白いコートであらわれた君。 桜の木の下で僕は、君への恋心を認めた。 恋人になれたのは五月だった。 一年経って、君は 「一緒に桜をみたら、別れよう」 と言った 二年目、君は 「別れるのを諦めた」 と言った 三年目、君は 「また今年も一緒に見れたね」 と言った。 四年目の今日、君は何というのだろう。 君は今でも 「あの時の関係が恋しい」 「あの時がずっと続いてたらよかった」 と思っている。 「来年もまた一緒に見よう」 と僕は言うけど 来年、また一緒にこれるのだろうか
僕は密かに、「君が一番可愛いんじゃないか」と思っている。 君の可憐さにみんなが気づかないように 嫉妬の神様が 君に名前をつけてしまった。 古代ギリシャの物語に出てくるプシュケーのように 美しい女性は女神さえも嫉妬させてしまうんだ。 目をつぶって思い出してみて 君は、その昔 カエノメレス と呼ばれていたこともあるんだよ。 ギリシャ語で林檎が開いた、という意味なんだ。 君は、林檎の妖精のようだし 林檎の花のような色をした妖精もいる。 今日から僕は君を「メレス」と呼ぶこと