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とりあえず、大人の差を見せつける。

できるだけ毎日に変化が起こるようにと、何かしら用事を作って、外に出るようにしている。

午前中は隣の駅前に。

行き、大きめの公園の中を通り抜けようとすると、まだまだ暑いのに園児たちが、ちょびヒゲな芝生の広場(芝がところどころにしかはえていない)に遊びに来ていた。
エネルギーの塊だ。
ふふっと笑い、通り過ぎる。

用を済ました帰り道、再び公園を通り抜けようとすると、

おや?

もう、どんぐりが落ちている!!

昼で人がいないのをいいことに、ちょびヒゲ広場を囲う木の下を見て回る。

あ! また、どんぐり!

ここには小さいどんぐり!

やった! 帽子つき!!

どんどん見つける。

さっき、この辺に園児たちがいた。
踏まれてしまったどんぐりもあるが、なかなかに趣のあるモノが残っている。


ふっ。園児たちよ……

まだまだ、どんぐり拾いの“目”がなっておらぬなっ!


そんなことを思いながら、炎天下、ぽつぽつと、どんぐりを拾う。
楽しい!!




10分もすると、暑さで我にかえる。

「あっつっ。

 ところで…… どんぐりを拾って
 わたしは何をするんだ?」

拾ったところで、飾るほどマメではない。子どもだって、どんぐりを喜ぶ年齢ではない。

かくなるうえは……

公園の切り株に、並べる。
午後、遊びに来た子どもは何を想像するかな?


前にも、こんな公園での戯れを書いたような気がするが……

自分自身、子どもの頃、離れた切り株にちょんとひと粒置かれたどんぐりや、きれいに並べられた草花を見ると、「リスやキツネやタヌキが遊んでいたんじゃないか?」と想像して、わくわくしていた。

どこかの誰かがわくわくするなら、拾われたどんぐりも、むくわれるだろう。
知らない誰かの反応を思い浮かべるのは楽しい。


そういえば……

この間、子がそっとやっていたコレ↓

萎れた花を元気にするライト

こういうのには、反応してあげた方が面白いかなと思い、次の日、子が起きる前にちょっとしかけて置いた。

ライトの こうかは ばつぐんだ!

偶然にも次の日、前日以上にたくさんの花が咲いていた。
この日は部活の新人戦でもあった。ちょっとは緊張もやわらぐか……


起きて来てテーブルの上を見た子どもは、

「ふっ」

と笑って、ちょっとライトの角度を直していた。

リアクション、ちっせー!!
(こうかは ない みたいだ。)


その後、出かけた子に見つからないように大会を見にいく。来るなとは言われていないが、恥ずかしいらしい。

ひと通り観戦し、完全に終わって鉢合わせるのを避けようと早めに会場を出ようとすると、受付に、部活の顧問の先生がいる。
挨拶をしようとすると、隣に子が座っていた。目を逸らされる。

あわてて会釈に切り替え、こちらも離れる。

あのあと先生から、

「知っている人?」

と、質問されたそうだ。
なんと返したのか聞くと、

「…… はい、知っている人です。って答えた」


ほぅ……。
母ではなく、知っている人……

大人になったもんだなっ!


親ばなれもどきな態度に、こちらも「ふっ」と笑ってしまった。


あ、、、



そんな、親ばなれもどき中の子に、公園であやしくどんぐりを並べていることがバレたら、
今度こそ
「いえ、知らない人です」に
なってしまうのではないか?

とりあえず、どんぐりのことはかくしておこう……

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