タコス警察 #5 モスバーガー
2018年8月某日 渋谷
日本を代表するハンバーガーチェーン「モスバーガー」がタコスを発売しているとの通報を受けたタコス警察。前回と同様に渋谷に出動した。
今回の通報者はITコンサル勤務のFさん。
日本のタコスの平和を守る、我々タコス警察の活動に日々感銘を受けていると語る。にわかにタコス警察の承認欲求が満たされる。
モスバーガーに到着したFさんとタコス警察を待ち受けていたのは、驚愕のビジュアル。
これは「タコミート」にレタスとトマトを載せてチェダーチーズソースをかけているに違いない。ロクに研究もせずにアメリカ料理をアレンジしたようだ。
出てきたナンタコス。トルティーヤではなくナンであり、挟まずに乗っけている・・・
今ではタコスは世界中に広がり、地域性を持った多様な変容を遂げる中で、広義に捉えられることもある。すなわち、タコスとは「何かをトルティーヤで挟んだもの」である。
(エル・グルメ7月号、アグリー・デリシャス シーズン1ー2参照)
しかし、これはトルティーヤを使っていないし、挟んでもいない!!
なにはともあれパクリ
「タコスってこういうことなの???」
「レタスもトマトもUSAの悪い影響」
「チェダーチーズが貢献していない」
「トルティーヤチップスじゃなくてチチャロンを載せろ」
とあらゆる素材に猛攻撃を仕掛ける。
そして気づいてしまった
「この肉、味付けが洋食屋のキーマカレーだ・・・」
なすすべがなかった。あらゆる点においてタコス成分が微塵もなかったのである。アメリカンタコスやタコライスで多用される、いわゆるタコミートでさえもなかった。
どうしてわざわざ「タコス」を名乗ったのか。「カレーナン」とかじゃダメなのか。
そもそもハンバーガーでいいではないか。モスのハンバーガーは嫌いじゃない。
もはや逮捕するまでもなかった。我々は、やるせない気持ちを抱え、無言でモスバーガーを後にした。
本能の赴くままに向かったのは、タコス屋のCasa de Sarasaだった。タコス警察のファンであるというFさんにウンチクを語りながら、ここのタコスでお口直しをするのであった。
今日のハンバーガー屋
モスバーガー渋谷道玄坂店(ウェブサイト https://www.mos.jp/ )
渋谷区道玄坂2丁目29-8
営業時間 9:00〜25:00
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