″会話なし″サロンをはじめた理由|一人サロンLORONG #無言接客サービス
こんにちは、LORONG斉藤です。
我々は都内に5店舗、仙台に1店舗を構えるプライベートサロンです。
全店舗に共通していることは一席のみのプライベートサロンであることと、もう一つ。「美容師が話しかけてこない美容室」であること。
つまり「会話なしサロン」です。
我々は“無言接客サービス”と呼んでいます。
◆無言接客サービス
創業当初から行っているサービスで、LORONGではお客様がうっとおしく感じるような「美容師トーク」を封印しています。
もちろん「一言もしゃべってはいけない」的な偏ったルールではありません。
カウンセリングは丁寧に行うし、お客様とスタイリストによっては世間話も日常的。
あくまでも、おしゃべりをするかどうか(したいかどうか)の決定権はお客様が持っているように接することを心がけている、ということなんです。
無言接客サービスにはスタッフで共有しているアニュアルもあって…
1、 プライベートの話を自分から聞かないこと
2、 自分のことを自分から語らないこと
3、 1と2の上でフレンドリーで、温かく丁寧な接客を行うこと
という決まり事をスタッフ間で共有し、温かい無言接客サービスを実践しております。
※よかったら以前書いたnoteもご覧ください。
前置きが長くなりましたが、本日は無言接客サービスが生まれた背景と理由をつづってみたいなと思います。
◆海外生活がキッカケ
実はこのサービスの原点となっているのが、海外での美容師経験。
実は独立前に青年海外協力隊(JICA)に参加し、2年間インドネシアで美容師の講師として活動していました。現地語、かつ先生という立場もあり、無駄な会話がない中で黙々と技術を教えていたのですが、それが自分に非常に合っているなと感じました。
恐らく職人肌だったんだと思います。
日本で修行していたサロンでは、むしろ話すことを推奨しており、会話で盛り上げながらの接客をするように学んでいました。
なので現地の人の髪やメイクをしていて「(余計な会話を)話さないでも良い」と言うのは新鮮で、また″より仕事に向き合える感じ″が自分に合っているなと感じたんです。
海外での2年間。言葉が通じなくても美容師ができるといことを経験し、施術中に話さないことの良さも実感したこと…それが無言接客のキッカケでした。
◆時代背景の影響で
日本に帰国たのは2017年の初頭で、帰国してからは、より会話のないサロンを出してみたいと強く思うようになりました。
当時は誰もがスマホを持つようになり、またスマホやアプリ自体も進化して、一人でも楽しく過ごせるようになっていました。サロンに行っても自分のスマホをポチポチ…電子書籍で好きな雑誌や映画をポチポチと。美容師さんと話しているよりも有意義に過ごせるように時代が変化したんです。
美容師と話したくないニーズは昔からあったと感じていますが、そうやってスマホやITの普及でそのニーズがより加速した実感がありました。
もう一点、美容師自体の役割も変化していました。髪の毛のことも以前はサロンに行って雑誌を見て決めて、わからなければ美容師さんに聞く。しかし近年は事前に自分で調べて髪型も決めてきますし、わからないこともお客様自身で調べることが容易になりました。
なので営業トークも嫌気されてしまうような時代に突入していたんです。少し寂しい気持ちもありましたが、我々も変わらなくてはいけなかったのです。
それでも会話なしサロンは当時はまだマイノリティな考え方で、美容師仲間に「美容師と話さないサロンを作る」と伝えてもあまり賛同を得られなかった記憶があります。当時付き合っていた彼女にもフラれました。
ただ、先の時代背景もあって「全体の3割は、美容師と話したくないだろう」という仮説を立てて、その3割のお客様に支持してもらうように独立を決意。
そして″無言接客サービス″は爆誕しました。
◆一人サロンでの独立
一人サロン出店の経緯ですが、帰国後は仲間もいなかったし、一人でコツコツやりたい思いもあったので一人サロン独立でした。帰国して1年経たないぐらいに完全プライベートサロンLORONGが誕生です。
コンセプトは「一人になって、自分と向き合う」。当時、インドネシアでヨガや瞑想などにハマっていたのでそれも影響していたと思います笑。
会話のない静かな環境を提供し、自分の時間を過ごしてもらう。そんなサロンを東京の代々木八幡に出しました。
◆無言接客サービスの改善と反響
独立した当初から無言接客サービスは非常に好評で、お陰様でスムーズに運営できていたと思います。最初は「プライベートの話をしない」「無理な営業をしない」というルールだけで行っていましたが、お客様の様子を伺いながら無言接客のマニュアルを見直したりと、より改良を重ねて今のサービスが完成しました。
最近はこのサービスを求めてくるお客様も増えた実感もあり、提供してよかったと感じてます。
例えば最近入った口コミをご紹介させて頂きます。
先日初めて伺わせて頂きました。無言接客ということであまり美容室で喋るのが好きではないので、利用させて頂きました。カウンセリングはしっかりやりつつ、施術中はあまり会話をせずやって頂いたので、気を遣わずに済みました。
仕上がりも可愛くなって満足です!また行かせていただきます!
NOZOMIさん(女性/20代前半/会社員)
初めての利用でしたが、店内の雰囲気も良く、スタイリストさんの対応もとても丁寧で大満足でした。
私は髪を切ってもらう際スタイリストさんとのお喋りが苦手で、それが理由で美容室へ行くのがいつも億劫だったのですが、こちらでは(気を遣って頂いていたのかもしれませんが…)そのようなことがなく、気兼ねなしに利用することができました。もし私と同じような悩みを持つ方がいれば、ここを強くオススメします。
くーさん(男性/20代後半/その他)
美容師さんと話すのが億劫な私にとってはぴったりのコンセプトでした。シンプルで清潔感のある空間で、とてもリラックスした時間を過ごさせていただきました!
カウンセリングや施術も丁寧で、カラーもカットも思い描いていたとおりの出来でとても満足です!
他の方の口コミにもあるように、入り口までの階段が急なので安定感のある靴がおすすめです^^
全体を通してとてもホスピタリティの高いサービスでした!是非またお願いしたいです。
KANAKOさん(女性/20代後半/主婦)
◆このサービスの裏の狙い
実は、無言接客サービスには″裏の狙い″があります。
それは「話さないことによる効率化」です。
最近、会話なしサロンやフリーの美容師が増えた理由もここにあると思います。
一人で作業する良さは自分のペースでストレスなく働けることなんですが、逆に一人ということがウィークポイントにもなります。特に時間管理です。次の予約時間に合わせなくてはいけないので、適切なオペレーションが大切になってきます。
なので時間意識が重要な一人サロンにおいて、話さないことのメリットは非常に大きいです。作業効率と集中力が上がり、席から離れたい時に離れられます。自分のペースで仕事がしやすくなり、一人サロンとの相性は抜群です。
このサービスが生まれた理由として、会話をしないことで気持ちに余裕ができ、仕事がスムーズに行えるという仕事上の背景もあるんです。
◆是非とも体験してみて下さい
よく「なぜこのサービスを始めたのか?」聞かれます。
実は、元はかなり「話す美容師」だったので、当時の私を知る人間からすれば会話のない静かなサロンを作ったことを不思議に思うかなと笑。
でもこのサービスができたことには理由と狙いがあります。
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もしかしたら美容師が話しかけてこない、と聞いて違和感を感じるのは、それだけ「美容室=美容師しゃべる」がパブリックイメージになっていたからだと思います。でもそれはもう過去の話。髪を切る時間が憂鬱な理由がここにある方は、ぜひ一度足を運んでいただきたいです。
LORONGの無言接客サービスでおもてなしさせてください。
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プロフィール
株式会社LORONG
オーナー
斉藤達也
一人サロン6店舗経営/静かに過ごせる完全プライベートサロンLORONG/美容師側からプライベートの話しをしない「無言接客サービス」を行っています/仙台に5店舗目、四ツ谷にニューブランドDUAをオープン
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ストレスなく一人で働きたい美容師さんを募集してます→ https://lorong.tokyo/recruit/
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