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Amazfit Bip S / Bip S Lite の日本語フォントの変更
初代Pebbleを長年使っていたものの、さすがに動作が怪しくなってきたので、1年ほど前にAmazfit Bip S Liteを購入。(その後、AmazonでバタかれていたBip Sも予備で購入)。Pebbleと比較すると多少の不満点はあるものの、驚異的なバッテリー駆動時間を考えると、十分に満足できるものだと思います。ただ一つ、いわゆる「中華フォント」のため、いくつかの漢字が変なのと、汚い明朝体なのが減点ポイント。まぁ、それだけだったら、まだ我慢できるレベルだが、最悪なのは「水」と「木」の区別がつかないという謎フォントで、これでは曜日が判別できないという致命的な問題があります(さすがにこれでは中国人も困らないのか?と思いましたが、中国での曜日の呼び方は、星期一、星期二…だから大きな問題にならないのかな?)。初代Bipでは有志が作ったカスタム日本語フォント・ファイルがありましたが、Bip S / S Lite用は無いようなので、作ってみました。そろそろBip 3が発表になりそうな、このタイミングでは今更感はありますが…
Bip S / Bip S Lite のフォント・ファイルについて
Bip S / Bip S Lite のファームウェアは「ファームウェア本体」、「フォント・ファイル」、「リソース・ファイル」の3種類から構成されており、この「フォント・ファイル」をイジってやればよいです。なのでこのファイルの構造について、まずは調査、解析をしなきゃいけない…のだが、すでに先人が完璧に解析済でした。素晴らしい。
これを読めば、簡単にカスタムなフォント・ファイルが作成できます。ちょっと面白いのが、デフォルトでは初代BipもBip S / Bip S Liteも16x16ドットのフォントが使われているものの、Bip S / Bip S Liteでは(字間/行間が詰まってしまうのが構わなければ)最大18x18ドットのフォントまで埋め込むことが可能なことです(ちゃんと表示できることも確認済)。微々たる差ではあるけど、元々、フォントを入れ替える動機として、ボールド・フォントに入れ替えて、もっと見やすくしたい、ということもあったので、視認性向上ネタとして文字サイズまで変えられるのは、嬉しい。
ちなみにアルファベット、数字、記号等はこのフォント・ファイルではなく、FW本体(もしくはリソース・ファイル?)に埋め込まれているらしく、そちらが優先して表示されます。なのでボールドとかサイズの違うフォントに入れ替えると、これらのフォントとのバランスが悪くなっちゃいます。でも個人的にはそんなことより全体的な視認性向上の方が重要なので、気にしないことにします…
使えるフォント一覧
フォント・ファイルへ埋め込むには、ビットマップ・フォントが必要です。もちろんアウトライン・フォントをビットマップ・フォントに変換して使うことも可能ですが、16x16まで縮小すると潰れまくって、とても見るに耐えないと思います。素直に使えるビットマップ・フォントを探した方が幸せになります。幸いなことに使えるフォントの数々がフリーで公開されています。16x16ドットなら「東雲フォント」、「milkfj + 東雲フォント」、「jiskan16」、「小伝馬町16フォント」、「秋葉原16フォント」、「ぱうフォント」、18x18ドットは「Ayuフォント」がお勧め。これらのフォントの中でボールドがあるのは「東雲フォント」と「milkfj」しかありませんが、他のフォントも"mkbold"を使えば、擬似的にボールド化できます。
あとこれらのフォントの文字コードはJISなんで、unicodeへの変換が必要です。私はシコシコと変換テーブルを作りましたが、あとからFontForgeを使えば一発変換できることに気が付きました...
成果物
![](https://assets.st-note.com/img/1654860478916-UWvmCVk6x9.jpg)
フォントを入れ替えたので当たり前ですが、「水」と「木」の区別ができるようになりました!Ayuフォントにすれば、ちょっとだけですが字も大きく表示できます!なによりもあの汚い中華フォントとはオサラバできます!とは言え、所詮は低解像度のディスプレイに16x16とかのフォントなので、綺麗になったとはいっても、たかが知れていますが…
せっかく作ったんので、16x16ドットの「milkfj + 東雲フォント」と「jiskan16」、18x18ドットの「Ayuフォント」で作成したフォント・ファイルを置いておきます。以下の組み合わせで確認はしていますが、当然、無保証です。自己責任でお試しください。
・ファームウェア・ヴァージョン
Amazfit Bip S : FW ver. 2.1.1.76
Amazfit Bip S Lite : FW ver. 2.1.1.78
・書き込みソフト(android)
Notify for Amazfit & Zepp : 14.6.6
なお入れ替えた日本語フォントはパブリック・ドメインなので公開に問題はないと思いますが、Amazfit謹製オリジナルのファイルに含まれているフォントのライセンスは不明なので、そのままでの再配布はマズそうです。なので元々含まれていたフォントはすべて削除し、□(豆腐)に置き換えてあります。とは言え、前述の通り、アルファベットや数字はFW本体側のものが使われるため、表示に問題はないので、簡体字/繁体字な中国語を表示しようとしない限りは不自由なく使えると思います。どうしても全部入りフォント・ファイルが欲しい!という方は、bsdiffで作成したオリジナル・フォント・ファイルとの差分ファイルを同梱しておいたので、bspatchで各自作成してください。bsdiff/bspatchは主要なLinuxディストリビューションには含まれていると思います。Windows版も探せばあります。