「草邦楽」を目指して
投稿者 - 箕面邦楽研究会 Y.Nami (2002.11.18旧HPより)
コラムの続きを書くのにずいぶんとかかってしまいました。(もう2年くらい?) さて、邦楽の停滞を打破するには、どうしたらいいのんか?といったことでしたっけ。
話は関係ないところからです。「野球」の楽しみ方って二通りありますよね。一つは観戦。どこかのチームのファンとして、時には熱狂的に応援します。
もう一つは実際にプレイする野球。われわれの小さい頃は、学校のグラウンド以外でも、空き地があったり、河川敷が自由に使えたりして、とにかく何人か集まったら野球でした。プロの真似をしたり、その気になって。でも、それほど上手ではなくても野球のプレイする楽しさは十分に味わえたように思います。
野球には皆さんご存知のように、大リーグから日本のプロ野球、実業団、高校野球ETCと幅広くあります。しかし、その底辺といえばやはり「草野球」ではないでしょうか? 日曜の朝早くから、いい年をしたおっちゃんまで、近くの公園に集まって。しかし、野球がこれほど日本人に浸透していったのは、その「草野球」あってこそと思うのです。
ここまで書けば、言おうとしていることはおわかりかと思いますが。邦楽もプロの演奏家ばかりや、半分プロの社中の先生(=実業団かな?)ばかりでは、底が浅い。そういうプロの演奏を励みとしつつも、「自分達でプレイを楽しむ」そういった底辺的な場所がなければ、邦楽は(他のものもそうだと思いますが)拡がっては行かないと思うのです。高校野球や大学野球をしていた人も、全部がプロや実業団に入るわけではないのですから。
ホームページなどで見ると、ちょこちょこと、地域に邦楽サークルのできる動きがあるようです。 そういった、草野球的邦楽集団=「草邦楽」サークルが、あちこちに出来て、邦楽の底辺がひろがることが(プレイヤーが増えることが)邦楽文化を再度花開かせる前提条件と思います。その中でプロを目指せる人なんか出てきたら最高ですが。
とりわけ、一度学校のサークルなどで邦楽に接した人が、「その後続ける場所が無い」ので離れてしまうというのは、寂しいことです。そういう邦楽を続ける場所として「箕面邦楽研究会」は「草邦楽」サークルのひとつとして、細々とでもあり続けたいと思うわけです。