エブエブの真意を完全にわかった気でいる(ネタバレ祭)
(ネタバレまくります)
アカデミー賞受賞からの日本での酷評があったので、過度な期待をせず、駆け込み鑑賞した。
スーパーマリオブラザーズ公開初日で、わくわくしながら入場列をなす人々を、
涙ズビズビで横切るスーツ姿のわたし。
エンドロール中も余韻で涙が止まらなくなったのは久しぶり。
ミッドナイトスワン以来だろうか。
前評判は面白くない、刺さらない、わからない、
そんな評価ばかりに見えたけど、
わたしにとってはとても面白くて、刺さりまくって、わかりまくった。
その証拠として、映画館から出たほんの一瞬、
目の前にいる人全てにマルチバースな世界があるんだろうな、でもこの世界を選んでいまを生きてるんだ、そして私たちは各々が選んだ世界で出会ってるんだ、
って本気で感じちゃった。笑
思った、というより感じた。
この無限に広がるカオス映画で救われたこと。
それは、無限にあるマルチバースの中のどこにいっても、家族や近くにいる人は、違う形でもどこの世界にも存在する、というところだった。
どんな人生を過ごしても、縁深い人とは切っても切れない縁がある。例えこの身が石になったとしても。
逃げても逃げても切れなくて、互いに影響しあいながら、お互いに足りないところはどこかの世界で分け合って、補い合って。
「たまたま」この世界で一緒になったんじゃない。
その人とは、理由があって一緒にいるんだ。
だから今、この世界で憎らしい存在の人がいたとしても、
2万年前、祖先の分岐がちょっとだけ今と違った世界の延長線では、その人と恋人関係だったりするかもしれないわけだから。笑
(しかしこの描写の仕方には本当に笑った。手が六本で、ふにゃんふにゃんのソーセージになってる。そんで足が手みたいに使える世界なんて。天才かよ。)
人と人は、「この世界」の関係性だけを見れば、思わしくないことがある。
でも、宇宙のどこかでは、みんないい風につながって影響しあってるんだと。
それ、わたしにもあり得るかもしれないじゃん。
できることなら、そう信じて生きていきたい。
そしたらほんとに人に優しくなれそう。弾丸なんてギョロ目のシールに捉えられちゃう。
そして、人の痛みや尖ったことばを、優しさで跳ね返し、包み込む魔法を手に入れられる!
あれは映画の中の世界ではない。
信じれば、誰にでも感じられる世界だった。
総じて傑作だと思うよ、私は。