初代NanoteをDebian 12(Bookworm)にアップグレード

初代Nanote(2020年に発売されたドンキの激安UMPC、"UMPC-01-SR")をDebianで使う、という以前に、未だに初代Nanoteを使っている人って自分以外にいるのか?という疑問もありつつ、以前、Debian11のインストール時の備忘録を書いたところ、細々ではあるけど今でもアクセスがあるみたいなので、ちょっとは需要はあるかな?ということで今度はDebian12へのアップグレードしたときの備忘録です。といっても、ほぼ問題なくアップグレードできてしまったので、有用な情報はほとんどありません…

アップグレード

特に注意することもなく、公式アップグレード・ガイド通りにやれば、問題なくアップデートできるはずです。

Debian11(Bullseye)からの改善点

Debian11(Bullseye)では初代Nanoteではいくつかの不具合点があり、追加の回避作業が必要でしたが…

「バックライトの輝度調整ができない」→fix

BayTrail/CherryTrail特有の問題で、バックライトの輝度調整ができない不具合がありましたが、すでにBullseyeでもだいぶ前にfixされていましたが、Bookwormでも問題ありません。なので、initramfsからi915のドライバーを削除する作業は不要です。

「タッチパネルが動かない」「時々、タッチパネルが動かない」→fix

BullseyeのカーネルではGoodixのタッチパネルが動かない不具合がありましたが、Bookwormのカーネル6.1.xでは問題なく動作します。また起動時/サスペンド復帰時にi2c通信がコケる不具合も解消されています。なので、Bullseyeで使っていた、無理やりGoodixのチップをinitするスクリプトも不要です。というか、あのスクリプトを動かしたままにしていると、タッチパネルが逆に動作しなくなってしまいます。本来なら、不具合を起こすようなスクリプトではないんですが、最近のカーネルではGoodixのタッチパネルのドライバーの名前が、goodix.koからgoodix_ts.koに変更されています。これによりタッチパネル・ドライバーをアンロードしない(できない)のに、チップを初期化しちゃうので、逆に動いていたタッチパネルを殺してしまいます。少なくとも2週間ほど使っている間にタッチパネルの不具合には遭遇していないので、もはやあのスクリプト自体必要ないと思われますが、もし使うのであれば、"goodix"部分を"goodix_ts"に書き換える必要があります。

「スピーカー出力がモノラル(しかも左右で逆位相)」→fix

Bullseyeのes8316ドライバーの初期値がモノラル出力で、かつ2つのスピーカーを逆相で駆動する変態設定になっていたので、わざわざロード時にオプションを明示的につける必要がありましたが、これも修正されており、特にオプションをつける必要がなくなっています。

「サスペンドできない」→fix

これはDebianではなく、Xubuntu 20.04を使っていた時に、サスペンドさせると時々コケる、ハイバーネーションさせるとほぼ失敗する、という感じだったので、Bullseyeでもサスペンド、ハイバネは使っていなかったのですが、改めてBookwormで確認してみると、少なくとも2週間使ってみた感じではサスペンドは問題ないと思われます。でも残念ながらハイバネは相変わらずダメっぽいです。

Debian12(Bookworm)での不具合点

Network Manager経由でのVPN接続に失敗する

少なくとも私の環境ではNetwork Managerを使ってのOpenVPN接続に失敗します。コマンドラインでopenvpnを直接叩けば接続できるので、Network Managerのバグ、もしくはOpenVPNのバージョンに追従できていないっぽいです。


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