CDL : 学生が主体的に学ぶ教科学習|授業レポート
※この記事は2020/03/09の投稿の再掲載です。
探求学習やプロジェクト型学習で学生を主体的に学ばせることはできても、一般教科でそれを実現することは難しい?
Loohcs高等学院(以下ルークス)では一般教科も含めた選択科目としてCDL(カリキュラムドリブンラーニング)の時間を1日に4時間設計しています。
このCDLには受験科目も含まれますが、そのすべてを学生が主体的に学べるように設計しています。
ルークスで1年間CDLを経験した高校2年生の声を紹介します。
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私が以前通っていた学校は、普通の学校です。
1限が8時40分から始まり、6限が15時30分に終わる。
毎日の時間どおりに授業は規則的に、時に慌てて授業を進めながら。
授業中は退屈でした。
空欄の紙にただ歴史上の人物の名前を埋めていく。
中間テスト、期末テストの点をとる為に毎日学校に通う。
授業中、暇な時は、ひたすら教科書を読む。
寝る。読書をする。空想にふける。
この高い授業料は意味あるものなのか。
何の為に勉強しているのか。
何の為にこの学校に入ったのか。
私はこのまま学校のカリキュラム、授業に魅力を感じない学校に居る意味はあるのか。
考えるうちに学校に通う意味を見出せなくなり、学校に通うことが苦痛になりました。
学校に通っていても、生きていることを少しも実感できないから。
ルークスは違います。
1限から4限のCDLでは自分の理解度に合わせて主体的に勉強を進められます。
主体的に勉強するという事は、「勉強をする、しない」は自分次第という事です。
先生、親、テスト期限にも、縛られません。
自分を律し続けなければ勉強は進みません。
逆を言うと、勉強を自ら楽しく思える工夫をすればどんどん先へ進められます。
つまり、全て自己責任です。
自己責任、自由は正直「辛い」です。
けれど「辛い」だけではありません。
大学とほぼ同じシステムである環境に慣れる事ができます。
また、自分の日々の行動や決断を常に考えさせられ「次」を考える癖がつきます。
次どうすれば間違えずに出来る様になるのか。
何故間違えたのか。と。
以上の事を私が学べたのは、学生の主体性が尊重されている証拠であると考えます。
今まで学校教育を受動的に受けてきていたのが、今は自ら教育を受けに行っていると実感しているからこそ分かることです。
分かりにくい先生の授業中、時間だけが無駄に過ぎていくツマラナイ授業を受ける必要もありません。
今、この大切な時間を一人一人の目的に合った効率の良い勉強ができます。
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さて、ここで「CDLについて、よくいただく質問」をカリキュラムの設計・監修をしている、アドバイザーのかわさんに聞きました。
Q:学生が主体的に勉強するとなると、さぼらないか心配です。
A:主体的=放置ではなく、 主体的=本人のやりたいこと、夢、志に合わせて全力でサポートするという意味です。
ですから毎日復習を管理するテストがあり、成績判定や成長測定が毎日のようにあります。
それでサボれるならサボってみろという感じです。笑
あくまでも授業の主役が学生であるというだけです。 先生は仲間です。 ルフィが主人公だからといってゾロはルフィを放置しないですよね?
主体的に学ばせるからこそ、サポートをしっかりする。そういうことです。
Q:個人によって進度にかなりばらつきが出そうな気もするのですが、、
A:進度のばらつきは、もちろん出ます。
既存の学校ではクラスの全員に同じ進度で授業を進めますが、理解度や到達度にばらつきが無いかと言えばそうではないですよね。ですから、ばらつきが出ること自体はどうでも良いのです。笑
ただ、教員は「ばらつきがプラスになるような働きかけ」をします。
つまり、そこから生まれる協同学習(共同、競争)を盛り上げるということです。
ばらつきがあったとしても、元々のカリキュラムの進度を目標に到達するまでに必要な要素の無駄を極力省き、ペースを速めに設定しているので、しっかりと大枠のテストに期限通りに合格していけば多少遅れが生じても取り返せます。 もちろん取り返すためのサポートもしっかりやります。
おか:「バラツキから生まれる協同学習を盛り上げる」というのは、ルークスのグループ型学習の部分ですよね。これはどういうことでしょうか?
かわさん:
基本的に、個人での学習をグループで学習出来るように設計しています。
つまり、カリキュラムは個人、学習法としてグループということです。 グループといっても、グループ内でみんなが同じことをするわけではありません。 グループを効果的に使うということですね。
個人での学習は、学習者本人の気分によってたまに推奨しますが、基本的には効率が悪いと考えています。
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おか:グループ型学習は、ルークスの肝とも言える学習法です。
これを掘り下げて行くと余裕でもう1記事(で収まるのか)という分量になりますので、続きは次回お伝えします!