深夜タクシーに逃げる
ハタチの時、
幼稚園で働いてた頃。
女性社会が合わなさすぎて
平日は早朝6時からほぼ23時まで幼稚園にいて
そっから指導案と持ち帰り仕事。
土日は指導案と持ち帰り仕事は
早々に終わらせる。
その後はもう家にいたくなくて
黒く埋まってゆくスケジュール帳に満足を覚え
終電ですら帰らないことも多かった。
土日、
最終電車が行ってからの繁華街。
土曜日は
時々救急車がサイレン鳴らしてやってきて
急性アル中の老若男女を運んでいった。
あたりは大声の人
極限までイチャイチャする人
歌ってる人
などなど
カオスが過ぎた。
日曜日の終電すぎは割と静かで
なんとも、
あやしうこそものぐるほしけれ
な感じだった。
ゲイバーのお姉さん?がその辺の道端に出てきててふらっと喋ったり
道行くホステスが機嫌良かったり
とりあえず空いてる居酒屋やバーに入ったら
そのへんにおった男性が
急になんか奢ってくれたり
今思えば、
私は私の今
この目の前に立ちはだかる幼稚園に母に
なぜここまで
けなされ
いびられ
人格否定されるのだろう?
ということに、
ちゃんと疑問を持つために
毎週、夜の街に繰り出していたんだろう。
私は、あの時多分、
普通の、20歳の女の子でいたかった。
パワハラ三昧になんか遭いたくなかったし、
トイレで声を殺して悔し泣きなんかしたくなかったし、
荒れ果てていく顔や体の皮膚も呼吸器も
見て見ぬふりをした。
田舎の政令指定都市の繁華街から自宅までは
深夜帯のタクシーで
約6000円。
今日はなんぼまでタクシー値切れるか?
という実にくだらない遊びさえも
楽しいと思った。
最高で2500円。
上目使いで
きゅるるんな感じで
タクのおっちゃんにおねだりする。
ハタチの私は
夜の街で全力で遊んだ。
昨日、
大事な用事の大事なものを
家に忘れて、
タクシー拾って飛び乗った!
久しぶりに思い出した。
昔は値切ってんから
おっちゃんと仲良く喋らんとあかんなー
とか思いながら色々喋ったもんやけど
(時々なんで運ちゃんはじめたんかとか
人生観とか教えてくれて
それはそれで面白かった)
昨日のタクのおっちゃんは
落ち着いてて
運転も上手くて
テンパる私をうまいこと冷静に判断させてくれて
あー、なんて感謝!
と同時に
過去との対比が脳裏によぎった。
あー!なんて感謝なの!
小学生のとき
小花美穂のこどものおもちゃ
という漫画が好きで
主人公のサナちゃんが
失恋で学校に行きにくくなり
芸能界に逃げ込んで登校拒否をするというエピソードがあった。
その時サナちゃんのママが
「理由が恋愛で逃げ込む場が芸能界ってだけで、
これはもう十分登校拒否だよ!」
みたいなことを言ってたのがすごく印象に残ってる。
あ、逃げていいんや。
て小学生ながらに思った。
私は、保育業界から逃げてしまった。
逃げ込んだ先は小学校。
逃げ先は
楽し過ぎて
まわりの人が大好きすぎて
逃げるって最高じゃないか!
と思う。
それがおかしいと思ったときは、
逃げようと思う。
なるべく、さっさと。
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