林檎の妖精と嫉妬の女神
僕は密かに、「君が一番可愛いんじゃないか」と思っている。
君の可憐さにみんなが気づかないように
嫉妬の神様が
君に名前をつけてしまった。
古代ギリシャの物語に出てくるプシュケーのように
美しい女性は女神さえも嫉妬させてしまうんだ。
目をつぶって思い出してみて
君は、その昔
カエノメレス
と呼ばれていたこともあるんだよ。
ギリシャ語で林檎が開いた、という意味なんだ。
君は、林檎の妖精のようだし
林檎の花のような色をした妖精もいる。
今日から僕は君を「メレス」と呼ぶことにするよ。
僕と君だけの名前。
メレス
君は美しい。