
とりあえず、雨と宣告
じわじわ迫ってきていたが、梅雨が本気を出しはじめている。
そもそも低血圧で、午前中は仕事に必要なスイッチだけが維持され、それ以外は事切れた状態で生活している。
それに加えて低気圧がやってくると、もう、
クルクル…… フワフワ……
クラクラ…… キラキラ……
文字にするとメリーゴーランド的な美しさがあるが、要は、めまいを起こしているのだ。
実際、クラッとして、ガンッとなにかにつかまる、というようなことをしてしまう時が稀にある。まわりに「大丈夫っ?!」と心配をかけてしまう。
その度にすごい速さで体勢を立て直し、焦点が合いきらない目で「ぜんっぜん大丈夫です!!」と宣言し、普通に仕事に戻る。
「ダウンを取られたくないボクサーみたいだ」
と、かつての同僚である友人は笑う。
がっつり倒れたりできれば、自分でもストップしようと思うのかもしれない。
だが、動けてしまう。
誰かが
「おまえはもう、戦ってはいけない」
と、宣告してくれればいいのか……
そう、そうなのだ。
あいつにも、宣告しなければいけないのではないだろうか……
雨が不得手なことはわかりきっているのに、
「おまえのかわりは、いないんだっ!」
と足下の守りを任される。
戻ってきて、しばしリビングで休ませたりもするが、朝になれば、また、
「おまえのかわりは、いないんだっ!!」
と、駆り出される。
外見状は問題がない様子を保っているが……
もう、厳しいんじゃないのか?
リタイア……しないか?
夫のビジネスシューズよ。
だって、ちょっと……
めまいがするにおいを放つときがあるし……
とりあえず……
大げさな感じで書いてきたが、言いたいことは、「靴を買い換えては?」というご提案だ。
男性用に、ビジネスシーンでも許されるレインシューズがあるといいのになー。
女性のレインブーツはオフィスでもそこそこ市民権を得ているのになー。