早石田検校戦本戦トーナメント第三試合 棋譜中継
第一期ロータス杯早石田検校戦本戦トーナメントから、
8月3日（月）に行われたヤマウォーズ２段対ゆきほーす初段の一戦を中継します。
解説（文責）：ロータス
持ち時間は10分（ウォーズ10分切れ負け）
先手はウォーズシステムにより、ゆきほーすの先手で決まった。
本局の模様は、YoutubeLiveにて生放送されている。 以下アーカイブ https://youtu.be/ZgMKN7KA1wU
◇ゆきほーす◇ウォーズ初段
本戦初出場。藤井聡太（2020年８月現在棋聖）のプロデビュー29連勝を機に将棋に興味を持ったのがきっかけ。現在居飛車党のウォーズ初段
◇ヤマ◇ウォーズ二段
Twitter棋戦同盟所属。メロン、misaka門下。 【参加棋戦】明星戦1組（1組:2期）、月光戦A級（A級:6期）、晴王戦B級1組、水宝戦1組、竜明戦、共帝戦
本トーナメントは、ロータス（Twitterアカウント：@lotesshougi）が主催している将棋ウォーズをプラットフォームにしている完全局面指定型Twitter棋戦。
完全局面指定型とは、先手後手ともに計６手まで指し手が決まっている。 ※図１の通り
早石田検校戦の特徴は、お互い相早石田戦が義務付けられていることだ。 そのため、７手目と８手目が指し手の特徴であり、互いの研究手順が出る見どころである。急戦、囲いあい、牽制など様々な工夫がみられるが本局は下記のような進行になった。
▲２二角成△同銀▲６五角打△３四角打
本トーナメントは囲い合いが多い中、急戦調の将棋が登場。６五角に３四角は先後手ともにある受けの定跡。
▲８三角成△６七角成
従来は銀上がりなどでお互いに馬を作らせないようにするのが主流だが、先手は馬を作り合うことを選択。馬の位置が後手のほうがいいため、後手が有利と言われているいるが、本譜はどうだろうか。
後手は飛車と馬とを交換しても飛車の打ちどころがないとのことだろうか。飛車を取らずに馬を動かしていく先手は馬に合わせて駒組を進めていく。
後手▲７六馬は危険な手だった。本譜は▲６五馬△同馬▲同桂と進んだが、
ここでは単に▲６五桂がよかった。△同馬には▲同馬で角と桂の交換。 次の▲５三桂ならずの両取りの桂が厳しい（△６二金▲６一馬△５二玉▲４一桂成△同玉▲７一馬）のため先受けで△６二金とすると、▲７六飛で馬がタダ。
馬を消しあってからの激しい攻防。
お互い固いが玉の逃げ道がない状態。先手の攻めを利用して後手は、△３六歩打と桂馬取に出る。先手はそこに飛車先を抑えつつ５筋に利かす攻防の一手。
△５四飛打の銀と角の両取り、５筋を守る攻防の一手に対する攻防の一手。
▲３三銀成△同飛▲９一角成△３七歩成▲３五歩打△同飛▲４六馬
先手は５筋の攻めを諦め、駒損を極力回避する手順を選んだ。
先手に比べて後手は脇ががら空き、飛車を取れれば逆転のチャンスがあるように思える。
▲４五桂打に対して△３六馬で先手は後手の飛車を狙っていく。飛車おろしが出来ればまだ先手も追い付けるか
後手は先手の攻めが届かないと読み、△５七桂成▲５四馬と飛車を取る。△６八成桂▲同金△５四歩とここで後手は手を戻す。
▲３一飛△４一歩打▲４六香打△６三銀
先手は待望の飛車打それに対して後手は底歩が効くのが大きい。
香打としたが６三銀で後手玉が一気に広くなった。タダ先手も４八玉から逃げるルートがあり、後手がどう決めるか寄せの構想が問われる。
△５六桂打をみて後手投了。
後手は受け駒もなく投了もやむをなし。
所感：角交換からの６五角急戦の馬を作り合う激しい展開。
お互いに居玉で神経を使う横歩を思わせる力戦形は、見ていてハラハラドキドキのエンターテインメント性の高い将棋になったと思います。
勝率安定させるのは難しそう。
対局者インタビュー
早石田検校戦主催者インタビューをさせてください。
では、まずは勝たれましたヤマさんから、
記者：①相早石田戦を指されてみまして、今の率直なご感想をお聞かせください
ヤマ：①相早石田を指したことがなかったので、指していてとても楽しかったです。
記者：②本局見事勝ち上がりとなりましたが、どのようなお気持ちでしょうか？
ヤマ：②なんとか勝てて安心しました
記者：③本局振り返りまして、角交換からの激しい展開だったかと思われますが、形勢に関してはどう思われていたのでしょうか？
ヤマ：③駒得した辺りから形勢が良くなったかなと思いました
記者：④角交換からの6五角に対して、３四角打が２秒で指されてますが、事前に対策を研究されていたのでしょうか？
ヤマ：④はい。65角には34角と打とうと思ってました。全体的には、あらかじめ研究して臨みたかったのですが、時間がなかったので研究はしていませんでした
記者：⑤YoutubeLiveにて生放送対局でしたが、緊張などはありましたでしょうか？
ヤマ：⑤緊張は特にありませんでした
記者：⑥次戦に向けて何か一言頂ければ幸いです。
ヤマ：⑥次局はしっかり研究して挑みたいと思います
早石田検校戦主催者インタビューをさせてください。では、続きまして、
惜しくも敗退となってしまったゆきほーすさんにお伺いいたします。
記者：①相早石田戦を指されましてどういった今の率直なご感想をお聞かせください
ゆきほーす：①序盤は良かったと思うんですが、攻め切れがちになってしまいました
記者：②本局振り返りまして、角交換からの６五角打と激しい展開となりましたが、事前に研究されていたのでしょうか？
ゆきほーす：②先手番の研究をしていましたが、研究不足の筋になってしまいました
記者：③YoutubeLiveにて生放送対局でしたが、緊張などはありましたでしょうか？
ゆきほーす：③緊張しました！形作りをしたかったんですが‥
記者：④次回、第二期がありましたら、参加したいと思われますか？
ゆきほーす：④是非参加したいです！
本日はお疲れ様でした。