母じゃない私の日。

娘が産まれて５ヶ月。
初めて一人で自由に長めの外出。今日は博多に出かけた。

１時間程度近所のスタバに行く程度の一人時間はもらっていたが
１日(といっても半日程度だったけれど)自由に過ごしていい日というのは産後初めて。行き帰りの電車の車中でさえとっても癒しの時間だった。

11時前に自宅を出発。車で最寄駅まで向かい駅の駐車場に停める。
颯爽と車を降りて、なんだか気分も荷物も身軽だな〜と思ったのも束の間。なんと浮かれすぎてマスクを忘れていることに気づく。
流石にマスクなしでコンビニで買うのも嫌だなと思い、自宅に戻り振り出しに戻る！そしてマスクを取るついでに、ずっとやろうと思ってやっていなかったカードのポイント移行作業をしようと思い期限の切れたクレジットカードを探して持っていくことに。
私が持っているクレカに銀行のクレジットカード一体型というものがあり、使うごとにニモカポイントという西鉄のポイントが貯まる仕組みになっているのだが、厄介なことに有効期限が到来すると前使っていたカードのポイントは西鉄の窓口で移行作業ということをしなければ新しいカードでnimocaとして使うことができないのだ。なんて面倒臭い！！自宅付近に窓口がないので博多か天神に行く時にしかその手続きができず、なんとカードの切り替えから２年が経過していた…

古いクレカを握りしめ、再び駅へ。いい感じに快速が来たので電車に乗る。
車内はまぁまぁ人が多く座れなかったので、ドア付近に立って外の景色を眺めながら音楽を聴いて過ごす。このなんてない時間さえも尊い…。

そして博多到着。
「人がたくさんいる…(嬉)」
謎の感動をしてしまった。そういえば産後にこんな人混みの中に来た事なんて一度もない。仕事をしていた時は毎日人混みの中通勤していたから感動どころか嫌気が差していたはずなのに、この数ヶ月自宅か自宅近くのスーパーやイオン(そんな人多くない)しかほとんど行き来せずにこの人混みに感動を覚えるほどになってしまった。

人の多さに感動しつつ、まず最初の目的を果たすためにnimoca窓口のあるバスセンターに向かう。バスセンターはこりゃまた人が多かった。ホークス戦があるからかユニフォームをきた人達がたくさんいた。窓口のある高速バス乗り場は人は多いものの割と落ち着いていた。みんなこれから長旅だからかな、色々美味しいお菓子とか買い込んでるのかな、等考えながら窓口へ。「ニモカポイントの移行をしたいんですが。」と伝えるとすぐに手続きしてくれてあっという間に終わる。ポイントも3000円分くらい貯まっていたみたいでラッキー、今日の交通費は浮いた。
高速バスは大学時代に帰省の時等に本当によく利用していた。懐かしいな、と感傷に浸りつつ駅前のスタバへ向かうことにする。ここでどこに行って何をするか少し作戦を立てようと意気込んでいた。

スタバに到着。色々悩んだけど結局いつも注文するスターバックスラテにバニラシロップ追加。注文後に受け取りカウンターへ進むと、もうできている…は、早すぎる！都会のスタバは、作るのこんなに早いの？！そういえば良く見たら作る人はバイトって感じの年齢でもなさそうだし、社員…？なんだかテキパキしてるし注文受けた後に親指立ててレジの人に合図してるし、う〜んやっぱ都会だな、といらんことを考えて席へ。できればゆっくりしたいのでふかふかの椅子に腰掛けれる席がいいんだが、空いているのは割と強面の海外の方がPC広げて荷物を広げている席のお隣…。まあ、ゆっくりくつろぐためだし勇気を出して座るぞ！と思い席に座る。
すると、「すみません、どうぞ！！」とめっちゃ気を遣っていただいて荷物を避けてくれた。うわ、ありがたい。だがしかし、私は見てしまった。

〜この席は座らないでください〜

なるほど。コロナ対策で隣同士に人が座らないように一つ飛ばしになっていたんだ。それなのに私は厚かましくそこに座ろうとしてしまったんだ〜！かなり申し訳ない気持ちになったので「あ、大丈夫です！他のとこに座りますから！」と言ってみたけどその海外の方もここが座ってはいけない席だと分かっていないみたいで「いいですよ！どうぞ！！」と返されてしまって、なんかもうキリないしその海外の方に申し訳ない気もして、とりあえず一旦その席に座ってみる。ソワソワ。
そんなことをしていたら、スッと逆側のお隣の方が席を立たれたので(なんかすみません)そっちに座ることに。でもお陰様で、フワフワ席かつ隅っこという最高の席に座ることができた！結局すごくくつろげて、美味しく飲み物もいただけて最高のひと時を過ごせました。これからどうするかという作戦については「天神に行ってみる」ただそれだけ決めた。

地下鉄で行ったほうが早いけどゆっくり景色でも眺めながら行こうと思いバスに乗る。バスの車内から博多の景色が見える。あぁここで旦那さんと先輩と待ち合わせて飲みに行ったな、歩いてこの辺まで買い物に来たな、結婚式の二次会ここでやったなぁその後締めのラーメンこの辺りで食べたの美味しかったな、とか色々な思い出がフラッシュバック。博多や天神の風景も少し変わっていた気がする。お店のテナントだったり道が綺麗になっていたり。

天神について、とりあえず岩田屋とかパルコとかぶらぶらしようかと思う。途中で警固神社を通過したのでお参りだけした。向かいのバーニーズで少しぶらぶらとして岩田屋に入る。ここもテナントが変わっている。化粧品ブランドも入れ替わり結構激しいなあと思いつつ６階のベビー服コーナーへ。
さすが岩田屋だけあって、どこも上品でなかなかいいお値段のお洋服が多い。買っている人もセレブ感出ている。中にはお店でプレパパママ教室をやっているお店もあって驚き、マタニティでパートナーと楽しそうにベビー用品をみている人たちもいてほんわか。６月に姪っ子が生まれる予定なのでお祝いになるものでもあるかなと思って一周してみたけどこれといったものもなく…我が子の洋服にしてはちょっと値段も高すぎるのでしばらくしてベビー服コーナーを後にする。

次はビオロへ。よく行っていた雑貨屋さんに行ってみる。かわいい花瓶があったのでかな〜り迷いながら見ていた。でもなんだか結局買わなかった。お店の人は、あんなに長い時間見てたのに買わないのかよって思ったかも、それくらい真剣に見ていた。

それから地下を通って地下街へ。独身時代に唐人町に住んでいた時、天神は通勤経路だったのでよく地下街は朝や夜に通っていた。このお店で給料日に化粧品買ったな〜、妹とこのお店で洋服買ったな〜とかまたもや思い出フラッシュバック。そしてパルコ到着、ここもテナントめっちゃ変わってる〜。ほんと、諸行無常、移り変わりいくものですな。パルコも独身時代とか大学時代によく来ていたのでなんだか色々と思い出す。変わったところもあれば、まだあったんだな〜ってところもあって。本当に色々と思い出しながらぶら〜っとしただけで地下のスープストックでお昼ご飯を食べる。
スープストックの女性率はすごい。多分私がいた時間はオール女性だったような気がする。カレーとかスープとか割とカロリー高めなんだろうけど何故だろう、スープストックで食べるとカロリーゼロ！！みたいな気分になっちゃうんだよね。ご飯も多かった。レジで「ご飯の量は普通でよろしいでしょうか」って聞かれたのは大盛りにしますかってことではなくて恐らく少なめにしなくて大丈夫ですかってことだったんだろう。多めにとか言ったら恥ずかしかっただろうな〜ふぅ。
それから特に目的もなかったので地下街でなく外を歩きながら天神を後にするためバス停まで歩く。

そう、ここまでで、私は何も買っていない。

ベビー服をウィンドウショッピングし、思い出スポットを巡っては感傷に浸り、ただランチしただけ。それでもすごく楽しかったんだ…。なんだか自分って、やっぱり出産を経て変化したんだなぁと感じる。私個人としての人生は一区切りついていて、人生の第二章に突入しているんだなと。たくさん洋服や化粧品等みるものはあったけど欲しいとは思わなかった。
その代わりにかわいいベビー服ってどこに売ってるんだろうと考えていたり、近くにいる子連れの人を見て親近感を覚えたり心の中でエールを送ってみたり、こんなベビーカー使っているのかと参考にさせてもらったりとまた違う楽しみ方を習得していたような。

娘がまだいなかったあの時の私、独身時代の私、大学時代の私、懐かしいけどもう戻れない私、ありがとうね。と心の中で思いを馳せながら天神を後にした。

そして、いつかもう少ししたら、娘と手を繋いで来れますように。一緒にお化粧品を見たり、娘の好きなお店に行って「こんなのが好きなんだ〜」とか話したりできますように。

博多駅に到着して、旦那さんにお土産を買った。あと、姪っ子誕生の時に使う用のかわいいご祝儀袋を買った。買い物はそんなもので、15時半頃に博多駅を出て自宅には16時ごろに着いた。

出産お祝い準備グッズ

帰ると娘はかわいい顔ですやすや寝てくれていた。一人で遊んでごめんね、と少し罪悪感を抱いた。
でも自分の母に「育休中に何してたの」と聞いたことがあって「あんたをばあちゃんに預けて手話習いに行ってたよ。その時いろんな人たちと友達になったけど、今でも元気にしてるかなあ。」とあっけらかんとして言われてびっくりしたことを思い出した。
自分の母が、私が幼き頃にそうやって一人で好きなことをしてくれていたのかと思うとなぜか嬉しかった。お母さんとしてじゃなくて、一人の自分として生きているって素晴らしいと思うんだ。親になると「お母さんとして」じゃない自分を出すのはなんだかいけないことのような気がしていたけど、私はやっぱり私。母じゃない時もあるさ。だから(だからって言っていいのかわからないけど)いいか。そして貴重な時間をくれて、ありがとう。

自分へは何も買わなかったけど、それ以上に自由な時間が持てたことが何よりだったな。絶対にまた時間を作ってもらおう。
そして今度こそ、自分のために何か買い物しよう