魔法のドリル#2 NOという境界線
コミュニケーションは、相手とステップを踏むダンスだ。
今日は「こじれないNOの伝え方」の著者で、ティーンズポストの代表をされている八巻香織さんのアサーティブネス講座を受けて学んだことをドリルとして書き留め、これから「コミュニケーションというダンス」のステップを覚える練習を何回かに分けてしていきたい。
最近、うまく断ることができずにもやもやしたことはありますか?
NOを伝えると関係がこじれると思っていますか?
ということで、今日は「NOを伝える」ダンスのステップです。
このことについて考えてみるまで、私は気づいていなかった。「自分がいかにNOを伝えられていなかったか」に。「NOという感情を持つこと自体に罪悪感を感じ、自分でもいかに気づかないようにしてきたか」ということに。
このことが原因で、私は身近な人間関係をたくさんこじらせてきた。
NOは、境界線をはっきりさせるための感情
NOは、人との境界線を引くのに大切な感情だ。
これをきちんと伝えることができない時、人間関係がこじれる。
NOを伝えないよりはまだ、NOを伝えてこじれた方がマシだと言われる。なぜならそこには会話という繋がりがあるから。そして、こじれてしまったのなら、やり直すことができるから。
アサーティブの基本は、シンプルに伝えること
コミュニケーションは複雑になればなるほどこじれていく。複雑な断り方には、以下のような3つのパターンがある。
1.攻撃型
「なんで私がやらなきゃならないの!」
=断るというより、拒絶
2.受身型
「あー。えーと、そうね。。でも、○○で○○(言い訳/理由)っていうのがあって。。」
=NOと言っていない。何が言いたいのかわからない
3.心理コントロール型
「前に僕が頼んだ時、君は断ったよね」「はい、出た出た」
=相手を罪悪感でコントロールしようとする
アサーティブなNOの伝え方
では、アサーティブなNOの伝え方とは何か。具体的な以下の3つのステップを覚えよう!
ステップ1.相手からの依頼を伝え返す。反復確認。
相手:「あなたと○○したいんだよね」
↓
自分:「あ、私と○○したいんですか?」
=相手の気持ちをキャッチし、ディスコミュ二ケーションを防ぐ。
ステップ2.シンプルに「NO」を伝える。
「ありがとうございます。でもお断りさせてください」
「私は今回限りでこの仕事をお断りしたいんです」
=断るときに謝らなくていい。理由もいらない。NOであることをシンプルに伝える。
ステップ3.言葉のクッションを置く
「声をかけてくれてありがとう」
「私いい仕事をしたいんです」
=NOだけで終わるとお互いストレスフルだから、YESも同時に伝える。
相手の無理は自分の無理
無理をしてよい関係は築けない。
NOが言えない人は、相手と距離が近づけば近づくほど、関係がこじれるという。
ところで私たちの原体験。子供のころ、一番断り辛かった相手は、親である。親にNOが言えなかった人は、大人になっても人にNOが言いづらい。
断ることは、相手の人格否定ではない。そう思えたなら、断ることの心理的ハードルが下がるだろう。
逆に自分がNOを言われた時も、自分への否定と思ってしまうとそこで関係は終わってしまう。そんな風にとらえがちな自分の心の癖に気づいたら、コミュニケーションのダンスステップを変えてみよう。
断るとき、理由はいらない
上記の複雑なNOで示した【2.受身型】タイプは、罪悪感から、断る理由を言いがちだ。だが、理由は、言えば言うほど、境界線の侵入を受けやすくなる。その理由さえ解消されれば簡単にYESになってしまうから。
相手の立場に立ちすぎる人は、境界線の侵害を受けやすい。
断るときに「でも~」と言いそうになったら、代わりに「私は~」と言い換えてみよう。
断るとき、罪悪感はいらない
私たちは断るとき、罪悪感を持たされる文化の中にいる。
だから断るとき、私たちはついつい謝ってしまう。だが本来、NOに謝罪は不要だ。
罪悪感を和らげ、断り上手になるためのアファメーションを最後に紹介しようと思う。
自分の気に入ったアファメーションを毎日言ってみよう。以下はサンプルです。
「私は私を愛します」
「私は私のベストを尽くせば十分です」
「人生のすべては”安らぎ”、”歓び”、そして”豊かさ”とともに」
「これ以上もっと良いことが?」
「すべてはそう見えるものの逆であり、そう見えるものの逆は何もない」
最後は禅問答のマントラみたいなものですが、考えすぎている思考をストップしてくれるので個人的に気に入っています。
境界線の侵害は暴力である
断らないことで境界線が侵害されていることに案外気づいていない私たち。
境界線の侵害は暴力であることを覚えておいて、毅然とNOを伝えよう。
ただし、ステップ1「反復確認」と、ステップ3「言葉のクッション」も忘れずに!
もっと知りたい方、参考図書はこちらです。