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声を拾って壁にかける 好き勝手なことばかり言うけど たまにはそんな猥雑が欲しくなる 誰か…
鈴の雨 今年最後の音楽会 温かい一粒の鈴の音 窓ガラスを打つ凛と涼やかに コロコロ…
壁紙にカエル 緑色の声 雨が似合う部屋模様 透明な匂い 雨粒の気配 紫陽花を窓辺に飾る …
歩けば出来上がる足跡 一歩ずつ確かに刻む地球の上 ぼくの足跡には 雨が降れば水溜りになり…
ぬれる音 傘を叩く音 みんな灰色だ 雨粒は文字になる 言葉になる 物語になる 水たまりを…
暗雲垂れ込め 音に気づけば窓の外 降りしきる雨粒特大サイズ 慌てて閉めに走る家中の窓 斜…
ポツポツ 車のルーフを打つ雨音 居心地良く揺れる運転席と 低く唸るエンジン音が 塩梅良く絡み合う 微睡みながら君を待つ 待ち合わせ場所には 余裕をもって 10分前には到着 君を待つ間の語り部には 雨音が一役買ってくれて 一人ぼっちだけれども 寂しくはない むしろ贅沢な一時 浸る浸る
月曜日は傘をさして 雨雲が来るのを待っている 空の端からどんよりとした灰色が こちらに流…
雨粒交響楽団 春先の嵐を連れてやってきた 雨上がり後も余韻を残しながら 濡れそぼった街の…
傘なんていらない 雨ガッパもいらない ましてや厚着をする必要もない 春を知らせる雨はあた…
3月の雨に誘われて 装飾品屋は人で混んでいた 騒めきと高鳴りと雨音が 思考を揺する あの…
いつも彼女のまわりだけ 雨が降っていた 彼女の姿を見つけるのは簡単だ アスファルトが鼠色…
車の中は 雨音で満たされている 息遣いも心臓の鼓動も 雨音ありきで 存在しているかのよう…
思考を整理しようにも 雨音に当てられバラバラ 時計の針に刻まれてチクタク 繋ぎ止めようにも ぱたぱた流れ落ちていく集中力 軒先に巣を作った鳥の雛が それをみて笑っている くっつけようにもひっつかない ひっつけようにもくっつかない 落ち着き無く漂う思考の塩梅 140字には収まらない