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ジャスミンの香り

一番好きな香りは何ですかと聞かれたら、なんと答えるだろうと思いを巡らせてみたけれど、やはりジャスミンの香りかなぁと思います。
皆さんは何が好きですか?
サンダルウッド、イランイラン、ムスク、ラベンダー、ローズマリー、数え上げたらきりがないけれど、ジャスミンの爽やかさと華やかさとエキゾチックな多面性っていうのは、他にない魅力に思えます。

好きな香水やクリームなどに共通して入っているのがジャスミンだったということで、知らず知らずのうちに無意識でジャスミンの香りが入っているものばかりを選んでいることにある時気がつき、自分がそれを好きなのだと自覚したのです。

これって気がついたらいつもあなたが支えてくれていたみたいな、後から気がつくパターンの愛ですね。笑
名前を知らない時から好きでしたっていう「最強の好き」です。笑
頭で好きになったのではなくて、ハートに刺さったという類のものです。
それこそ一生もののお付き合いになるはずです。笑

ジャスミンの香りは私とって、優しくて華やかで上品で気高くて強い女性のイメージがあります。
そういう憧れの女性がイメージされるので、ジャスミンの入った香水をつけると、活力をもらえます。

女性にとってはホルモンバランスを整えてくれる効果もあるようで、更年期や月経期などの負担も軽減してくれるというのを読んで、自分の体はちゃんと自分の必要なものを欲しているんだなぁと感じ入りました。
香りでも自分の体をサポートして毎日を過ごしやすくするというのは、私たち現代を生きる人間にも良いやり方だと思います。
そうして、自分を良い気分にするということで、心に余裕も持てますね。

最近「成果主義」という言葉を目にして、改めて自分がそこにどっぷりはまっているような気がしてそればかりになってしまうと怖いなと感じるようになりました。
どうしても、成果を欲する時期というのはあると思いますが、それだけしか見えなくなったり、目に入れなくなったりすると、視界が狭まり、つま先立ちでずっと走っているようで、いつか息切れを起こしてしまいます。
実際、今、そういう人がたくさんいますし、私もそのうちの一人です。

誰でも努力したらその努力に見合う分だけの成果が欲しいと思うものですが、実際そうなるかといったらなかなかそうでない場合もあって、努力がすぐに実りに直結するかというと、その努力が数年後、あるいは数十年後にまったく思いもよらなかった形で実る場合もあります。
それがまた人生の面白いところであるのですが、スピード重視の世界ではなかなか辛抱が続かなかったりします。

頭の中では成果を早く欲しがるけれど、体はもしかしたらもっと着実さと実感の深さを求めているかもしれない、と思うこともあります。
私はConnecting the dots(コネクティングザドッツ)という言葉が好きです。
点を繋ぐという意味です。
スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学の卒業式でのスピーチでも有名であります。
ジョブズは「将来を見据えて点と点を繋ぐことはできません、振り返った時にそれは出来ます。だから私たちは将来どこかでその点たちが繋がることを信頼しないといけません」と話しています。

私たちは自分の中に生まれたこれをやってみたいと思う気持ちを大切にしたいと思いますが、それが無駄にならないだろうかという気持ちも同時に起こることが多々あります。
自分の道筋に一見関係ないようなものでも、それをどうしてもやってみたいと思ったなら、寄り道でもそれはやった方がいいように思います。
若いうちは無駄と思えるかもしれないけれど、その無駄と思えるものが後の自分に役立つかもしれません。
私もめちゃくちゃだけれど、やりたいと思うことをやってきました。
まったく整然としていない自分の人生に、途中間違っていたのだろうかと思うこともありましたが、Connecting the dotsという言葉がを知って、励まされた気持ちになりました。

答え合わせはずっと先に待っています。

実際、ジョブズは学生時代にカリグラフィー(英語版習字みたいなもの、文字を綺麗に見せる手法)に興味を持ち学んだそうですが、その時彼が魅せられたものが後にマックに活かされました。
コンピュータのフォントや字体間を一定幅にすることに彼はこだわったのです。
いっけん、関係性のないものが一人の人間を通して、結びつくというのはとても面白いし、そうして出来たものの恩恵を世界中の人々が受けているというのはとても美しいエピソードだと思います。

何かと何かをつなげることが私たちには出来る、それはとても夢のある話に思えます。
スピードで生きている世界で同時にその裏で、少しの遊びを自分の中に取り入れてみると、何か面白いものが自分の中で育っていくのかもしれません。

こだわりとこだわりを掛け合わせたところで香り立つものがあると考えるとワクワクします。
機能性の中で美にこだわったというのは、親和性がなさそうでいて、実はあるんだろうなと思わずにはいられません。
人は美しいと思うものを残したいという気持ちがあるから。

普段、何気なく使っているものの中にもそういう作った人のこだわりがあるのかと思うと、そこに作り手の物語を見るような気がします。

そう思うと、ジャスミンという花の存在に私は感謝せずにはいられません。
その花の香り、そして、それによる効能を私は存分に享受して生きています。
いつか私もジャスミンと何かを掛け合わせて、世界に何かを生み出す日がくるのでしょうか。
そんなことを思うと、楽しくなってきます。