佐藤健など芸能界のチカラもあって、「謎解き」がメジャーになってきた。
ここからふたつ影響があったように思う。
ひとつは、
謎解き界に競合が増えてきたことによって、
SCRAPが他社と差別化する点を、「有名アニメやゲームとのコラボができる信頼と実績」においた、ということ。(仮説を堂々と言うなw)
もうひとつは、単純にリアル脱出ゲームに訪れる初心者が増えたこと。
名探偵コナンとは長らくコラボしているけれど、それ以外とのアニメやゲームとのコラボものもどんどん増えて、原作ファンが謎解きいちげん様として、謎クラと同数程度、いた記憶がある。
わたしはアニメもゲームも全く知らないため、いきなりそのアニメのキャラの名前、容姿、特性を覚えろと言われても滅入る。
だから、多少の知識がある原作ファンの方がチームにいるととても心強かったものだ。
、、、
実は私、この時期の脱出率が一番低かったんです。
なぜなら、小謎が難しい時代から、自分の価値観をアップデートできていなかったから。
SCRAPがリアル脱出ゲームで感じられる価値の置き方を変えたことに気付けなかったんです。
これが、このnoteを書いてみようと思ったきっかけでもあります。
どうか、ゲームルールを理解して、脱出成功のよろこびを1人でも多くの人に!!!感じてもらいたい!!!!
それが私の願いです(誰目線)
、、、さて、この時期に私が気付けなかった脱出のコツは、
膨大な文章情報量の中で、全体のストーリーをつかみ、途中で出てきた小さな情報をいかに覚えていられるか、
ということ。
小謎が難しかった以前とは異なり、易化するので、大体の人は最後まで辿り着ける。
なんなら、全員が最後まで辿り着けるように、ヒントキットなるものも準備されているw
ただ、大謎が圧倒的に難しい!
そんな大謎のヒントはだいたい、ストーリーの中で出てきている。
でも、その鍵が出てきたタイミングは、「ストーリーシート」なる膨大な文章を処理しているあいだで、いちいち覚えていられない。
だから、
「なぜこのタイミングで書いているんだ?」と思う情報が書かれている箇所にでっかく印をつけておいて、
他の紙とは別の、すぐ取り出せる場所に置けるようにしておいた。
そうすると、脱出成功とまではいかなくても、
ここがヒントになるな、という着眼点には確実に辿り着けるようになった。
今でもコラボものの、特にホール型と呼ばれる机を囲むタイプの作品には特に、この特徴があります。
今日から、明日から、是非お試しください。
③コロナ禍。
「リアル」脱出ゲーム最大の危機。
お家でリアルをどう演出するか、というところに、全力で投資してくださったこの期間。
お家でも友達とやれる作品を作ってくれるだけで本当にありがたかった。
だから、あんまりクオリティとか、謎解きのコツとか、そんな偉そうなことは言えない。
だけど、この時期から、
初心者向けのコラボものと、
玄人向けのSCRAPオリジナル作品のあいだに、少し特徴の違いが出てきたように思う。
前者、特に鬼滅の刃などコロナ禍で化け物級に人気の出たコンテンツを用いた脱出ゲームは、
謎のクオリティというよりは、アニメ本編にない映像や声優さんによる新しいボイスを楽しんでもらうことに意味を置き、
SCRAPオリジナル作品としては、
イマーシブシアターをモチーフにした、謎解きではない、「インサイドシアター」シリーズや、
過去の作品をオンライン公演形式で再開発することを通じて、
オンラインでもいかにリアル脱出ゲームと同じよろこびを感じてもらうか、というところに意味を置いていた気がする。
ここで、ターゲットごとに、得てもらいたいものが分岐したのだと理解している。
④
そして2023年の今。
コロナ禍で生まれた流れが、ウィズコロナになった今でも残っていると思っており。
現在の脱出ゲームにおいては、
行く公演ごとに、注意すべき点を変える必要がある、と感じている。
コラボものであれば、
②で話したようにストーリーのディテールに着目することが要である。
SCRAPオリジナル作品であれば、
①で話したように、小謎から手強いことを覚悟するべきである。
しかし、①の時代より我々参加者も成長しているがゆえにw、圧倒的に大謎も難化している。
1分考えても動けない場合は、ヒントキットを活用しないと、平気で間に合わない。
プライドを捨てることも大事だ。
ただ、、、、
この記事を書き始めてから行ったコラボもの、「にじさんじ脱出」によって、SCRAPの新たな流れを感じてしまった。
簡単にいうと、リピーター参加を前提とした、コラボものの異常な難化である。
、、、これはまた書く機会があれば是非!
さて、ここまで読んでいただいてほんとーにありがたいのですが、最後にひとつ。
脱出のコツは変わるけれど、もちろん変わらないものもあります。
SCRAPの生み出したリアル脱出ゲームの魅力における鍵は、
ふたつの「変わらない」前提にあると思っています。
頭脳活動×身体活動×コミュニケーション
が織りなすこの総合エンターテインメントで、
我々は人間の持てる能力を総動員させられる。しかし、その体験の舞台となっているのは、
決して現実世界では体験しえない世界線であり、ストーリーである。
、、、そう、このギャップが堪らないのであります!!!!!
この前提が変わらない限り、私はリアル脱出ゲームを愛し続けるでしょう。
この10年足らずでこのスーパーハイパーウルトラエクストリームなギャップ体験に投資した金額を数えると、50万円はくだらない。笑
多分そういうひと、いっぱいいると思うんですけどね。
拝啓、SCRAPさん。
どうか、これからも最高の体験をアップデートしていってください。
私は、皆様の熱意と才能に投資し続けます。
いつもありがとうございます!