【OKRをやってみた!】IT企業でEC系サービスを作るチームが半年間実装してみた話
こんにちは。IT企業にてEC系サービスのPMを担当している川村です。私が所属するチームでOKRを運用し始めて半年が経過しました。
現在2021年8月、前期のOKRに対する結果が出て、OKRに対する理解や反省点が深まってきたタイムングで記事にまとめようと思いました。
どなたかの参考になりましたら幸いです。
OKR導入の経緯
2021年1月、私たちのチームはOKRという目標管理方法を導入しました。OKRとは何か...についてはOKRとは?の章で詳しく説明していますが、かんたんに言うと、最新のIT企業が導入している、最新の目標管理方法です。
私たちのチームがなぜOKRの導入を始めたかというと、会社の方針で導入することになったからです。
なぜ会社の方針でOKRを導入することになったのかと言うと....
(よくわかりません。調べておきます。)
私たちのチームについて
私たちのチームは、ネットショップを作るプラットフォームの決済まわりの開発を担当しているチームです。
「お客様がカートに商品を入れてから決済が完了するまでのプロセスにて、ユーザビリティを最大限に引き上げよう」という目標を持っています。
チームメンバーの構成はマネージャー1名、PM1名、エンジニア3名、デザイナー2名となっており、私はPMを担当しています。
OKRとは?
OKRとはObjectives and Key Results(目標と主要な結果)の略で、目標達成のための管理方法の一つです。
KPIに変わる管理方法として、GoogleやFacebook等のIT企業が導入し注目を集めている手法となります。
OKR最大の特徴は、組織と個人の目標を一致させ目標を管理するという部分です。組織の目標に対して、社員のモチベーションを向上させながら目標達成を目指すことが目的となります。
OKRの目標の立て方はO(目標)とKR(成果指標)に分けて考えます。
・0(目標)
・KR1(成果指標1)
・KR2(成果指標1)
・KR3(成果指標1)
O(目標)はワクワクしてモチベーションが上がってくるような目標を立てます。その目標が組織の目標にも繋がるような立て方が良いとされています。
一方、KR(成果指標)は計測可能で、客観的にみて達成が明らかになるような指標を立てていきます。O(目標)1つに対して3つくらい立てるのが良いとされていますが、これは目安となります。
ちなみに、OKRの目標達成水準は一般的に60%~70%と比較的低めに設定します。これは「目標に対して、その目標に向かっていく過程で社員の成長を促す。」というOKRの目的もあるからです。
詳しくはGoogleが出している記事にてご確認ください。
KPIとの違いは何?
KPI...目標数値を追いどのように達成するかを管理する
OKR...目標達成に対するモチベーションと達成度合いを管理する
KPIとの違いは、KPIは定量的な目標を目指すのに対し、OKRは定量的・定性的、両方の目標を目指すところです。
OKRの決め方
さて、初めて導入したOKRをチーム全体でどのように決めていったのかというところです。
まず、2021年2月にチームメンバーを集めてOKRを決める会を開きました。
そこでチームメンバー内で意見を出しあい、一気にO(目標)とKR(成果指標)を決めていきました。(会議は大体2時間くらい)
会議はこのような流れで進行しました。
1,「1年後、チームがこうなっていたらテンション↑↑↑」という状態を各メンバーで意見をできるだけ出す(これがOにあたる)
2,でた意見を分類
同じような趣旨の意見をこのように分類しました。(ちなみに、フルリモートの会社なので会議は全てオンライン上で行っています。)
3,2の表から自分以外のメンバーが出した意見でいいと思う意見を3つ選ぶ
4,意見の多かったものをチームのO(目標)として決定!!!
5,選んだOを1年で達成するために、上期完了時にどういう状態になっていたらよいか話し合う(これがKRにあたる)
この時、KR(成果指標)は定量的に判断できるものを意識して意見出ししました。
〜〜ここまでで一旦会議は終わり〜〜
別日にマネージャーと出そろったKR(成果指標)に対して、最終調整を行いました。
チームメンバーからでた意見を取り入れつつ、より定量評価できる指標へと整えたという形です。
これでOKR決めは完了です。
・01(目標)
・KR1(成果指標1)
・KR2(成果指標1)
・02(目標)
・KR1(成果指標1)
・KR2(成果指標1)
・KR3(成果指標1)
詳しくは書けないのですが、O(目標)を2つ、それぞれにKR(成果指標)を2、3個設定しました。
OKRの結果
半年後にOKRがどうなったかと言うと...このような結果となりました。
・KR5個中2個達成
・OKR全体の達成率40%
前述したとおり、OKRの達成率は60%~70%になるように設計するハズだったので、この結果は決して良いとは言えないですね。
この原因については反省点の方で解説しています。
よかった点
よかった点1.チームの大きな目標を認識できたこと
OKRを実施してみてよかったことは、改めて時間をもうけて、「私たちのチームが達成したいことって○○だよね!」という認識合わせができたことです。
日々の業務の中でなんとなく進んでいくことも意味付けができるとモチベーションが上がるのかなと思いました。
反省点
反省点1.OKRを設定してから、定期的な見直しをしなかったこと
最大の反省点は、OKRを立てたのは良かったがその後の振り返りを定期的に行わずに徐々に忘れていったということです。
2021年の2月にOKR会を開きみんなで決めた後は、特に振り返りのMTGを行わずに月日が流れていきました。
ほとんどのメンバーがKRの内容を忘れつつあったのかなぁと思います。
メンバーのモチベーションを保てなかったことはOKRの目的ともズレますし、PMとして力不足を感じました。
反省点2.OKRの数が多すぎた
私たちのチームではワクワクするような魅力的なO(目標)を2つ設定し、計5個のKR(成果指標)を立てました。
チームメンバーはKR達成のためだけに動けるわけではないので、これは多すぎたように感じました。
私たちのチームではもう少しシンプルに目標設定をした方が合っていそうです。
反省点3.KRの達成するためにできること(これ以降アクションと呼ぶ)が少なすぎた
前章でKRを6つ設定したと記載しましたが、この6つのKRを達成するためのアクションが少なすぎた、と感じました。
これはKRを立てる時に考えておかなければならないことでした。
例を挙げると、
KR(成果指標):ユーザーへ△△についてのアナウンスを行う
アクション:○○の開発を終える。終わったらこのKRを実行する
こんな感じです。これは実際に起こったことなのですが、○○の開発が伸びると決まった時点でKRの未達成が確定してしまいました。
この場合、○○の開発は終わらなかったけど△△という方法をとりKRを達成できるよう努めた。ということが行えれば良かったのですが...
感想
感想1.皆でチームの最終目標を確認できるのは良い
単純に今までチームの最終目標を改めて意識したことはなかったし、それをチームの共通認識としてもつ、というのはあらゆる面で良いよなぁと思いました。
例えば、「この機能を追加することが、チームにとってどのような影響を及ぼすのか」という部分がクリアになるとモチベーションも上がるってくるのではないでしょうか。
感想2.定着や理解に時間がかかる
まず、OKRの理解に時間がかかると感じました。OKRはチームメンバーのモチベーションと数値を両軸で管理しつつ目標達成を目指します。
なぜKPIでなくOKRなのか(定量だけではなく、定性の部分も追う理由)メンバー全員が理解していないと、OKRを進行する意味がなくなってまいます。
ここが難しいところであり時間がかかると感じました。
感想3.KRに対しての進捗管理が難しい
KRに対しての進捗管理に対しては、非常に難しいと感じました。
というか、このOKRを進行していた上期にはほとんど進捗管理をおこなっていませんでした。理由はOKRを設定してから、定期的な見直しをしなかったことからです。
これについては改善案を下期で提案したので、次回記事にまとめます!
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