とりあえず、修行。
遅い昼に出かけたコーヒー店で、ホットケーキを頼んだ。
ふだんは、誰かが頼んでいるのを「おいしそうだな…」と眺めるにとどめているのだが、春の空気に流されてうっかり頼んでしまった。
2段重ねのケーキに添えられたいちごのコンポートとクリーム、琥珀色のシロップ。
ほかの誰かが頬張っているとあんなにおいしそうに見えるのに……
原因はわかっている。
本当なら、
クリームをケーキの上にぽってりとのせて、
シロップをダバーッとかけて、
いちごをのせて、大ぶりにカット!
甘々〜を堪能!!
すればいい。
それなのに、
ちまちまカットしては、
ちょびっと何某かをつけて口に運ぶ…
なんて食べ方をしているからだ。
……デコラティブで甘すぎるものは、
あんまり得意ではなかったと再認識する。
ちまちま、もくもくと食べているので、はたから見ると修行チックだが、こころはちゃんとうれしい。
なので、年1くらいのペースで、この“ホットケーキ修行”に手を出してしまうことを許してほしい。
さて、わたしのそばには、コレとは違う修行をしている者がいる。
わたしがブラックコーヒーを頼むかたわらで、
クリームメロンソーダ!
とか、
季節のフルーツパフェ!
などをオーダーする。
そして、ウェーターさんが運んできてくれると、
済ました顔でコーヒーを自分の前に置いてもらう。
その後、立ち去るのを見計らって、お目当てのスイーツをすごい速さで引き寄せ、頬張る。
すり替えの術!!
もはや常習犯すぎて、達人の域である。
とりあえず、ウェーターのみなさんにお願いしたい。
ゴテゴテ甘々なものを頼んでいるのはわたしではありません。夫です。
見極められるよう、修行をお願いします!