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【法学部生の方向け】 事実と評価を区別する ビジネスでも重要 水曜の夜は若さをもらいに。
こんばんは。
皆さんよりちょっとだけ先輩のlotterです。
記事をのぞいていただき、ありがとうございます。
今日は法学の一大命題である
事実と法的評価を区別する
についてお話しようと思います。
水曜夜のお勉強にお使いいただけると嬉しいです。教科書を読むよりは気軽なはず!
1.汝事実を語れ、我法を語らん
これはなんか古くから法学の世界に伝わる格言です。
民事訴訟法の講義を取るとおそらく出てくると思いますが、
裁判においては、当事者(原告・被告)が事実を
主張し・立証し、裁判官がそれを基に法を適用する
という役割分担を表した格言です。
・・・ん?はぁ?で?
で大丈夫です。この格言の民事訴訟法的な意味はどこかで教えてもらってください。
ここで言いたいことは、
法律の世界では事実と法が明確に区別されている
ということです。
以前書きましたが(そのときの記事は最後に貼っておきます)、裁判は、事実の存否を確定しそれに基づいて権利のあるなしを判断する場です。
そこでは事実と法が分けられているので、法的なことを色々考えるときにも同じようにするわけです。
2.具体例
次の条文を見てみてください。
(売買)
第五百五十五条 売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
これは売買契約が成立する条件を書いた条文です。
①ある財産権を相手方に移転することを約し
②相手方がこれに対してその代金を支払うことを約する
というふたつがそろえば「効力を生ずる」と書かれています。
しかし、①や②はあんまり具体的ではありません。どんなことがあれば①や②がそろったと言えるのか。それが問題です。
たとえば、
・なんかいいものを売ろう
→①に該当するの?
・たくさんのお金を払おう
→②に該当するの?
・コンビニで商品をレジに差し出す
→①に該当するの?
という感じです(ちなみに、最後の例は該当しますが、それ以外はしないでしょう)。
こんな風に、①や②に該当する具体的な事実があれば、①や②はそろったということで、はれて売買契約が成立することに相成ります。
これは、皆さんの普段の言動が生み出す事実が、法的に評価されていることを示しています。
3.ビジネスへの応用
法的な評価ではなくても、事実と評価を区別するという視点はなにかと重要です。
例えば、失敗をしてしまってお客様からクレームを受けたとしましょう。
あなたが上司に報告する際、「○○様からクレームを受けた」という報告ではあまり意味がありません。もちろん、第一報としては必要ですが、それ以上の意味はないでしょう。
それは「クレーム」というのはあなたの評価であって、それに含まれる具体的な事実がわからないからです。それがわからなければ、相談を受けた側(上司)はどう指示すべきか、自分はどう動くべきか判断できません。
クレーム対応マニュアルがあればそれに従ってなにかアクションはできるかもしれませんが、効果的どころか火に油になってしまいかねません。
(そもそも、クレーム対応マニュアルには、まず事実をよく確認すること、と書かれているはずですが笑)
これ以外にも、「良い・悪い」「高い・低い」「多い・少ない」といった程度を表す場合や、「べき」というのも評価です。
これらを使うときには、
どういった事実からその評価をしたのか
を意識するといいと思います。
出世して偉くなれば、自分の評価で決められることもたくさんになりますが、新米のうちはそうはいきません。
報告や連絡の際はもちろん、相談するときも事実と評価は意識的に分けると、きっと「できるな」と思ってもらえるはずです。
4.まとめ
・事実と法的な評価は区別されている
・権利の有無の判断は、事実を法的に評価し、
それを条件に当てはめる形式でなされる
・ビジネスでも、事実と評価を分ける視点は重要
ということでした。最初は教えてくれませんが、
教科書のここに書かれている要件には
どんな事実が当てはまるんだろう?
と考えてみると、法律の勉強はとてもやりやすくなると思います。
お試しあれ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回ものぞいていただけるとありがたいです。
参考記事です。
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