LIPHLICH『VLACK APRIL』の考察
※初めにLIPHLICH考察から読んで頂けると解りやすいです。
VLACK APRILで描かれていたものとは
時計じかけのオレンジのオマージュ色の強い作品。暴力による破壊の先にある歪な自分らしさの再生が陽気に歌われている。
VLACK APRILは次作の陽気なノワールと明確に繋がっていて、陽気なノワールのラストではアルトラブラックのMVの映像が一瞬流れる。そして数字のカウントアップの流れからこの作品は本来4にあたる作品であるはずが陽気なノワールと順番が入れ替わっており5が正解となっている。タイトルのブラックの表記がBLACKではなくVLACKな理由の一つはローマ数字のⅤを連想させるためだ。
ジャケットデザインには久我さんが描いた絵が使われている。この絵にトランプのスートであるハートが潜んでいるのだが逆位置から見るとスペードにも見えるようにデザインされている。空にはV字型の煙、血しぶきにハートが描かれている。ジャケット裏面にはハートが浮かんでいる。この作品においてV=ハート=ローマ数字Ⅴという意味を持っている。
Vをハートと解釈するとこの作品のタイトルのVLACKとは「ハート(V)が欠けている(LACK)」となりここでもDOUBLE FEATUREのように心が半分であるという意味となる。MVの中にも「LOVE-LACK」という文字が一瞬登場する。(公式YouTubeチャンネルの動画内2:52の部分)
MVでは真っ白な服を着た久我さんが誰かを追い詰めて暴力を振るっている内容が描かれている。この誰かとは眠り続けていた発明家である。この考察は次の陽気なノワールで説明する。
煙はタバコの煙で描かれている。LIPHLICHのMVでは合わせ鏡のようにメンバーが映し出されるシーンが多い。これはウロボロスの輪に存在する別の世界線のLIPHLICHであり、どの作品のキャラクターも結局はLIPHLICHなのである。
この作品のアートワークには発明のジャケットデザインから引き継がれているモチーフが存在する。それは歌詞カードの裏面に描かれている星だ。
通常、ジャケットデザインで前作のモチーフと同じものを使用することは稀で、あるとするならば意図的に入れられている可能性が高い。
陽気なノワールの記事では更にこの作品との繋がりを掘り下げていきたい。
VLACK APRILはトランプの数字では5に当てはめられる。
1.アルトラブラック
2.バナナ・スキンヘッド
3.時に夢想者は
歌詞考察は後日追記予定
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