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2020年1月の記事一覧
短歌を三十首書いていました「わさび猫」
短歌を三十首書いていました。
テーマは「へんな文語」です。
よければご笑覧ください。
わさび猫 御殿山みなみ
出張を終えてこころのどこだろう洗濯機の本気を眺めおり
謎の力を秘むるようなり額へとひらり貼らるる絆創膏の
歯みがきの鏡にはんびらきたる眼のじきに開店する花屋さん
気がつけば昼の去りおり部屋獏のせいにはできぬぼくのぼんやり
黄昏。魔法のあるやい
短歌十首「手入れをやめて草が生い茂る売却予定地の写真」
手入れをやめて草が生い茂る売却予定地の写真 御殿山みなみ
たしか霧の朝に利き手の反対で揺らしたことのあるさくらんぼ
人形も持たず参拝客たちは腹話術士のくちびるをして
どちらとも老人ホームなんだけどこれをいつまで驚くだろう
夕焼けはまだ先だけど整った雲に胸がつぶされてしまいそう
帰ったらつけっぱなしのテレビから知らない芸人の声がする
アイドルのめがねと、めがねのアイドルと、電池がないと