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ある研究所の室内実験装置。

もう、かれこれ30年以上前のように思うが。この研究所では、木材の防腐及び防蟻実験をされていた。促進実験でもあるので、暗い部屋で、湿度を一定に保ち、温度も27度でせっていされていた。

接地実験、非接地実験は樹種を様々に変えながら、なおかつ保存薬剤の加圧注入したもの、してないもので分けて実験。ホワイトウッドは外材、国産材はスギ・ヒノキなど。

シロアリは2種。イエシロアリ・ヤマトシロアリ。このシロアリは社会的昆虫で、よく見るシロアリの働きアリだけで構成していたのでは、種が保たれない。シロアリを繁殖させるのに10年もかかったと伺って、自然のような状態を保つという努力に敬意をもった。

ほっとくことが自然保持と誤解される方もいると思うが、自然を(保つ)のは、人間の努力がいるのだ。・・・矛盾のように聞こえるが。

腐朽菌の代表。褐色腐朽菌のオオウズラタケ、白色腐朽菌のカワラタケが実験に供される。菌糸をみても、どれがどれかわからない。

よく、論文では、実験結果が数値化されて表として出てくるが、

こうした実験の様子を体感すると、木材腐朽やら蟻害の様子が、実感としてより鮮明に自分の中で記憶されると感じた。

数字は、ある意味、概念である。数字の多寡より見た物の様子を記憶しておくことが自分としては重要と思っている。


こういう実験で、被害度をどう数字を見るか?ということになるだろうが、実物をみることのほうが、記憶に残り、次の課題まで浮かんでくるような気がした。



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