見出し画像

この人と結婚すると思ってた③

私の予定に合わせて彼が会いに来た。

そこに居た彼は、今までと変わって本当に優しくなっていた。

『今までを振り返ってみると、俺のワガママばっかに付き合わせていたし、嫌な顔一つせずに付き合ってくれてたあーちゃんを大切にできてなかったって1ヶ月の間ずっと考えてた。正直、もうあーちゃんには別の男が居ると思ってたから、なかなか言い出せずにいた。必ず幸せにするからもう一回チャンスが欲しい。
友達にも相談したら、あんなにお前のこと理解して、大切にしてくれる子、あーちゃん以外いないぞ。って言われた。俺も本当にそう思う。
女友達の連絡先も全部消した。だから、お願いだからもう一度やり直してくれませんか。』

彼はそう言った。

私も彼のことを嫌いになった訳ではなかったし、それを受け入れた。

そう、私たちは復縁した。


復縁してからの彼は私に本当に気を遣ってくれ、優しくしてくれた。

怒鳴ったり、怒ったりすることもなくなった。


2人で初めて旅行にも行った。


旅行に行く前、彼が急に『まずお母さんにだけ挨拶しようかな。』と言い出し、お母さんに挨拶をしていた。

将来の話もたくさんした。
『結婚しよう。』とも話していた。

彼の友達とその彼女と4人で遊びに行ったり、彼の仲間と大人数で遊びに行ったり、本当に楽しい日々だった。


楽しかった...
幸せだった...


遊び人の彼に、あんなに私のことを突き放してた彼に遂に本命の彼女として認められた。

彼の1番になれた。

この5年間ずっとそうなりたかった。


願いが叶った。


と同時に、彼が私に夢中になってくれる程、私の気持ちは冷めていった。


私は彼を振り向かせたかっただけなのか...
その目標を達成した途端に彼との未来が思い描けなくなっていった。


その頃の私には、職場に入社した時からすごく優しくしてくれる男性が居た。
入社した頃は、彼と会えば怒鳴られ、泣きじゃくってた毎日。
そんな中、職場で優しくしてくれた男性。
その出会いで私の中で、何かが変わっていた。


彼しか見えなかった世界から、
彼以外の男性は、私にこんなに優しくしてくれるんだ。全然怒鳴らないんだ。

そんな風に思っていた。


復縁した時点で彼とはいずれ結婚する。
彼も私も、その周りも皆そう思っていた。

だから、彼の家のレイアウトなども休みの日に私がやっていた。


だけど、話が進むにつれ、私は違和感を感じる。


『本当にこの人と結婚していいのか?』
『幸せになれるのか?』

そればかり考えるようになっていった。


次第に彼のことを考える時間は少なくなり、こちらから『会いたい。』と誘うことも減っていった。


男性と女性の結婚したいタイミングは違うってこうゆうことだ...って思った。


あんなに結婚したかった彼だったはずなのに...

それでも、なんだかんだで復縁して1年間交際は続いていた。


復縁した当初は優しかった彼も、前程酷くはないが、徐々にモラハラ気味な彼に戻っていった。

人はそう簡単には変われない

その言葉通り。

やっぱり同じ道を辿ることになる。

そうして、お互いに気持ちは徐々に冷めていった。

最後は、LINEで彼から『今度、俺のいらない物持って行くからメルカリで売って。売れたら少しはお金あげるから。』ときて、
『私も働いてるし、そんなに暇ないから送ったり、コメントやり取りしたりできないよ。』と返信。

そして、彼から『じゃあ、もういいわ!』って来て、そこで私の中で何かがプツッっと切れてしまい、そのままお別れすることになった。


6年付き合って、あっけない終わり。


自分の中でも、『これが正解』と思って出した答え。
私の周りの人もみんな『別れて正解!良かったじゃん!』と言ってくれたし、彼のことを『最低な男だ』と言う人もいた。


うん。

そうだね。

側から見たらきっと最低な男かもしれないね。


でも、私にとっては最高の男だったんだよ。

良い所もたくさんあったんだよ。

美容師としては人一倍努力していたし、腕は確かだと思う。

怒りっぽかったけど、その分愛情もたくさんくれたよ。


私の誕生日にはサプライズで遠くまでプレゼント買いに行ってくれたり、美味しい食事ご馳走してくれたよ。


結果的には別れてしまったけれど、
私は人生で1番大好きで大切な彼だった。


ただ運命じゃなかった...
(でも、この後の人生で私と彼はある意味運命的な再開をします...)


6年間本当に楽しかったし、幸せだった。

この経験があるから、彼が居てくれたから今の私が居る。


冷めてはいたものの、さすがに別れる時はぐしゃぐしゃになりながら泣いた。

その時に流れていた曲が米津玄師の『Lemon』


この曲を聴くと今でもあなたのこと思い出すよ...

『あ〜本当に大好きだったなぁ〜』って。


『あの日の悲しみさえ あの日の苦しみさえ その全てを愛してたあなたと共に』

『あんなに側に居たのにまるで嘘みたい』

『何をしていたの 何を見ていたの 私の知らない横顔で』

『どこかであなたがまだ 私と同じような涙にくれ淋しさの中に居るなら 私のことなどどうか忘れて下さい』

この歌詞が心に沁みるんだよね...


彼との6年間は、私にとってかけがえのない宝物です。


別の人と結婚した今でもたまぁーに彼のことを思い出します。


夢にも登場します。笑


これが私と彼の恋愛ストーリー。


次回、彼への最後の手紙を書きます。



いいなと思ったら応援しよう!