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韓国No.1ギリシャヨーグルト「Greekday」の軌跡(前編)〜始まりは韓国の路上から… 日本初店舗がオープン!〜
元祖「韓国風ギリシャヨーグルト」とも言われている「Greekday(グリークデイ)」。その初めての日本拠点である東京・表参道店が9月2日(月)にオープンしました。
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Greekdayの運営会社であるSweetbio(スウィートバイオ)は、ロッテベンチャーズ・ジャパン(LVJ)の初の韓国投資先。今は年商を数十億円まで伸ばし、この度ついに日本進出を果たしたSweetbioですが、ここに至るまでには長い道のりがありました。どのように始まり、日本進出を決めたのか。Sweetbioへの投資を担当し、日本進出に向けて共に試行錯誤してきたLVJのキャピタリスト申が熱い思いで綴ります。
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SweebioのGreekdayとは?
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Sweetbioは2016年にオ・ジョンミンさんが創業したギリシャヨーグルトを製造・販売する会社です。ギリシャヨーグルトといえば、アメリカではChobani、日本ではパルテノなどが有名ですが、韓国ではちょっと変わった「韓国風ギリシャヨーグルト」が主流です。Sweetbioはその中でもNo.1ギリシャヨーグルトブランドであるGreekdayを展開しています。
そんなSweetbioの日本拠点であるGreekday東京・表参道店。本日9月2日の正式オープンを前に、先週プレオープンしました。店舗を訪れると、オさんとスタッフの皆さんが出店に向けての最終の準備をしていました。
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オープンを控えた今、オさんの思い
韓国で主流になっているギリシャヨーグルトは、本来のギリシャヨーグルトよりもさらに「もったり」とした食感です。ギリシャから始まったものですが、韓国でブームになり、今はギリシャ人より韓国人のファンの方が多くなっているかもしれません。「韓国風ギリシャヨーグルト」とも言えるのでしょうか。
コーヒーの原産地はアフリカですが、エスプレッソの代名詞といえばイタリアになっているように、韓国のギリシャヨーグルトがグローバル化することを夢見てきました。その第一歩として、2018年から日本進出を考え、2021年6月から日本を10回以上往来しながら市場調査をしました。
その中で感じたのは、日本の食品業界の高い品質、繊細さ、そして奥深さです。軽い気持ちでは絶対成功できないと思い、時間をかけてしっかりと準備してきました。韓国でのノウハウをベースに、日本でも高い品質で提供し、「もったり」としたギリシャヨーグルトGreekDayが日本でも一つのジャンルとして根付くことを目指しています。Sweetbioのみならず、日本の企業とも一緒に新しいスタイルを探りながら、日本市場で新しいギリシャヨーグルトのムーブメントを作っていきたいです!
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実は、この華やかな表参道の店舗オープンからは想像ができないほど、Sweetbioの始まりは地味なものでした。
始まりは路上から
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CEOのオさんはソウル大学を卒業した後、投資会社でキャリアを積み始めます。中でもスタートアップ投資・支援関連業務をする中で、「事業」そのものに興味をもち、会社を辞めて事業アイテムの探索を始めます(無謀ですね…)。
昼も夜も忘れて仕事に没頭する中で、食事は疎かになっていました。気づけばインスタントラーメンばかり食べていて、体調に異変を感じました。そこで思ったのが「おいしくて体にいいものはないのか」ということ。そして、「なければ自分で作ろう!」という思いに変わります。そこで着目したアイテムがギリシャヨーグルトです。2014年12月のことでした。
当時は韓国では伝統ギリシャヨーグルトの概念がまだ普及されてなかった時期です。インターネットでChobaniの成功ストーリーをみて何とか始めましたが、教えてもらえる相手は誰もおらず、海外の雑誌や論文を見たり、Youtubeのレシピの真似をしたりして何とか試作品を作ります。そして、知り合いのレストランで試食会をしたり、路上販売で反応を見たりしながらなんとか製品を形にしていきました。資本も経験もレシピさえもなかった状態で気合いと切実感だけで始めた事業でしたが、何とか店舗への展開も開始でき、少しずつ軌道に乗り始めます。
大ヒット
初期プロダクトと店舗開店資金を手に入れたオさんは、2016年、韓国の梨花女子大前に「Greekday」という名の3坪規模の店舗を開きます。女子大生の要求水準は高く、流行に敏感であり、その心さえ掴むことができたらどこででも勝負できる製品が作れるという計算の元です。商標・商品名であるGreekdayはこの時誕生しました。
韓国では新しいジャンルで、オさんも経営者としては全く初心者だったため、最初の数か月は赤字の毎日でしたが、オさんの「味と品質へのこだわり」は少しずつ噂になりました。テイクアウトしてもらいやすく、持って歩いたらおしゃれに見えるパッケージとかわいい盛り付けが当たり、梨花女子大生の中で一気にブームになりました。
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人口密度が高く、SNSの威力が強いからこそ、一回ヒットすると凄まじく成長するのが韓国ビジネスの特徴です。Greekdayも、一回その魅力が広がってからは本当に「悲鳴を上げる」状態になります。殺到する顧客で店舗内はいつもいっぱいで、店舗を拡張移転しても顧客対応が追いつかない状況が続きます。当時はヨーグルトの生産も店舗内でやっていた(*Greekday表参道店も、ヨーグルトを店舗内生産します!お楽しみに!)ため、初期メンバーたちは毎日休憩なしで頑張っていました。
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少しずつ店舗数と生産量を増やしていく中、オさんはオンラインの可能性を感じます。
事業としてのステップアップ
当初、「安くておいしい」をモットーにできる限り安価で販売していましたが、牛乳価格の高騰や、品質へのこだわりに伴うコストアップにより、どうしてもそれまでの価格を維持できない状況になります。
順調に店舗は増え、それに対応するために小規模でありながらも生産能力を増やしつつ目先の対応に追われている日々の中で、オさんは今のやり方ではダメだと気付きます。
ブランドは少しずつ広まっていても、長期的な計画がなく、売上は伸びるものの収益性は改善されない。そして競合も増えていきます。(韓国は何か流行ったときの拡散スピードがすさまじいです。これも後日どこかで書いてみたいです。)このままでは「一時流行ってた店」の一つで終わってしまうという不安が、彼の次のアクションを促します。
当時はまだ経営と言えないものだったかもしれないですね。この頃から長期的視野を持ってのスケールアップを考えるようになりました。
事業を拡大していくためにオさんが決めたのがECへの進出です。それが2019年、ちょうどCupangやMarket Kurlyなど、生鮮食品配達サービスが急激に流行りだした時期です。
ECという新しい市場に出るにあたり、会社の体制をガラリと変えます。法人化して会社の体制を作り(Sweetbioの法人名になったのも2020年、この時期のことです)、安定生産のための生産体制を整えます。このためにVCから合計13億円の資金調達にも成功します。
そして、何よりもブランドと価格です。持続的で安定的な成長のために価格を含めたリブランディングを実施します。高級感を持たせることで、「食べるだけで健康にいい」イメージを強く打ち出しました(実際にそうです)。
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販売チャンネルも自社店舗中心から、大手ECサイト中心に。
ECへの進出を決めた後、コロナ禍での健康意識向上やECの成長も後押しし、Sweetbioは著しく成長します。「新しいアイテム+若者に支持されるブランドイメージ+健康意識向上のトレンド+EC市場の成長」のすべてのタイミングが合致した結果です。予想以上の成長で日々のアクシデントに対応する毎日でしたが、その中でもオさんは次のステップを考えます。
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日本進出の決意
韓国のスタートアップは、創業ゼロ日目からグローバル展開を考えます。韓国内の競争は激しく流行りもすぐ変わる上、市場規模が大きくないため成長の限界が見えてくるためです。オさんも同じでした。売上が二桁億円を超え、グローバル進出を具体的に計画します。
そんな中で目をつけたのが日本市場です。ギリシャヨーグルトについて、日本ではすでに大手乳業メーカーたちが10年以上前から展開していて認知度がある程度ある中で、Sweetbio独自の製造法による独特の味・触感・栄養成分はすぐには真似できないだろうと考えました。また、K-Popなどの流行によって日本で韓国コンテンツの人気が高まっていることにも注目しました。
それに加えて、日本人が直接韓国のGreekdayの店舗に訪れ、写真などを自らのSNSに上げることによって、日本からの来店客も徐々に増えていきました。口コミは日本の若い層を中心に広がり、観光コースの中にGreekdayの訪問を入れるケースもありました。「日本にはない『もったり』とした食感・濃厚な味」という口コミが広がり、店舗内の日本人客の多さや日本からわざわざロケにくるテレビ局を見て、日本市場での高いポテンシャルを確認することができました。
そうしていよいよ日本進出に向けて動き出したSweetbio。
次回のnote(後編)では、LVJの関わりから、実際に日本に進出を果たすまでの道のり、これからの展望について、お届けする予定です。
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お楽しみに!
Greekday表参道店 店舗情報
営業時間:10時~19時
住所:東京都渋谷区神宮前6-7-15YOビル
最後に
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最後までご覧いただき、どうもありがとうございました!