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韓国No.1ギリシャヨーグルト「Greekday」の軌跡(後編)〜日本初店舗オープンから1か月、日本進出への道のりとこれから〜

元祖「韓国風ギリシャヨーグルト」とも言われているGreekday。その初めての日本拠点である東京・表参道店がオープン1か月を迎え、連日行列ができる大盛況です。

オープン当日の様子 

Greekdayを展開するSweetbioは、ロッテベンチャーズ・ジャパン(LVJ)の初の韓国投資先
この記事の前編では、Sweetbioへの投資を担当し、日本進出に向けて共に試行錯誤してきたLVJのキャピタリスト申が、Sweetbioの始まりから、日本進出を決心するに至るまでをお伝えしました。

後編では、LVJの関わり、そして日本進出に至るまでの具体的な道のりをお届けします。


SweetbioとLVJの出会い、そして投資へ

SweetbioをLVJに紹介してくれたのは、韓国ロッテベンチャーズ(LVK)でした。
LVKは300社近い投資実績を持つ大手CVCで、韓国のスタートアップ界隈で太いパイプを持っています。Sweetbioの創業者・CEOのオさんと仲のいいLVKのキャピタリストが、これから日本に進出するSweetbioとLVJの相性がいいと感じて繋いてくれたのがきっかけでした。

申が初めてギリシャヨーグルトを食べたGreekday本店。
Greekdayを含め韓国の飲食店の注文はほとんどがセルフオーダーになっています。

23年12月22日に初めての面談をしてから、年末年始にかけて調査(専門店から市販のものまで、数えきれないほどのギリシャヨーグルトを試食しました)、複数回の面談を経て、1月19日にはSweetbioの工場で生産プロセス、品質管理、製品開発、今後の戦略などの話を終日かけてヒアリングしました。そして、店舗視察(ソウル市内のGreekday9店舗のうち6店舗に行きました)と、話はスピーディーに進みます。

オさんが用意してくれたヨーグルト。
これを日本に持ってこられたのが一つのターニングポイント。

手ごたえを感じた私は、Greekdayが日本人の口にも合うのか試したくなり、試食してもらうためのヨーグルトを持って帰国します。幸い冬だったのでそのまま運ぶことができ、タイミングというのは大事ですね…

Greekdayの主な顧客は20代~50代の女性。できれば「味にこだわりがある方」が望ましいと考え、グループ会社のロッテマーケティング本部製品企画担当を中心に、50人以上の試食を実施しました。結果、7割以上が「すごくおいしい!!」か、「おいしい!」。これはいけると思いました。


試食アンケートに慣れている食品メーカーのプロたちからの高評価で、さらに手ごたえUP!

おいしい、けれどそれだけでは決められない

周りの人にも試食してもらいながら、同時に進めたのが(LVJ取締役)澤田さんとの壁打ちです。
いつものカフェの隅の席に座り、日米韓のギリシャヨーグルト市場、Sweetbioの現状、今後の計画などを紹介します。いつもは3分を待たずにツッコミが始まりますが、今回は「ふむふむ」と聞いてくれました。そして試食した結果、

おいしい。くせになるね、これ。
次の会議では、栄養成分表を持ってこられる?

澤田さん

おおお!!
前職の大手コンビニチェーン社長時代に何千もの試食をされた澤田さんにもこれだけ好印象で、これはいけると思った瞬間でした。
ただし、当時不思議だったのが、なぜそれに続いて「栄養成分表」を見たいというのか。正直分かりませんでしたが、まとめにかかりました。

Greekdayは韓国では高タンパクが売り。でも、日本のギリシャヨーグルトもタンパク質が高く、「高タンパク」というだけでは差別化ができないな…と気づきます。
韓国では、競合品の多くは牛乳以外の材料が含まれる場合も多く、タンパク質が少なかったので、「高タンパク」で差別化ができましたが、日本では環境が違うことに気づきます。日本の競合品の多くが「高タンパク」を強調している状況でした。

Greekdayは牛乳を濃縮(水切り)して作ったもの。
たんぱく質の倍率の調整ができない(しない)製法です。

「Greekdayが日本で勝つためにどうすべきか。最初の店舗は話題性もあってうまくいっても、継続的に発展していく売りはなんだろう」と悩みます。「そもそもタンパク質とは」というところまで戻り、栄養学の本を改めて読んだり、健康管理・食事管理について調べました。
その中で気づいたことは、Greekdayが「低糖質」であることも大きなポイントだということです。そして、多くの人はそこまでストイックではないということ。「高タンパク・低脂質」はジムでトレーニングする人には魅力的でも、みんながみんなトレーニングをするわけではない。多くの人が楽に健康管理をしたいのです。

Greekdayは高たんぱくのみならず、程よい脂質・低糖質が特徴です。
鶏むねに近いバランスですね(しかもおいしい!!!!)。

低糖質のGreekdayをランチとして食べれば、夜は糖質の高いものを食べても罪悪感なし!これこそ、三日坊主で終わらない、オさんが起業初期に考えてた「おいしくて健康で、毎日食べるもの」として勝負できるという思いにたどり着きます。

その後も紆余曲折ありましたが、韓国での実績や計画、日本進出の道筋などに皆が納得し、2024年3月12日に投資委員会でLVJの投資が決まりました!

投資決定からオープンに至るまで

LVJの投資が決まり、日本店舗オープンの準備も再開します。
今回の資金調達がうまくいかなかった場合、事業計画の大きい修正が必要になるため、日本進出計画も最悪の場合は白紙に戻すことも考えなくてはいけない状況でした。
しかし、LVJの投資決定が呼び水となって他の投資家も順調に決まり、オさんも日本事業により時間と資金を使えるようになりました。

店舗予定地は長らく「Coming soon」の状態でした…
やっと韓国から資金が振り込まれ、工事開始です!
オープン準備のためオさんを含めた韓国からの出張メンバーが住み込んだ部屋
オープン前の店舗を訪ねる申

私も、途中からSweetbioのSlackにも入って日々状況を確認し、やるべきことを考えています。VCとして事業計画の策定やマーケット分析はやってきましたが、「店舗を開く」ことはそれとはまったく違うことなのでとても新鮮。例えば、少し余った空間にテーブルをもう一つ入れるかどうか、など。カード決済システムにQR支払い機能をつけるのに2ヶ月も待たないといけないことには驚きました。

オープン2日前のミーティングには私も参加して、ああでもないこうでもないと意見を交わしました。お客様のバッグの置き場所について、テーブルにかけられるようにするのか、椅子の隣にバスケットを置いておくのか、バスケットをまとめて置いておいてお客様に取りに行っていただくのか、という細かいことで20分以上議論したのも印象に残っています。
何事も、細かい議論の積み重ねですね!

熱い議論の末、こんなかわいいバスケットを見つけ、ちょうどいい場所に置けることになりました!

日本でのSweetbioの計画

オープンしてまだ1か月なので油断はできませんが、オさんは確かな手ごたえを感じています。韓国で初店舗をオープンした時と同じか、それ以上の可能性を感じているといいます。

9月2日、オープン初日のオープン30分後の写真。
月曜日の朝にも関わらず行列ができた喜びの瞬間です。

オさんの第一の目標はまずGreekday表参道店を安定化させること。
オさんを含めて韓国メンバーが2~3人常住しながら、運営の熟練度を上げていきます。日本に慣れてない韓国メンバーと、Greekdayに慣れていない店舗スタッフですが、試行錯誤しながらも毎日改善してきています。
すでに「配達してほしい」や「朝ご飯の時間にオープンしてほしい」との声も多数入ってきていますが、スタッフの負担も考えながら色々と案を練っています。

いつかはGreekdayを日本で一つのジャンルとして認めてもらえたらと思っています。そのための方法は色々あると思います。店舗をたくさん増やすか、オンライン販売に乗り出すか、又はコンビニなどの小売りにいくか。業界内外の様々な人の意見を聞いたり、パートナーを模索したりしながら、一歩ずつ前進していきたいと思います。

オさん

これからのGreekdayが楽しみです!

Greekday表参道店 店舗情報

営業時間:10時~19時
住所:東京都渋谷区神宮前6-7-15YOビル

最後に

LVJでは、事業や資金調達についてのご相談を受け付けております。
お気軽に、以下のフォームよりお問い合わせください。

また、「愛をもって、共に歩む、挑戦者。」となる仲間を大募集中です!

最後までご覧いただき、どうもありがとうございました!



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