基礎教養を根拠にハンター×ハンターの今後の展開を予想してみました【H×H考察】
漫画は完結しているものしか読まない、ハンターハンターの続きを待つ苦しみに耐えかねて私はそんなルールを自分に課しました。
本棚に収まっている全ての漫画を処分しそれからは基本的に小説ばかり読んでいましたが、時折アマゾンなんかを覗いてその時処分した連載中の漫画が完結したことが確認できると漫画喫茶等へ行って一気に読みきったりということはしていました。
それらのほとんどを読み終えてしまった今もハンターハンターはまだ完結する気配がありませんが、Youtubeを見ていると考察動画みたいなのがオススメに出てきちゃってチラ見せざるを得ないような状況があったりするのでハンタだけは例外的に読むことにしました。
ネタバレ食らうくらいなら読んだ方がマシです、そして幸いにも連載のペースが遅くてもそんなに苦しく感じることは無いようになっていました。
趣味の範囲を広げたおかげでしょうか、完結する前に寿命が尽きても幽霊にならずに済みそうです。
さて、そういうわけで連載を追うことにしたのなら俺も考察したーいと言う気分になるというもの、そうやって暇をつぶしながら待つのが読者の嗜み。
これからは考察や解説などと言ってストーリー追ってるだけの動画にブチギレることも嗜みの一つとして生きていく所存です。
とりあえず最初の考察となる今回は408話を読んだ時点での今後の展開予想みたいなものをやっていこうと思います。
守護霊獣の目の数に注目して継承戦の勝者を予想します
中国がモデルと言われているカキン国の王位を争う戦いが描かれていますので、今後の予想を立てるなら誰だってとりあえず中国史を参照します。
長い中国の歴史は一時期を抜き出しただけで三国志みたいな大作になるものですから気が乗らないかもしれませんが、とりあえず漫画の三国志とかキングダムとかから入って、興が乗ったら諸子百家みたいな色んな書物に引用されるようなものに手を伸ばしたりしていくと面白くなってきて中国史おもしれぇって感じになっていけると思いますのでオススメです。
そうこうしている間にハンタは一話も更新されていないということはよくある事ですのでネテロの気分を味わえるかもしれません。
さて、冗談はさておき本題に入っていきましょう。
私が守護霊獣の目の数に着目したのは中国史上もっとも安定した治世を行ったと言われる唐の第二代皇帝、李世民が残した『貞観政要』という書物からの学びがあったからです。
その中では諫言を聞き入れる事、またその相手を偏らせない事の重要性が説かれていました。
中国は一人の英雄によって善政がなされても晩年は暴君として国を荒らしたという歴史を繰り返していましたので(中国だけではないですが)これの対策として上記のように複数人の視点で思考する弁証法的な方法で意思決定をする必要があったということだというのが私の考えです。
そしてこれを踏まえて考えると目(視点)の数で思慮深さの度合い=カキン王としての適性を示しているんじゃないのかなぁというところに落ち着いたわけです。
特に無茶は無い妥当な考察であることに同意していただけるんじゃないかと思っています。
脱落確実だと思う王子
以下二名の王子はまず間違いなく脱落すると考えています。
守護霊獣の目の数もそうですが、王とはどうあるべきかという命題は数多くの創作物で用いられるものであり、以下の王子のような人物は例外なく資質に欠けるとされる特徴を持っていることが「確実」とまで考えた理由です。
ベンジャミン
唯一目が描かれていない霊獣を持つベンジャミンは、今後の話で盲目的にカキンのしきたりに従う生真面目な人物という面が描かれていくのではないかなと予想しています。
脳みそ筋肉な体育会系っぽく見えるベンジャミンが真面目系だとするのは意外に思うかもしれませんが、これまでの行動を振り返ってみるとそういう風に見えてくるんですよね。
まず他の王子が様々な手段で増員を図る中、小細工を労せず私設兵15名のみで継承戦に臨んでいる事、そして開始後はわざわざ宣戦布告を行ってからツェリードニヒにタイマンを仕掛けに行っちゃうところ、あまりにもお行儀が良すぎるんです。
ツェリは傲慢な男と評しましたが、決闘に向かうのを側近のバルサミルコに止められればきちんと耳を傾けて考えを改めるのだからベンジャミンは決して愚かな王子ではありません。
傲慢であればまず真っ先に継承戦を始めたナスビをぶっ飛ばしに行くはずですからね、このことから私はベンジャミンを封建社会に生きる騎士や侍のような生き方をしている人物なんじゃないかなと考えました。
中国史をヒントに考えて侍に行きつくのは300年続いた徳川幕府を築いた家康も『貞観政要』から学んでいたとされているので矛盾はありません。
そしてそんなベンジャミンが確実に脱落すると考える理由は、侍は王じゃないからです。
霊獣に目が描かれていないのは「滅私」の精神を表している。
ベンジャミンは完全にシステムの中に組み込まれていて、王となれば王家に安寧をもたらすのかもしれないが今以上の繁栄は無い。
私人としての理想を持つことが王の資質として語られることが多いので、ベンジャミンはどっちかというと現場向きの人物だろうということで脱落していくと思います。
ハルケンブルグ
こんな人が王様だったらいいなを体現するハルケンは反則級の超強力な念能力を身に付けたことで注目を集めていますが、残念ながらこのタイプは100%王になれません。
王の資質について言及するときに清濁併せ呑む度量が必要だということを言わない人はプロの作家の中には多分一人も存在しないんじゃないでしょうか。
それくらい基本中の基本、マストな資質とされているんです。
力と理想を併せ持つハルケンが退場確実と考える根拠はそこにあり、単眼の霊獣が理想を曲げることができないことを示していて、ハルケンは王たる資格無しと悟って自らの意思で脱落していくんじゃないか、そんな感じの展開を予想しています。
ハルケンが身に付けた能力は支援者の存在を前提としています。
並外れた高潔な人物であるからこそ多くの支援者が彼の元に集っているわけで、ハルケンが理想的でなくなれば支援者は離れていくでしょう。
そんなハルケンがひどい状況にあるカキンの王となればどうなるか。
きっと現実に沿わないキレイごとの施策をぶちかましてカキンはさらにひどい状況に追い込まれるでしょう。
では現実的な政治を行えばいいじゃないかというとそうでもありません、何故ならそれは理想的では無いので支援者が離れ、ハルケンは力を失いクーデターか何かで失脚という未来しかありません。
理想の王ではあるけど理想のカキン王ではないんですよね。
ナスビがハルケンとの問答で「重要なのは誰がレバーを引くか」と言ったのは
理想的な王は理想的な国民の上にしか存在しえない
お前が王として国を治めるためには国民が全員支援者でなければならない
現実的な方法として考えられるのは支援者以外の国民を滅ぼすことくらいしかないけどお前はそんなことできないだろ?
みたいな意味であると考えられます。
ハルケンの中ではとっくに答えが出ているはずなので今頑張っているのは支援者をお置き去りにすることができないからでしょう、継承戦に勝利するためではなく支援者にとって最も良い形で退場するために戦っている。
のではないかと思います。
勝ち残りそうな王子
引き続き目の数に着目して競馬っぽく予想していきます。
本命:ツェリードニヒ
ジョジョっぽい能力がいっぱい出てくる中でキングクリムゾンみたいな能力を持ち、吉良吉影みたいな性癖を持ってるならそれがラスボスだろうがよ。
というのと、霊獣の目が二つ、そして口の中にも顔があってそこにも二つ、更になんか絵が粗くて断定はできないけど外側の目の横に三つほど目っぽい模様がある(確認してみてね)んでそれが左右にあるとして計10個の目を持っており、カキン王として抜群の適性を持つことがこういう形で示唆されているのだろうということでまぁコイツが最後まで生き残るでしょうと予想してます。
今のところ残虐性が強調されているツェリは仲間想いの友人が不自然に登場してしたりしていて、それが「あとからひっくり返しますよ」と言われているように感じられますよね。
全く分かりません、考察の余地が無くて何か書こうとすると全部妄想の領域になってしまうので無理でした。
本命から外すことが不可能なので本命は絶対ツェリしかありえません。
対抗:タイソン
単眼の霊獣を持つタイソンを対抗に置くのはその能力が理由です。
目玉ジャクシをばら撒くということで、目の数に着目するならツェリを超えるカキン王としてのポテンシャルを持つと考えることができるからです。
以上です、としてしまうのはちょっと雑なので今後の展開予想も書いておきましょう。
タイソンの霊獣の目の数は他と比べて性質が違います。
目玉ジャクシは霊獣から生み出された霊獣なので本体からは離れており、これが意味するのは何かと考えていくと制御できない力という表現なのかなという感じになります。
今のところゆるい宗教をやっているタイソンは多くのカルト(キルアの兄弟の事ではありません)がそうであるように、信者たちが教義を曲解しはじめ暴走していくのを止められず、流されるようにして悲劇の引き金を引いてしまうことになるという展開を予想しています。
要するに毛沢東的なやつです。
ツェリなど比較にならないスケールの悲劇に大躍進していくんじゃないでしょうか。
地獄への道は善意で舗装されていると言ったのはフランスの人だったっけ?
政治を描いた物語にありがちなエピソードの一つなのでタイソンがその役割を担うのは妥当な線なんです。
大穴:ワブル
ツェリ同様今のところ何も分からないワイルドカードなのでワブルを大穴としました。
クラピカが護衛についている時点で何か重要な役割を演じるはずだと思わざるを得ませんし、無力オブ無力な赤ん坊っていうのがまぁいかようにも持っていけそうな可能性の塊ですよね。
自我を持たないワブルの霊獣はまだ姿を見せていません。
生存にフォーカスして状況に応じた形が作られていく、適者生存をシンプルに実行できるワブルのみがカキン帝王となる可能性を持っているみたいな方向に話が進んでいくかもしれません。
上位のカキン王子たちが強すぎますからある種のゲームチェンジャー的な存在が勝ち残らないと運ゲーの結果、漁夫の利を得た形の勝利って感じの後味を残しそうですからね。
それをやってもギリ許されるのはワブルしかいないでしょう、そういうわけで大穴として配置しました。
あとがき
展開予想は以上になります。
実際の出来事を再現して話を進めていくだろうといった方向で予想するのはかなりど真ん中な考察だと思うんですが、今のところそういうことを書いてる人を見つけられていないので誰もやってないならやろっかなというノリで描いてみました。
物語が進んで正解が見えてきたら答え合わせの記事をやるつもりでいます。
何年後になるか分かりませんが私は中国史を勉強したり他の完結済みの漫画を読みながら待ちたいと思います。