みなもとはなえ

私のいろいろな詰め合わせの場所です。 メール:blocklock8214★gmail.com(★→@)

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  • Letter to ME

    自分へ送る日々の備忘録(その2)

  • 普通の人のその日デイト

    おしゃれではない私のその日その日のコーディネイト。こういうのやってみたかったんですよねぇ。手書きです。

  • Letter to ME

    自分へ贈る日々の備忘録

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    これまでの既刊情報や出展予定のイベントなどの情報になります。在庫があるものは通販を受け付けています。メールにてご連絡ください。

  • short stories

    お話集めました。

最近の記事

あなたのそばで

まだこの世に生まれて3ヶ月も経たない人間の泣き声で起こされる。抱き上げると力強くのけぞって何かを伝えるように泣きが激しくなった。寝ぼけた頭と体では取り落としそうになるが、必死に耐える。手元の小さな灯りだけをつけて自分の乳房を含ませた。必死という言葉しか当てはまらないほど喉を鳴らして母乳を飲み始めた横顔を確認して、どっと疲れが体を巡る。慣れない姿勢の連続で首から背中は重く痛い。エアコンと、赤子がただ嚥下する音だけが響く午前3時。また2時間後には同じ姿勢をとって同じ音を聞いている

    • 明日の最高気温は

      本当は1年の振り返りをしてみたかったのだけど、特に思い出せることも無く、毎年こんな調子なので自分の中の書くことへの興味がどんどん失われていく。 好きなことについても、努力をしなければならないなんてあほらしすぎる。そう思うと、私はもう書くことなんて好きじゃなくなってしまったのかな、と途方に暮れる気持ちにもなる。好きでいることを努力で昇華させなきゃいけないなんて。 もっと切実に、書くことを愛している人がいる。苦しんでいる人がいる。そういう人が、インターネットには沢山いて、私は相変

      • 20221008あまねく夜に

        急に冷えるようになって、毛布を引っ張り出してきた。体調が優れず、心も引っ張られるようで、木曜日も金曜日も仕事を休んだ。期せずして五連休になった私を、同僚は責めないだろう。優しく、干渉のない職場だ。そういうところに救われたり、傷つけられたりする。私が、ワガママだから。 寒い夜は、つまり、感傷に浸りやすい、ということだ。腹まで毛布をかけ、上半身は凛とした空気に投げ出していると、ざわざわと甘い痛みが胸に忍び寄る。胃より上、心臓より下の、心があるかもしれない場所が言葉もなく疼くのだ

        • Battle for your life―LADY GAGA CHROMATICA BALL TOKYO 9.3.2022

          今でも、夢を見ていたのではないか、と思っている。 2022年9月3日、埼玉の西武ベルーナドームでレディー・ガガの来日公演に参加してきた。参戦、という方が正しいのか、そもそも来日公演なのか、来日コンサートなのか、どういう言い方もしっくりこないが、とにかく、8年ぶりの来日と聞き、思い切ってチケットの抽選に申し込んだのは4月だった。当選したときは、本当に9月が来るのか信じられなかった。そして本当にガガを見ることができるのか、信じられなかった。 ガガを知ったのは、バイト先のショッ

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        記事

          いつか思い出になる

          もうすぐ8月が終わってしまう。何をするでもなく、暑かったな、という印象だけで今年の夏も終わると思う。 職場のクーラーが壊れている。設備課に問い合わせると、壊れてません、という。では設定温度を下げてくれないか、というと、28度と決まっています、という。プリンターもパソコンも、その他電子機器も、人間以上に熱を吐き出していて、私たちの事務所はいつも30度をこえていると思う。あきれてため息をつくと、後輩が、28度っていうのは、設定温度のことじゃなくて室温を28度にしないといけないんで

          いつか思い出になる

          怒れる人

          先日、あんまりにも我慢ができなくて、課長に嚙みついた。物理的にではなく、仕事的な意味でだ。そうしたら課長が目をひん剥いて私に怒鳴り散らしてきて、すぐに後悔した。後悔したけれど、心臓の動機が激しく、肋骨がガンガンと痛み、口を閉じることができないほどだったので、それに任せてまた嚙みついた。ふだんから、あまり褒められたものではない仕事ぶりの係長が、私の隣であわあわしながら、フォローのようなよくわからない言葉を言っていたけれど、課長は私だけにその三白眼を向けて、ぎろりと睨みつけてきた

          祈りを託していいですか

          こんばんは。ご無沙汰してます。お元気ですか。 いつも思い出したようにあなたに書いてばかりでごめんなさい。でも、こういうこと、あなたにしか言えないんですよね。なんて、本当、怒らないで、今日もまた、ゆっくり相槌を打ってくれるだけでいいんです。聞いてくれますか? もう、あっという間に年末ですね。そろそろ年賀状を書かないといけません。どのくらいの人に書きますか?10枚?20枚?――年賀状って人宛てだから、何人、と数えた方がいいのですかね――それとも、書いてくれた人にだけ書きますか?

          祈りを託していいですか

          20210617よくあるドクハク

          私だけが、あなたに手紙を書きます。特に返事はいりません。私の独白を、あなただけが聞く。それだけで、いいです。独白って、大それたもんでもないです。兼好法師に酷く劣る、その日のよしなしごとです。 最近、とみに疲れています。目元の湿疹がどんどん大きくなっていきます。どうしたものか。下まぶたもやたら痒くて掻きむしってしまいます。爪が長い。皮膚科に行ったら、毎度先生に怒られます。爪が長いですよ。そんな爪でかいたらそりゃあ皮膚もボロボロになります。かきたくないんですせんせいでもかいちゃ

          20210617よくあるドクハク

          20210517後悔と雨

          この土日からずっと調子が悪くて、日曜日から月曜日にかけては全然眠れなかった。 頭が散り散りの思考に支配されたまま、寝付けはしない。30分に一回目を覚まし、寝返りを打ち、じっとりとした汗を拭う。 夫のいびきと、漏れ聞こえる雨の雫がコンクリートに打ち付ける音だけが、刻々とすぎる時間を教えてくれた。眠れない焦り、汗をかいて蒸れた肌の痒み。微睡みにいる、という謎の言い訳を抱えて私は爪を立てて喉元を掻きむしる。 明け方、1時間だけ眠ったが体は重く持ち上がらない。灰色のカーテンを何とな

          20210517後悔と雨

          20210405 朗らかな天気に飛ばされて

          本当は、朝早くに職場に行こうとしたけれど起きられなくて、今朝いつもの時間に家を出た。 新年度はぬるっと始まり、バタバタ過ぎていく。結局、年度が切り替わるタイミングでしか発生しない年1回の仕事に毎回翻弄されている。分かっているはずなのにいつも翻弄されている。愚かだなと思いつつ、そういうことをもう10年も続けているのだった。 でも、午後は休みを取って歯医者に行った。予防歯科なのでキレイに磨いてくれるだけなのだけど、歯科衛生士によって丁寧さが違う。ずっと私のことを担当してくれた歯

          20210405 朗らかな天気に飛ばされて

          20210329 桜よりも快晴

          年度末になると慌ただしく人事異動が発表になり、数年前に地方の支部に勤めていた後輩が本社に戻ることになったのを知ったのは先週だった。 仕事の愚痴を良くこぼしながら日付が変わる頃まで一緒に残業をした仲だ。お互いその頃は独身で、自分たちが本当にダメになるまで仕事をしていた。仕事に洗脳されていた時期でもある。今となっては自分を犠牲にしなくても良かったと思うが、その頃はそれが1番楽しかったのでまあよかったのかもしれない。 本社に戻るし色々話がしたいと言われたのはやはり先週で、事務引き

          20210329 桜よりも快晴

          20210328 雨、激しい、雨

          描きたいことがなければ筆は動かないし、筆が動かなければ描けない。当然なことも、こういう風にそれらしく書くとそれらしく見える。 深夜に、雨が外壁にあたって砕ける音が突然し出して、大雨になった。どこかで大雨警報が発令されたとテレビにテロップが出る。 以前、激しい雷の音で夜中の3時に起きてしまった不安症の夫は、私の布団にいそいそと潜り込んできておそがい、と、寝ぼけながら泣いていた。だのに、激しい雨の音は平気らしく、下着姿でリビングに寝そべってぼおっとおしりを掻きむしっていた。

          20210328 雨、激しい、雨

          2月に入った夜は

          明日から2月だな、と気づけば暖かな日が続いていることにも気づく。一昨日だか昨日だかに雪が沢山ふり積もっていたが、二階の窓から白い世界を見つめるだけで、ついぞ自分の足でほこほこの雪を踏むことはなかった。昼前にはほとんど消えた雪には、なんの感慨もない。茶色く枯れた畑や田んぼの残り香のようなものがもわっと並んでいた。それだけだった。その日は1日も外には出なかった。 ネットの海にはいくつもの感情が溢れていて、悲しみも怒りも奢りも自尊心も慈しみもその他もろもろが、私に棘を刺す。 毎

          2月に入った夜は

          親知らず抜いてきました

          あけましておめでとうございます。 新年早々っ感じだけど、本当は去年の10月には書いておくつもりだったのに、まったくもってだらだらしていたら年明けじゃん…という。 いろいろ2020年中に書きたいことやものはあったのに、何もできていない始末ですが、せめてこれだけはと思い年明け早々親知らず抜いた話を書きます。 自分が抜こうと思ってから、めちゃくちゃググったけどあんまり抜いた人の話が出てこなくて不安だったので、今も親知らずが埋まっていて(もしくは生えていて)抜くかどうか迷っている人や

          親知らず抜いてきました

          性格の悪い人

          性格が悪いので、自分が嫌いな人が褒められたり庇われたりするのがあまり好きでない。というか私が嫌いな人はみんなからも嫌われて欲しいと思っている。私の性格が悪いから、というか人間、みんな、口に出さないだけで嫌いな人が虐げられても心が痛まない人はわりといると思っている。こういうところが性格悪いというかいつまでも上辺だけの明るさを引きずっている原因だと思う。 同じ課の、担当は違う男が苦手だ。まず歩く時の足音が大きい。尖った靴を叩きつけるみたいに歩く。数メートル先からでも彼が近づくの

          7日間で世界を作ることはしないだろう

          小説を書いている。すごく久しぶりだ。長い時間をかけて、なにを書こうか考えていて書き出したのは数か月前だったけれど、2,000字ほど書いてずっと手が止まっていた。あれこれしているうちにもう締め切りがすぐそこに迫っていて、それでも私はまだ内容をこねくり回して考えあぐねている。 書くことがすごく楽しかった何年か前に比べると、今はそれほどの楽しみも興奮もない。そもそも書く機会や書く時間が減っているのだから当然といえば当然だと思うし、書く内容を考えることもほとんどなくなってしまった。

          7日間で世界を作ることはしないだろう