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ショートフードエッセイ『美味しい、は本の中①』

子供の頃から本を読むのが大好きだ。
つい夢中になって読んで、物語の中にすっぽりハマってしまう時も多い。

中でも私の興味をそそるのは、やっぱり食べ物とそれにまつわる場面だ。

畠中恵さんの『しゃばけ』シリーズ。
江戸が舞台のファンタジーだが、お菓子が沢山出てくる。かりんとうや金平糖、お饅頭にお団子、有平糖…中でもお気に入りは、主人公の若旦那が火鉢で炙る大福。
もともと美味しい大福を火鉢で炙って食べるなんて!絶対美味しいだろうなぁ。

火鉢なんて使った事もないくせに、炭の爆ぜる小さな音や、大福の焼けるほんのりと香ばしい匂い、ひんやりと冷えた部屋の空気と手元のじんわりとした暖かさまで感じるようで、とっても素敵な場面。

これは是非私も!と思って、スーパーで買った大福をトースターで焼いてみたら、お餅がとろけて網から落ちる惨事となった。
残念。
大福だけじゃなくて、火鉢まで欲しくなってしまうじゃないか。

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