「海よりもまだ深く」

妻と是枝監督作「海よりもまだ深く」を観た。

妻は「よく分からない」と言っていたが、私にとっては胸にしみる映画であった。

私はこの映画を、夢やこだわりを捨てる事で、小さいながらも確かな幸せを得るという話として受け止め、とても共感できた。(ストーリー的には、夢をあきらめられないので、うまくいかない家族を描いています)。

ラジオから流れてくるテレサテンの曲の一節をとらまえて、樹木希林が言う「海よりも深く、人を愛した事なんてないな」、「だからこそ、こうして生きていける」、そして続く「人生なんて単純よ」。

夢をあきらめる事だけを捉えると、ネガティブな話しになる。だが、自分自身、ささやかながらも小さいながらも確かな幸せを感じている理由を探っていくと、「何かを諦めた」事に行き着くような気がしてならない。そして、不思議な事に、それをただ単純にネガティブには捉えられない。


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