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熱帯林の育種を西表島(いりおもてじま)でやっていたが


西表島での育種園は、断続的に20年ほど見ていた。
亜熱帯と熱帯のボーダーライン、北回帰線より少しだけ低緯度の亜熱帯だが、気温だけとらえれば
育種も可能と思うわけだが。
東南アジアの熱帯材は、天然更新で自然の成り行きで成長していくと本で読んだのだが。
20年ほど前では、植生も生態もはっきりしていない計画的な栽培は難しいと聞いていた。
行くたびに、植生が少しずつ変わっていた。
2000年近くには、東南アジアでは科として種類も多い、shorea(フタバガキ科)
の単一植林がされていた。伺うと、地元の小学生と植えたと聞いたような。
学名Shorea roxburghii、地域によってばらばらの一般名を持つので、いい加減だがセランガンバツやらメランティ、アピトンなどと同じフタバガキ科。東南アジアでは、フタバガキ科は代表的な樹木であるようだ。
しばらくしたら、栽培が難しいらしく、違うものが植えられるようになっていた。

すぐ上の学名Shorea roxburghiiは、樹皮に抗糖尿病活性成分があるという論文もあるようだ。

生薬というか。天然に生えている植物の中には、様々な医療に貢献できる薬効を含む樹種があるようで。

熱帯材についてのある本では、消滅したら二度と作り出せない薬効成分をもつ樹木の存在にも言及していた。

何だか、神話のようだが。人間の開発が深山にも及ぶと、何年も閉じ込められていた悪行・悲劇・冒涜・病気etcの”パンドラの匣”をあけてしまうようで。


唯一、対応できるもの(この場合、ある樹木)が消えてゆくかもしれないというストーリーが、コロナ以後、現実味を持ってきた21世紀。



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