とりあえず、家族みんなで! エスパーだよ!
昼下がりのショッピングモール。レゴ・ミニフィギュアーズの棚の前でたたずむ母子。
「欲しいなら、自分のお財布と相談して」
在庫は少なそうだ。迷う子ども。
そこへ……
「お父さんが欲しいフィグを出せたら、
代金を出すよ。
でも、
狙っていないヤツが出たら、罰ゲーム!」
この商品は、箱を開けてみないと12種類のうちのどのフィグが入っているかわからない。
夫が指定するフィグが出るか出ないか、賭けである。
慎重派のわが子、どう出るのか?
(わしっ!)
おもむろに箱を掴む子ども。
(カタッ カタカタカタ…… )
?!
突然、耳元で掴んだ箱を振り始めた。
そして、
「……わかる。
振ればどの大きさが、何パーツ入って
いるか……
ワタシには、わかる!!」
なんかエスパーみたいなことはじめたーっ!!
透視能力ならぬ、“聴視能力”である。
「えっ? 本当にわかるの?
やってみたい!」
つられて参戦する、くだらないこと大好き人間たち。
結局、3人でカタカタと箱を揺らし、3箱購入することに。
食品売り場に移動する。夫がシャインマスカットを食べたいと言い出す。
シャインマスカットは、リーズナブルではない。買うならば、ぜったいに美味しくなくてはイヤだ。
「……わかる。
この粒のつまり、ブルーム、実の色……
ワタシにはわかるっ!!」
「いやいや、なんかこっちの方が
いい気がする……
ワタシにはわかるっ!!」
「ワタシにはわかる!!
早く決めて、レゴした方がいい!」
ここでも、家族総出でエスパー気取りを繰り広げたのだった……。
さて、“聴視能力”の結果はというと……
子は見事にエスパー能力を開花させたのだった。
シャインマスカットの方も、美味しくいただいた。
夏休み明け、子どもはクラスで“この夏休み中に得たもの”を発表するようだ。
とりあえず、「レゴを聴視する能力を得たと発表できるね!」と、笑って明日を迎えられた。
9/1(日)。まだ、あとほんの少し夏休みはある!
なんでもいいからくだらないことで笑って、みんな、また明日から、進んで行こう。
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