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耳読を楽しんでいます

Audibleを愛用しています。
本が読みたいけど時間がない!という私には本当にありがたいものです。

年末年始は星新一の「ボッコちゃん」を聴いていました。
星新一は私が大人の小説を読む入り口になった作家です。

幼い頃から本を読むのは大好きでしたが、読んでいたのは中学生になるまではいわゆる“児童書”に分類されるものばかりでした。
「ボッコちゃん」は、書店の児童書ではない本棚から初めて選んだ文庫本。
その面白さに虜になり、当時出ていた星新一の文庫は全部読んだと思います。

Audibleでの「ボッコちゃん」の朗読は、大塚明夫さんと貫井柚佳さん。
どちらもベテラン声優さんで、聴き応えがありました。


若い頃は凄いスピードで、まるで「目で舐めるように」読み、全てが頭に入ったものでした。
私はあまり若さに未練はないけど、あの読書力は懐かしい、というより、戻れるなら戻りたい、と思ってしまうものです。
今はもう、読むスピードも頭に入ってくるスピードも落ちちゃって、集中するのにも時間がかかって、話が入ってくる前に眠くなることもしばしば。
はぁ〜、情けない(涙)


でもそんな私には、Audibleは救いの神です。
昨年、一昨年は、読みたかった村上春樹作品をずいぶん耳で読ませてもらいました。
Audibleは村上作品には特に力を入れているようで、ナレーターのラインナップが豪華なのも“耳福”でした。

特に強く印象的だったのは、木村佳乃さんによる「海辺のカフカ」、杏さん&柄本時生さんによる「1Q84」、高橋一生さんによる「騎士団長殺し」の三作。
素晴らしかったです。


つい数日前に聴き終わったのは、鏑木蓮「白砂」。
知らない作家さんでしたが、あらすじからサスペンスとして面白そうだなと思って選びました。
朗読は声優の浅木俊之さん。
この方も知らない方ではありましたが、とても良かったです。

文章構成としては少し回りくどく感じる箇所もあるものの、ストーリーは先が読めず、最後まで面白く聴きました。
主人公刑事と若い部下とのやりとりが、暗い話のちょっとしたガス抜きのようになっていて、ちょっと笑えたりもします。

褒め言葉にはならないかもですが(^o^;)、良くできた火曜サスペンス劇場、という感じで楽しめました。


小説の朗読は、例外もありますが基本的には登場人物の全てを1人で語ります。
どなたの朗読も、その点において本当にすごいなと思います。
これができる人が俳優であり声優なのだなと、ただ見目や声が麗しいだけでできる仕事ではないのだと、演じるという仕事に対する認識が変わりました。

さて、次は何を聴きましょうか。

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