バルコニーガーデニングⅥ:バーティカルウォーターガーデン
ハンギングゾーンでの水耕栽培
ウォーターガーデンの要素を取り入れるにあたって目をつけたのは、ヒヤシンスや睡蓮といった、いわゆる水耕栽培で育つ植物でした。
しかし、これらを実現するには「ヒヤシンスは時期でない」(球根などが売られていない)、睡蓮は水替えと「睡蓮鉢が必要か?」(睡蓮は水平方向に広さが必要そうな特徴。そのことに対して、同じ高さや床にある程度面積を確保できない/しない筆者のやり方では不向きかも?)を十分に検討してはじめるべきだと思いました。
そこで目を付けたのが、メダカ飼育で推奨される水草です。ちょうど8月になったばかりの頃には、値段が割引になっていたこともあり、「自分のイメージしている形で水耕栽培がうまくいくのか?」を実験するには良い植物だと思いました。
とりあえず用意したのはガラス花瓶。片方は瓶のまま釣り、もう片方はバスケットに乗せて。
ガラス花瓶(やバスケット)をハンギングすること自体は、今までプランターでやってきたことと大差ありません。
そして、ガラス花瓶の水替えは、スポイトを利用することで、室外機上のハンギングゾーンから毎回花瓶を取り外すことなく、また、水をこぼしてしまうことなく、水替えができます。
大したことではありませんが、近場に水栓があるわけでなく、また、様々な位置(高さ)にハンギングしているものを、一度ハンギングから下ろして、わざわざ水場(室内)まで持って行き、水替えする手間をかけるという気は、筆者には微塵もありません。
…にも関わらず、単なる散水や水やりでなく「水替え」の必要な水耕栽培を実現するためには、有効な方法だと思います。
不織布ポケットでの水耕栽培
ガラス花瓶を使ってウォーターバコパを栽培することとしました。数日間観察していると花も咲いたので、とりあえず悪い環境というわけでもなさそうです。
こちらはガラス花瓶ではなく、浅いガラス器(食器)で ロタラトンジフォリア(なんだこの名前…)を育成しています。
ちなみに、不織布ポケットでは「水替え」は、全く問題なしです。他の土を入れたポケットと同様に、ジョウロで水を注ぎ、器から溢れたら溢れたで構いません。
他にも数種類、ネット通販で水草を取り寄せました。
基本的には、アクアリウム用の水草として販売されているものなので、照明設備による光でない日照の間接光(日陰空間)であることや、熱帯魚などがいないこと、水中にCO2の供給などしないこと、外気にさらされ続けること(水温を調整しないこと)、が、どの程度「アリ」なのかわかっていませんが、とりあえずやってみるという感じです。
さらに、バルコニー立上り天端にも、花瓶などを使って水耕栽培を実施する箇所を増やしました。
以上の形でしばらく運営し、9月、10月になって、ヒヤシンスや睡蓮のような球根の発売時期に備えるといった感じです。(睡蓮は栽培面積の課題もありますが)
まだ、明快に「ウォーターガーデン」的であるとまでは言えないものの、各所に水場と水草を取り入れて、プレオープンのような状態にできたかと思います。
あとがき
※当初まえがきのつもりでしたが、無駄にそこそこ長く、特に読まなくても可です。ウォーターガーデンの要素も取り入れようと思い付くまでに考えた経緯みたいな…。
5月から開始したバルコニーガーデニング、狭い中で、日照の制限がある中で、植物を植える前の空間整備に始まり、植物の種類が増え、ガーデニング初心者にしてはなかなかの状態で続けられているように思っています。
また、一般的にそう呼ばれるものよりスケールを落として、ロックガーデンの要素を取り入れてみたことで、個性的なバーティカルロックガーデンとして、様になってきたと思います。
…であれば、スケールを落としさえすれば、ロックガーデン以外の他の要素も詰め込めるのではないか?と考えました。
池や滝など水場をフィーチャリングしたウォーターガーデンや、和風の庭園や屋内のテラリウムで楽しまれているモスガーデン、必ずしも植物の種類や育成とは関連しない好みの小物や家具類を集めたジャンクガーデン、日陰の環境でも育つ植物で構成するシェードガーデン(こちらは実践してる要素も既にありますが)etc…。
もちろん、これらは狭いバルコニーでやるには適さない大きさのスケール、あるいは、どれか一種類でその存在感や特徴が目立つように実践されるのが一般的だと思います。
しかし、現状のバーティカルロックガーデンは狭い中でも、ハンギングゾーン、(不織布)ポケットゾーン、天端プランター(+ネット)ゾーンのように空間を分節して捉えることができるようになっており、違う要素をコラージュするのに適したゾーンを選ぶことができます(最初から意図した部分もありますが、実践している中で、思っていたより環境の違いが出ています)。
その中でもハンギングゾーンでは、既に「地層の瓶詰め」のようなことを実践していて、ロックガーデンとしてのハンギングを実験的に(良し悪しは別に)やりました。
同様に、水耕栽培で育てられる植物をハンギングすれば、植物の根が張り、葉が広がり、花が咲いて、宙に浮かぶ水場の光景が実現できるはずです。
また、不織布ポケットは全24ポケットあり、さらに空間が分節されてると言えます。日照の違いから、それぞれのポケットに違う役割を見出だすこともできるので、こちらにも、ポケット内に水場を作ることで、異なる高さに、違う形態を留めた水場を形成できるはずです。
…次はバーティカルウォーターガーデン、果たしてうまくいくでしょうか?
そもそもウォーターガーデンといえば、池や川のようなものが整備されていたり、あるいは公園や遊園地、公営の施設での噴水のような、電気や機械を伴う設備ありきのものが多いのではないかと考えます。
普通に考えれば、専用の電源どころか近場に水栓すらないバルコニーで、ウォーターガーデンは無理だとも思います。
でも、だからこそ、具体的に実験してみるのはアリかなと思いました。こちらでも、当初から変わらず植物先行ではなく、空間計画から入れば、良し悪しはともかく一定の成果(手応え)は得られそうです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?