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じゃがいも

本日10月1日、秋の気配が頬を撫でるこの頃、僕の母はじゃがいもを野菜とみなす人間(かもしれない)だということが判明した。
高校生の僕の毎日の昼食は母の弁当だ。僕はそれを1人で真摯に食べている。
いつもと同じように弁当箱の蓋を開けるとそこには仲の悪そうな三日月が四つ、ブロッコリーとトンカツの間に挟まれていた。こんがりきつね色の、皮までついたフライドポテト。弁当には白米も入っていた。なんて素晴らしい弁当だろう。炭水化物と油物。僕が若者である証明になるのではないだろうか。この弁当を見せて、「これが僕の弁当です。」とクールに言うのだ。大人たちは僕の若さに恐れるだろう。
この三日月たちは主食だろうか。いや、白米があるなら野菜か?でもじゃがいもは炭水化物だったよな、、、ブロッコリーを食べ、米を食べ、トンカツを食べ、米を食べ、を繰り返しながら弁当と見つめあう僕。
なんて心の中ではモグモグ喋りながら、いつも通りぺちゃくちゃ弁当を食べた。
ちなみにフライドポテトにはしっかり塩気があったのでご飯のおかずとして食べた。炭水化物を炭水化物のおかずに食べたので夜は野菜をおかずに野菜を食べなきゃな、などと思いながら弁当箱の蓋を閉め、僕の昼食は終わった。

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