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Sunday, green, green……
◆ Sunday.
日曜の昼。久しぶりに3人でランチへ。
牛タンに行きたいという夫に、難色を示す子ども。
「牛タン固いから…… あんまり」
「じゃあ、焼肉屋のランチ」
「……。」
子は、牛肉もあまり好まない(というか、鶏モモ至上主義者)。そして、さらっと食べてすぐに帰りたくもあるようで、焼肉のタイパにも納得がいっていないようなのだ。
「焼肉でもランチなら、時間はかからないよ!
定食みたいに決まったもの出すから」
タイパ課題をクリアにしたこと(夫の強引な押し切り)で、焼肉ランチに落ち着く。
店に着いてメニューを見て、オーダーする。
「上タン ランチ」
?!
子どもが、固いと拒否していた牛タンを頼んでいる。
どういうこと??
「上タンって…… 豚のタンでしょ?
上タンは歯ごたえよくて、固くないから……」
いやいや、ちがう! 上タンの“上”は、お値段が“上”なのであって、ゆえに柔らかさと歯ごたえが両立しているのだよ!! 牛肉だよっ!
「へぇ〜」
並よりお高いから上タン。
またひとつ世の中を学んだ子ども。
そんな説明をしながら、熱々の石焼ビビンバランチを仕上げようと混ぜるわたしを
「そんな作り方じゃダメだっ!」
という表情で無言の圧力をかけてくる“焼肉屋番長(夫)”。
今日の石焼ビビンバは、みんなでシェア用じゃないんだから、テキトーにしていたのに……。番長の圧に負けて真面目におこげを作る。
それを確認した番長から一言。
「ちょっと分けて」
ちゃんと作ったらシェア希望してくるんかいっ!
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そして、こちらに茶碗を出しながら、子どもの上タンの焼き加減チェックも欠かさぬ番長。
焼肉にだけ熱量が高いのはなんなのか……?
◆ green.
ランチの後、下の階に移動する。
「ちょっと待って!」
観葉植物ショップの前で立ち止まる夫。
「観葉植物、興味あるんだよね〜」
うぉいっ! どういうことだよ!
「はじめて僕が思いつきました! いいアイデアでしょ!」みたいな雰囲気で提案してきた夫だが、わたしはこれまでに、部屋にグリーンを置きたいという話を何度もしている。なんならこのショップにも何度か夫を連れて見にきている。
……今、やっと、彼の脳みそにグリーンが届いたようだ。
めでたい。
それでいうと……わたしが今、「思う以上にかわいいんだよ!」と伝えているコレも……夫の欲しいものリストにすり込まれる日が来るのだろうか?
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ウインドウでガン見している。
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お家に呼ぶまでは考えていないが、
かわいいことは認めて欲しい。
とりあえず、LOVOTカフェに誘導したいところだ。
◆ green.
さらに食品売り場で買い物をする。今日はそれほどたくさん買わなければいけないものはないと小さめのエコバッグにしてしまったが、店内を歩くと、足りなくなりそうな食材、日用品を次々思い出す。
……
キャパオーバーだ……。
よし!
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決して、レタスやほうれん草ではありません。
堂々と何事もないかのように抱えれば、コイツらも立派にグリーン。花束、グリーン。
……。
緑にあふれ、平凡な日曜の話。