第1回 関根史織ファンクラブ
BaseBallBear(以下、ベボベ)のベーシスト、関根史織さん(以下、関根嬢)のファンなので、その活動や演奏に焦点をあてた投稿をしてみます。wikipediaのベボベ記事(←集合知すごい。)と被ってるような部分も多々ありますが、関根嬢ファン向け仕様ということでお楽しみ下さい。
ベースプレイとしては、かつては小出祐介(Vo,Gt)さんが「ルート弾き女」と言い表していた場面もあり、ある種、ロックベース然としたプレイスタイルであったといえます。また、決して人口の多くはない女性ベーシストの中でも、ダウンピッキングで骨太な音を出している点などが「女性ミュージシャンのイメージ(一部は偏見)」とのギャップから当初は注目されていた部分でもあったかと思われます。しかし、アルバム「C2」以降では、そのベースフレーズに、裏メロ・リズムとしての主張や個性がより強くなってきており、『文化祭の夜』『どうしよう』など、ベースフレーズがとても印象的です。
(『Stairway Generation』の音源では間奏でシンコペーション(?)←※エフェクターのせいかも...。(1'42"~)や、『君色の街』での歌いだしと重なるベースソロ(0'32"~と0'57"~の対比)のようなバッキングも「C2」以前から聴かれますが、このあたりはまだ関根嬢自身のアイデアから由来したものか、分かりかねると思います。)
以前のベボベのライヴでは、脱退してしまったギタリストの湯浅将平(Gt)さんが曲の間奏に踊り狂う「ダンス湯浅将平」のコーナーがあり、このコーナーでは『SAYONARA-NOSTALGIA』『真夏の条件』『青い春.虚無』『十字架YOU and I』の間奏BGMがアレンジ&拡大されてやたらかっこいいバッキングが流れるという一風変わった(笑)コーナーでした。この時のアレンジもプログレッシブロックやHR/HM風であるなど、ベースを含めたアンサンブルに多くの引き出しが用いられていました。
そもそもベボベのリーダーである小出さんは、作曲や演奏において邦楽/洋楽問わず、さまざまな音楽を引用し発展させてプロットしており、カメレオンのように多彩で変幻自在な語彙力の持ち主ですが、関根嬢がプログレオタクというのも(一部の)ファンの間では割と有名な話で、しかも後述する別のバンドやバンド以外の活動からもプレイヤーやアーティストとしての好奇心/探求心がとても強い人だなと思います。
前述した湯浅さんの脱退以後では、3人体制(+サポートギターの時期も)という現実的な側面からもベース然としたフレーズやグルーヴだけでなく、今なお、その語彙やアイデアを豊かにし続けていると思います。2018年以降では、ベースではなくチャップマン・スティックという別の楽器を使用して『(What is the?)LOVE & POP』をリードギターとベースとを兼任するようなフレーズで演奏した場面もありました。
(3人体制では、アンサンブルとしてミニマルになった分、各メンバーの担うパートの精度や表現力はより高いものに。)
さらに、バッキングコーラスやリードボーカルも担当しており、関根嬢がリードボーカルの『WINK SNIPER』はじめ、デュエット形式の『夜空1/2』のような曲もあります。ライブでは、本来小出祐介さんがヴォーカルである『白雪の彼女』のヴォーカルをやっているレアな場面もありました。(ちなみに、歌詞やメロディが明らかにNumber Girlの『イギーポップファンクラブ』オマージュの曲なので、エモい演出でした。)
(関根嬢がリードヴォーカルを担う『WINK SNIPER』と、現時点での最新作「ポラリス」からタイトルナンバーの一部。ロック然とした作風の中で、ベースソロやバッキングコーラスも。)
ナンバガといえば、(私は音源と映像でしか体験していませんが)田渕ひさ子さんがメンバー中唯一の女性ギタリストでありながら、他の男性メンバー3人とかっこよく並び、ソロ(3'17"~)では没入感のあるトランシーなパフォーマンスを魅せるイメージですが、関根嬢のかっこよさも共通していると思います。
(田渕ひさ子さんもナンバガでもヴォーカルを担うことがごく稀にあった(?)らしく、ナンバガ以後では複数のバンドでヴォーカルやギターとして活動。)
ベボベ以外では、ジェスロ・タルのカバーバンド【TULL TULL SOURCES】でライブを行っており(2015年9月16日(WED)新橋ZZ、この時も『魔女の約束』でベースとリードボーカルも担当、フルート:古村敏比古、ドラムス:古田たかし、他にオーディションという名目でギタリストが募集され、一緒に演奏も行っている。)や、2018年末から【stico】(ドラムス:オオタコージ、ベース:tatsu)という3人編成のインストバンドを結成しており、関根嬢はベースでなく「チャップマン・スティック」を担当しています。その上で、ギターに西田修大やラッパーのダースレイダーをゲストに迎えるなど、発表された曲数は少ないものの、オリジナルメンバーのミニマルで確かなアンサンブルに加えて、ライヴのタイミングや地域によって実現可能な面白さを追求するアクチュアルな姿勢も感じられるバンドを発進させています。また、最新情報としては、椎名林檎さんのバックバンドとしてベースパートを担当しています。(2019年5月31日放送の【ミュージックステーション】での『鶏と蛇と豚』ライヴ。今後続くかは不明。)
(ジェスロ・タルの『魔女の約束』。)
(2016年に開催されたTULL TULL SOURCESのライヴに参加された方のブログと、stico結成時の紹介記事。)
(King Crimsonの『Elephant Talk』。スキンヘッドで髭をたくわえた風貌のメンバーがトニー・レヴィン。関根嬢はプログレッシブ・ロックバンドKing Crimson好きであり、ベース奏者/チャップマン・スティック奏者であるトニー・レヴィン好きですが、sticoでの音楽はKing Crimsonやトニー・レヴィンともまた少し違い、ミニマルなフレーズの発展を活かした作風の曲で、アンサンブルの中で時にはピアノのようなポジションで演奏している印象も受けました。)
(トニー・レヴィンによるチャップマン・スティックの演奏。)
他に雑誌MARQUEEに『たどり着くのが遅すぎて溺れる関根を救えなかった船』というプログレコラムを寄稿していたり(コラムタイトル自体がフランク・ザッパの「たどり着くのが遅すぎて溺れる魔女を救えなかった船」へのオマージュ、現在は連載終了)
(フランク・ザッパのアルバム「たどり着くのが遅すぎて溺れる魔女を救えなかった船」から『溺れる魔女』。)
山下敦弘監督作品の映画「リンダ・リンダ・リンダ」(2005)にキャストとして出演(ガールズバンドの映画なので、ベースも弾いてます。)していたり、今となってはマニアックな話題ですが、ベボベの人気曲『short hair』が【12月8日】というバンド(現在は解散している)の『グッド・バイ』という曲に対するオマージュソングであると小出さん自ら明かしていますが、そのバンドの『リメイン・イン・ライト』のMVにも出演していたりします。
以前はベボベのオフィシャルHPに、たまにブログも書いてらしたんですけど(小出祐介さんらの日記も同じところに掲載されていましたが、現在はHPのアップデートと共に終了しているようです。)、最近はInstagramを活用されてるみたいですね。(←このテキスト書いてて気づいた。)
(2016年4月23日の関根嬢による更新を最後に止まっているBase Ball BearのオフィシャルブログHP。当時の湯浅将平含むメンバー及びスタッフのブログが読める。そして関根嬢のInstagramアカウントへのリンク。)
...という感じで、今後も関根史織ファンクラブ会員として、あついラブコールと広報活動をお送りしていきたいと思います。