2024M3秋感想文
陰キャネット
インターネット、逆張りオタク、イナゴ、冷笑。あたかも本質を捉えたかのようにキーワードはTLに流れるが、レッテルすら消費されて結局変わらない自分が残っている。自己嫌悪でアフター5が忙しい。
オタクも煽りを受けてめちゃくちゃな回数キライと言われる。
RELOAD
この、あのときは黙ってたけど俺はムッとしたぞ、という気持ちの保存と解凍が抜群に上手いesora uma。時間の経過によって丸くなるのではなく、そのときの前傾姿勢もそのままで対峙を迫る。
螺旋
因縁の楽曲。トラウマコンピに収録されてた、この曲の歌詞がめちゃくちゃ嫌いというか気に食わなかった時期があってumaさん本人に感想送りつけたこともありました。見返したけどよくブロックされてないもんだ。
消灯後に聴くと時間の経過が感じられますね。再録で歌も磨きがかかっていて良い……。またライブしてくれ……。
ブラックホールダンス
踊れないよって言ってたのが踊らせる方になるの良いですね。
Down the Night Road
式部めぐりさんの声ってはちゃめちゃ情報量が多いので料理の仕方によって全然違うものになるし、素材の良さに甘えてそのままお出しするとなんか色んな味がするけどなんだかわからなくなる料理人の腕にかかってる声だと思っています。この曲は鹿あるくさんの可愛い感じと式部めぐりさんのかわいい感じが喧嘩しない感じに盛られてて最高。こんなにかわいいのにエレピと歌詞で大人な感じも出すの凄。
寂しくて幸せな夕方
情景にトリップさせるのがうめ~~~テレビつけた時のAメロからBメロへの移行好きだし、サビでsumeshiiiさんの美味しいところをしっかり出してきて、大満足。
このテーマって結構、家族とかそっちの言葉で語られてきたと思うんですけど、そこをその時間にいた人間の視点でアニメにフォーカスが当たってるのはお寿司とかをキーワードに作ってきたsumeshiiiさんならではだなと思いました。
DISSOLVE DANCER
作詞と歌唱がぜったい天使くるみさんでABメロはリフの繰り返しなので、くるみさんの色が前面に出てきているが、サビで突然強烈なワインレッドが立ち上がってくる。sumeshiiiさん楽曲の中ではかなり珍しい歪んだギターを重ねた音と「超次元カラー」という独特のワードとオクターブ急降下するボーカルがとんでもないパンチを振ってくる。DOODLESもっと聴きたい。
幽霊になったら、僕は。
好きな曲。得意技をしっかり食らった形。
Do you mean ?- どういう意味
かなり好き。だけど本舗さんの黄金ラインではない感じもして良い。
Once Teenagers
ベタっとしたテーマ、疾走感。言葉遊びはしてるけどテーマに対するアプローチは直接的でそれもまた衝動の実直さが見えて好き。
春風
ごちそうさまです。実質ラストトラックでこれを持ってきてるあたり、決め球なんだろうなと分かってたんですが、やっぱいい曲ですよね。
春の温度感とか温かいまなざしの記憶とか思い出すたび胸が苦しくなる春とか、大好きです。
溶ける
毎度、楽曲群に手触りと色をフィジカルで提示してくる隣町本舗さん。ギミックとかではなくあくまでも作品に沿うものであるという立ち位置も好きです。
アルバムタイトルが漢字で、曲のタイトルがひらがななの結構おもしろくて、よくあるのは逆で「とける」を融けるとか解けるにして解釈をそれぞれの曲の中でやる試み。もちろんここでもmelt-downとかでやってはいるんだけど、それよりも歌詞の裏にある青いインクがにじんでいるように「溶ける」から境界が曖昧になっていく、という状態にフォーカスが当たっているようにみえる。そう考えてみると死者と生者、空気、空間、言葉、過去、記憶、もちろん音楽、いろんなものの境界が滲んで、その境目に生まれる濃淡が作品群の色として見えてくる。どう抽象化して作品を包含するかという試みとして見たことがない角度だったので非常に楽しかった。
droplet(feat.うつつ)
私はうつつさんの歌声が本当に好き(n回目)なので、今回のフューチャリングも大変うれしいです。ありがとうありがとう。「零れ落ちた」の所ね、最高ですよ。
Thirsty Mind(feat. アラン from memex)
マッチさん曲、ピアノに重てぇギターにストリングスに生半可なボーカルじゃどうやったって負けると思うんですけど、ハイトーンでしっかり前に出ていくアランさん、マジかっけぇ。画が浮かびますよ。この世界観の歌詞がハマるのもアランさんの強度があってこそかと。
ALIVE (feat. 瀬戸乃とと)
かっこいい。アニメOPタイアップしてないんですか?ホントに?
この曲はトラックのパワーにボーカルの瀬戸乃さんのパワーが乗っかって相乗効果良くなろうって感じですね。
Halow, My Hollow
歌が上手い、歌詞が強い。そんなのが8曲。もんのすごいパワーなので取り扱い注意すぎる。
人間は嫌いだけど期待することをやめられない、裏切られたらその度に真摯に怒ることをやめられない、それ故に歌うことも止めない。
その苛烈さと歌唱力の高さにずっとやられています。
Wheel
MVの残像がチラつく中、現状の閉塞感、繰り返す毎日に鬱屈としながらも繰り返すことそのものを肯定的に捉えて前向きになる詩が大変うれしい。どう考えてもゲーミングワールドでMVを撮る発想は出てこない。
高鳴る鼓動
前曲のせいで若干MV化を免れた曲みたいな印象になってて申し訳ない。
極めて桜葉どらいぶさん的詩、過去が眩しくみつつも現状をやんわりと肯定し、毎日の中にも熱を見出そうとする姿勢。一番私に親身な曲で好きです(片思い)。
灰になる
樫野創音楽曲の中でもかなり好き。まず曲名からして良いよね。予感がある。ほんでピアノの単音を聴いて、確信を得るわけです。「あぁ、これはまたズルいことをやられるな」と。歌詞も凄い。『比類などないもの 取るに足らぬもの』、凄い。楽曲の余白の多いAメロに派手さはないけど丁寧で形の良い言葉がきれいに納まっている。ほんとうに凄い。
そして一番二番で一旦閉じつつもそこからリードシンセですっと展開させていくのあまりにも好き。そして最後の『ここにいる』が『灰になる』のネガティブさ、無常さに対しての圧倒的な対比になっていて眩しすぎる。あまりにも綺麗。
生活
こっちはガッツリとギター!!ベース!!な構成。間奏のギターとベースが気持ち良すぎる。生活という題なのにあまりにも春。一年中春が良い。
スカーレット
この二人で歌うって何歌うのかなと思ったらどえらい予想外の玉が飛んできた。桜葉どらいぶと樫野創音なのにおつかれベイビーズ感は一切ないという不思議。そして桜葉どらいぶ詞を樫野創音が歌っている奇妙な感覚。桜葉どらいぶさんは時間とか思考が詞になってて、樫野創音さんは視覚情報が主な詞になっているので新鮮。合間合間のベースとギターの絡みがだいぶ好き。ずっとやってくれ。