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パインスコッチの香り

入浴剤が好きで、毎日お風呂に入る時は必ず入浴剤を入れるのですが、数か月前の夏の暑い盛りに久々にものすごく好みのタイプの香りに出会いました。
ぼんやりしていた頭にいきなり電気信号がビビビッと走ったかのような感覚が貫き、一気に目が覚めたような何か脳が開いたような強い衝撃を受けました。

私は何の香りなのかを確かめるために改めて入浴剤が入っていた袋を見ました。
それは、松の香りでした。
なんて良い香りなんだろうと呼吸に集中をしました。
爽やかで、凛としていて、シャープでいて、やる気を目覚めさせるような香り。
それでいて、気取っていなくて、包まれると落ち着きを感じさせてくれる香りでした。
パッケージはとてもシンプルでレトロな感じのするものだったので、まったく期待をせずの状態で浴槽に入れてみたので、この予期せぬ出会いにしばらく入浴後も私の気持ちは持っていかれていたのでした。

そして、また同じ入浴剤を買い込み、その入浴剤を使う習慣がつきながら私が思ったのはこのことでした。
この入浴剤は以前これを買ったドラッグストアで見たことはなかった。
ということは、期間限定の可能性が高い。非常に高い。
ということは、なくなる可能性が高い。非常に高い。
その前に松の香りを手に入れなければ!

というのも、皆さんにもよくあることかもしれませんが、自分が気に入っていた商品が次に行った時にはもう売られていなかったということはありませんか?
このお店に行ったらコレ!という、そのお店に足を運ぶ理由はソレなのよ!ソレなのに、なんでもう並んでないの~?もう買えないの~?と帰り道が悲しくてショックでとぼとぼ歩きになってしまうあのやるせない気持ち。
私もこれまでたくさんのこの気持ちを経験してきました。
(今日だって、ここ二か月くらいドハマりして、よく買っていたポテトコロッケがあったのに、今日行ったらなくて、先日行った時もなかったので、これは例の楽しみにしていたものが急になくなるあの現象アゲインだなとうすうす諦めているところです。だけど、まだ諦めたくない...)

この恐ろしい経験を、せっかく出会った好みのタイプの香りに起こすわけにはいかないと思った私は、入浴剤をネットで買うのもいいけれど、どうせなら入浴中以外にもその香りを楽しみたいなと思ったのでした。
そして、以前から興味はあったものの手を出せずにいたアロマスプレーを作ってみようと思い立ちました。
まずはAmazonで精油を松の香りで検索しました。
松というのはPineと英語で言うのですが、探してみるとPine Scotchというのが出てきました。
PineとPine Scotchの違いを調べると若干違いがあるようですが、そこまで大きな違いはなさそうでしたので、それを選びました。
Pine Scotchの方がよりスパイシーでドライな香りということで、私の好みとしてもそちらを試してみたいという気持ちでした。

それから数日して精油が届き、無水エタノールと精製水を用意して、自分で初めてのアロマスプレーを作りました。
ボトルに入れただけだけど。笑
分量を量ったので作ったと言えましょう。笑
そして、私の手元に松の香りは無事に残ったのでした。
今もリフレッシュをしたい時にルームスプレーみたいにして使っています。
なんとも爽やかで落ち着く香りです。

そして、私のいやな予感は当たったのでした。
しばらくして、その入浴剤はしれっとそのお店から姿を消したのでした。
それを知った時の私は、アロマスプレーを作っておいて良かった~と安堵のため息をつくと同時に小さなガッツポーズをゆるく心の中でしたのでした。

ただまたそこからしばらくして、ふと思ったのは、もし私が、このあるある体験の一つ、気に入ったものが急にお店からなくなっちゃってガーンとなるという経験を知らずに、今回体験して、その松の香りの入浴剤がなくなって、ガーンと落ち込んで悲しみに漂っていたら、アロマスプレーを作るという機会はまた先延ばしになっていたかもしれないということでした。

ピンチはチャンスという言葉は本当ですね。笑
その時にいかに違う可能性を見つけられるか、見つける意思があるかなのだと、今となっては思えます。笑