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諸々忘れる忘年会
( …… ん? )
♪〜 ……まがりかどー
たきびだ たきびだ
おぎやはぎ〜♪
朝から夫の変な歌で目を覚ます。
( ……
昨日は……
おもしろかったな……)
もう少し寝ていたいところだけれど、
あの歌は聞き捨てられない。
なんとかふとんから出て、ツッコミを入れにいかねばっ……!
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昨夜は入ったばかりの会社の忘年会に参加した。
テーブルにつくと向かいの席に同じ部署の人がいるが、いかんせん顔見知りが少ない。みんな「はて、この新種は?」という顔をしている。面接を担当してくれた部長と次長に挟まれ、まさに“捕らわれた宇宙人”の様相だ。
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乾杯後、歓談。
「もう、慣れたでしょ。」
部長が言う。
「さすがに4日では慣れないですよ」
「いや、あんなにすぐ、デスクに
なんか飾るヤツ、見たことない。
慣れなきゃやらないだろ。」
気にかけてくれていることには気づいていたが、おもちゃの存在(アニマルフィギュア)も把握されていたか……(チッ)
「みなさんデスク周りをステキに
飾っていたので……
というか、面接で突然、
“血液型、なに型?”
とか、意味がわからん質問をしてくる
面接官がいたら、多少の“あそび”を
容認してくれる会社だと思いますよ」
それを聞いて、笑う周りの人々。はじめて話す新しい仲間から質問される。
「それに、なんて答えたの?」
「どういう意図があって、何が正解なの
推しはかれなさすぎて
“何型に見えます?”
って、
合コンみたいな返ししちゃいましたよ!
まあ、そのあと正直にA型って
伝えましたけど……」
わたしの発言に、さらに笑いに包まれるテーブル。
「いや、素直に答えていい質問だよ。
B型率が高いから、中和するかな?
ってだけの話だから。
それだけで落としたりしない。」
部長の正解発表に「なんだ、そうなのかー!」と、ひとしきりみんなでワイワイしつつ、B型 vs A型で生ハムをいかに器用に美しく巻けるか“生ハムローズ対決”をして楽しんだりしたのだった。
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(生ハムは、このあとみんなで
美味しくいただきました)
その後、みんなお酒が進み、飲まないわたしは酔っ払い観察係と化していったのだが、感想はというと、
ひっっっ……さびさに見たなっ!
こういうノリ(笑)
というものだ。
仕事をともにする相手という関係だけでなく、みんな屈託なく楽しんでいる姿に「この雰囲気なら、落ちついて働けるかな」と少し安心したのだった。
楽しんだ帰り道、本屋さんで何か買いたい気分になる。
2冊文庫を買う。
少し読んで、眠りにつく。
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「ねぇ、“おぎやはぎ〜♪”って何よ?
正しい歌詞、わかって替えているの?」
「え〜……
それは、当然だよ!
えっと……
オチ……バタ、キ??」
“落ち葉焚き”と、漢字変換までできているのかどうかはかなり怪しいところだが、夫はどうやら正しい歌詞をわかっているようだ。
そして、この替え歌のやりとりを、子どもが半笑いで眺めている。
8月の突然の退社から、3ヶ月夢を追ったものの、叶わず……少し後ろ向きな気持ちを残して入った会社だったが、忘年会に出てみて、この会社でまた楽しめそうな気がしてきた。
今年1年の諸々を忘れられる、忘年会になった。
【これまでの“アイ社”遍歴
〜愛であり、哀もある仕事歴〜】