LIPHLICH『陽気なノワール』の考察
※初めにLIPHLICH考察から読んで頂けると解りやすいです。
陽気なノワールで描かれていたものとは
この作品はVLACK APRILの前日談である。今までの自分は死にVLACK APRILで再生する物語となっている。
VLACK APRILの考察でも触れた通り、VLACK APRILの主人公と発明の侵略者は同一人物である。時系列に並べると発明の侵略者→陽気なノワール→VLACK APRILとなる。侵略者は眠りに落ちた発明家の代わりに眠らずに起きていなければならない。陽気なノワールのMVでは欠伸をし、VLACK APRILではスパチカ不足(睡眠不足)と歌っている。
彼らは過去の作品と共に眠りに落ちた発明家に変わってLIPHLICHのウロボロスの輪を廻る作品となったのだ。
ケレン気関車前日談の操舵手だったものの手記で解離性同一症と言っていたのは発明家が飲み干した過去の作品を含めた主人公達のこと全てを指している。
VLACK APRILは眠れずにハイになった状態で目を見開いている。目には目を。陽気なノワールはMVで歯磨き粉の古い広告が映っている。歌詞にはオーラル。間奏のHA!HA!HA!の部分では久我さんだけが歯を見せている。歯には歯を。
発明家は睡眠不足のVLACK APRILのMVで暴力により目覚めさせられている。字幕で「Good morning」と起こされているのは発明家Aの「Good Night」との対比で、発明家を起こすことで過去の作品も目覚めさせている。
ではこの一連の出来事はこの後どうなるのか。
全てはCLUB FLEURETへと集約する。発明家と侵略者はLIPHLICHとJACK THE LIPPERとして描かれる。つまりVLACK APRILも陽気なノワールもJACK THE LIPPERのことを描いていたのだ。彼らがどういう運命を辿るのかはCLUB FLEURETの考察で語りたい。陽気なノワールからCLUB FLEURETのリリースまでの期間にJACK THE LIPPER名義での活動が多かったのもこの伏線である。
MVでは今まで描き続けてきたキリストの世界から次の世界へと行く描写がされている。ヒョウ柄のテーブルクロスの上にワイン、タバコの吸い殻、座る椅子にはヒョウ柄に蛇柄に花柄。今まで描いてきた作品を連想するものがあらゆるカットで登場している。
そして久我さんが指で銃口を構えている時に出てくる「IN SPADES!」という文字は 絶対に や 確実に という意味がある。そしてトランプのスートのスペードとしての意味も持っている。
「パーン」と撃たれた銃弾は自分自身を撃ち抜き、同時にウロボロスの輪の反対側を撃ち抜いている。ケレン気関車がオディセイで壊れてしまったのはこの銃弾が当たったからだ。また、出発地点と終着地点も撃ち抜かれている。この弾がSKAM LIFE’S IS DEADで生まれ変わる為に自分自身に与えた死となる。そして再び再生し釈迦の世界へとLIPHLICHは旅に出る。
陽気なノワールのアートワークには多くのヒントが隠されている。
まずジャケットのデザインはサイコロの展開図となっていて目が描かれている部分が1となり右端の人の足が6人分写る面が6となる。
歌詞カードの中には解剖図で半分の心臓が写真がある。VLACK APRILでもハートが割れている描写があるがこの作品にも半分の心臓が描かれていることになる。そしてCLUB FLEURETで心臓はひとつとなる。
他にも煙や車の車輪の写真などおそらく全ての写真に意味があるのだがまだそれらがどんな意味を持っているのかは答えを出せていない。
陽気なノワールはトランプの数字では4に当てはめられる。
この作品がVLACK APRILと順番が前後したのは品番のMSLP-044をこの作品にしたかったからではないだろうか。
1.陽気なノワール
この曲の中で登場する歌詞カードに記載のない英語のセリフは「暴力脱走」からの引用。キリストが元となる描写が多く登場する。
What we've got here is failure to communicate.
Some men you just can’t reach.
So you get what we had here last week
which is the way he wants it.
Well, he gets it.
And I don't like it anymore than you men.
2.離人
3.死んだ目をした男
歌詞考察は後日追記予定
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